『返校 言葉が消えた日』が称賛された理由とは―― <前編>『返校』が巻き起こしたこと
新星の誕生……ワン・ジン&ツェン・ジンホア
また、本作からは大きな星が2つ生まれた。主演のワン・ジンとツェン・ジンホア(曾敬驊)だ。
ワン・ジンは、デビュー3年にして高い評価を得て、本作で大ブレイク。いま台湾で一番勢いのある若手女優だ。
小説家としても活躍する才女で、映画やドラマで次々主演、ドラマ「子供はあなたの所有物じゃない(「モリーの最後の日」編)」、「あすなろ白書~Brave to Love~」の主役に続き、映画『アウトサイダー』、『返校 言葉が消えた日』に主演。本作の演技で金馬奨の主演女優賞にベテラン勢の中で唯一の若手ノミネート者となり、台北電影節では見事に主演女優賞を獲得した。
今年台湾で公開された『複身犯(原題)』の後も3本の映画が公開待ちとなっており、2018年のメガヒット映画『悲しみより、もっと悲しい物語』(おうちでCinem@rtで配信中)のドラマ版が、今年台湾で放送という超売れっ子。スケールの大きい女優として成長しそうだ。
一方のツェン・ジンホアは、オーディションで1万人の中から選ばれた新星。涼しげな目元が強い意志を表し、見事にこの時代の学生を体現している。金馬奨で新人賞に、台北電影節では主演男優賞にノミネートされた。
ドラマでは、Netflixで配信中の「次の被害者」で主役のチャン・シャオチュアン(ジョセフ・チャン/張孝全)の少年時代を演じ、台湾語による工事職人たちのドラマ「做工的人(原題)」に出演。
2作目の映画『君の心に刻んだ名前』(Netflixで配信中)で、戒厳令下の時代でゲイの高校生を演じ、多くの女子をキュンキュンさせ感涙を絞った。こちらも超短髪で、クールな目は坊主頭によく似合う。金馬奨の授賞式ではいまどきの若い男の子のヘアスタイルだったのでちょっと違和感を感じたが、現在兵役中なので坊主頭のはず(笑)。制服に坊主頭を妄想しながら、今後を楽しみにしたい。
◆『君の心に刻んだ名前』予告編。2020年の大阪アジアン映画祭上映作 Osaka Asian Film Festival大阪アジアン映画祭チャンネル
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