建築学科に通う大学１年のスンミン（イ・ジェフン）は、同じ大学の音楽学科のソヨン（スジ）と「建築学概論」の授業で出会い恋に落ちます。一緒に課題に取り組んだりするうちに、友達以上恋人未満の関係にはなるものの、結局、告白できずに離れ離れとなってしまいます。15年後、建築士となったスンミン（オム・テウン）の前に、ソヨン（ハン・ガイン）が現れ、「大学時代に口約束していた家を建てて欲しい」というのです。

 美しい大人の女性に成長したソヨンは、医者と結婚し裕福な生活を送っているはずでしたが、実は離婚してトルシンニョとなっていました。やがて彼女は、済州島に自分だけの家を持つことで新たな一歩を踏み出すと同時に、 “第二の人生”も築いていきます。

 ソヨンは当初、スンミンに新築での建設を希望しますが、最終的に昔住んでいた実家のリフォームを行うことに決めます。家を人生に見立てたとき、全てをリセットしてしまうのではなく、今までの経験や感情があるからこそ、これからの新しい自分として生まれ変わることができるというメッセージなのでしょう。監督であるイ・ヨンジュは建築家でもありました。このソヨンの選択には、監督の哲学を象徴しているようにも見えます。

 物語の終盤で、ついに登場する完成したソヨンの家には、海が見渡せる大きな窓があり、海からの新しい潮風が、トルシンニョである彼女のこれからの新しい人生を後押ししてくれているようでした。（ちなみに、このロケ地となった家は現在も済州島に存在し、「ソヨンの家」と言う名前でカフェ運営されているそう）。

さて、バツイチ女性への偏見が薄れたころ、破格のバツ２女性が登場する映画が公開されます。