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韓国映画特集

【韓ドラ&映画】バツイチ・ヒロインたちへの共感が韓国女性を救う

「ずる賢いバツイチの恋」がバツイチ女性を変えた

「トルシンニョ」とは、「돌아온 싱글녀(帰ってきたシングル女性)を略した造語で、離婚歴のある女性の事を指します。2014年に、タイトルにトルシンニョが使われたドラマ、その名も「앙큼한 돌싱녀(邦題:ずる賢いバツイチの恋)」が放送されると、この造語はすっかり定着しました。

 さらにその頃から韓国ではトルシンニョが主人公として登場するTVドラマが急増し始めました。その多くはポジティブなものが多く、バツイチ女性のことを「自分の意思で人生を選んだ女性」「痛みを乗り越えた女性」として描いているのが特徴です。

さらに、トルシンニョになってからの恋愛模様も「年下男子や金持ちの男性と新たな恋愛をして、人生再出発!」という展開が多いのもポイントです。 以前のバツイチ女性というと、男に捨てられ、人生に失敗した可哀そうな存在として描かれるネガティブな印象が強かったので、この変化には驚きました。

 さて、そうなると、ちょうど「ずる賢いバツイチの恋」が放送される2年前、トルシンニョの再出発を建築と共に表現し大ヒットした映画『建築学概論』(2012)も語らずにはいられません。

 ロマンチストの多い韓国人男性において「チョッサラン(初恋)」は、もう何もかも許される免罪符のような力を持つ言葉ですが、この『建築学概論』では、これでもかというほど「初恋」の過去と現在を描きだしています。本作は初恋の世界を大事にする男性にウケたとする見方もありますが、バツイチ女性の描き方が実に秀逸なのです。

 

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