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中国のアイドル業界を支える、3大芸能プロダクションとは?《中編》

引用元:wechat Vlinkage 公式アカウント:「Vlinkage」
記事タイトル:「偶像经纪公司“三足鼎立”,风云突变如何“出招”?」


2018年、中国のアイドル業界では様々な芸能プロダクションが乱立し、一時代を極めた。

この潮流が落ち着きを見せた現在、アイドル産業の芸能プロダクションとして残っているのは、中国ローカルアイドルをてがける哇唧唧哇娯楽文化有限公司(WAJIJIWA Entertainment)、韓流式アイドル産業を取り入れた多国籍芸能プロダクションYUE HUA Entertainment、中国のジャニーズ事務所的存在でアイドル養成を得意とするTFエンターテインメントの3大プロダクションが挙げられる。

この3つの会社の特徴を分析し、今後の中国アイドル業界の動きを探ってみる。

前編はこちら

YUE HUA Entertainment

 続いては、YUE HUA Entertainment。下記はYUE HUA Entertainmentを代表するアーティストの活動一覧。

ワン・イーボー(王一博)はまさにYUE HUA Entertainmentの“長男”にふさわしい活躍ぶり。2019年の「陳情令」で一夜にしてトップパフォーマーになった彼は、音楽、バラエティ番組、映画、テレビドラマなどの露出も多く、「風起洛陽(原題)」「冰雨火(原題)」といった放送待機中の超話題作もあり、商業価値は上昇傾向。広告も35件担当する人気となっている。

ミギ(モン・メイチー/孟美岐)、ファン・チョンチョン(范丞丞)、ホアン・ミンハオ(黄明昊)は、各自のアイドルグループを「卒業」した後も、YUE HUA Entertainmentアーティストのバックボーン的な存在。

ミギの卓越したステージの強さは、彼女を国内のエンターテインメントで最高の女性歌手の1人にし、映画でも魅力を放っている。ファン・チョンチョンは数多くの音楽アルバムをリリースしただけでなく、耽改劇の人気ドラマ「左肩有你(原題)」にも出演を果たした。ホアン・ミンハオは、キュートで温和なキャラが人気となり、バラエティ向けタレントとしての地位を確立している。

彼らとは対照的に、アイドルから俳優に変身するアーティストには、移行がそれほどスムーズにならない場合も少なからずある。ワン・イーボーのように、活動するフィールドをうまく切り替えるには適切な時間と場所が必要であり、彼の成功を簡単にコピーするのは難しいことがわかる。

韓国の研修制度にならって中国の研修生を生み出した最初の国内エンターテインメント企業としてYUE HUA Entertainmentは生まれ、今や歌と踊りの能力が優れた正統派アイドルレーベルの代表格に。

2018年の「アイドル元年」の勢いにのり、エンターテインメント業界向けの「偶像研修生」と「創造営101」の2つのバラエティショーで多くのヘッドアイドルを送りこんできたが、今年問題となったオーディション番組の投票権獲得を目的とした乳製品の大量廃棄問題によって、アイドル養成番組への規制が強化されるなど、状況は一転。オーディション系プラットフォームに重きをおいてきたYUE HUA Entertainmentは、アイドルをユーザーに直接宣伝できないという問題にも直面することになってしまった。

この点で、YUE HUA Entertainmentは一連の積極的な対応を行ない、アーティストのために制作された内部オーディションステージ「発光的名字(原題)」などを行なったが様々な要因で停滞、Youkuと提携した音楽バラエティ「宇宙打歌中心」も大きな反響は得られなかった。

そんな苦境の中ではあったが、2020年に生まれたバーチャルアイドルグループA-SOULが予想を上回る人気を獲得し、新たな商業空間を発見するなど、YUE HUA Entertainmentは依然として国内のエンターテインメント芸能プロダクションの最前線にある。


後編へつづきます

翻訳・編集:Cinem@rt編集部

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