韓国映画特集
【インタビュー】クロックワークス・細川由香理さん 良いものは良い!韓国映画を日本に届けるひと(1)
チェ・ウシクとの会話「僕は息の長い俳優になりたい」
― 先ほどのナ・ホンジン監督とのエピソードもそうですが、細川さんは監督や俳優とやり取りされることも多いと思うのですが、印象に残っている方はいらっしゃいますか?
細川:俳優さんで印象に残っているのは、チェ・ウシクさんです。当時「ホグの愛」という韓国ドラマを配給していまして。そのプロモーションで来日されたのですが、当時はまだ映画にそこまで出演されていないときで。
― 今では『パラサイト 半地下の家族』をはじめヒット作に多数出演する売れっ子俳優ですよね。
細川:そうです、もう雲の上の存在になってしまいました(笑)。「ホグの愛」ではお人好しすぎて人にいいように使われてしまう好青年の主人公ホグを演じていたのですが、ご本人にお会いすると「まさにホグそのまま」という印象で。礼儀正しい好青年で、私たち配給スタッフを含めすべてのスタッフ一人一人にお礼をしてくださる方でした。
― まさにイメージ通りの方ですね。
細川:そうなんです。そして最後の夜のお疲れ様会で「今後どうしていきたい?」という話になり、チェ・ウシクさんがちょっと酔っ払いながら「僕は息の長い俳優になりたい。ドラマだけでなく映画でも活躍できる、息の長い俳優を目指していきたい」とおっしゃっていて。
いま第一線で活躍されていますが、この目標を掲げた頃の彼に出会えたのは貴重だったなと。きっと彼の言っていたとおり、息の長い俳優さんになっていくと思っています。
あと、チェ・ウシクさんはパク・ソジュンさんと親友同士で。当時パク・ソジュンさんはドラマで既にブレイクしていた頃でした。来日された時もチェ・ウシクさんは「僕も頑張らなきゃ。彼にいい刺激をもらっています」とお話しされていました。
こういう交友関係があってか、今ではお互いの作品に特別出演しあっていて。『パラサイト』ではパク・ソジュンさんが、『ディヴァイン・フューリー/使者』ではチェ・ウシクさんが。お互いに切磋琢磨して第一線で活躍しているというのは凄いことですよね。
細川さんオススメ韓国映画 『ラブストーリー』
「大学のゼミの論文で韓流ブームについて書いたのですが、その一環で『ラブストーリー』を配給していた会社に取材をしようと電話を掛け、メールインタビューさせて頂いた思い出があります。クロックワークスも共同配給していたので、その時こちらに電話していたら面白かったですね(笑)。
この作品は当時全社員で試写を行い、号泣者続出の中「これはぜひやりたい!」と配給するに至ったそうで、社長の心の1作でもあるそうです。美しい韓流ラブストーリーの王道中の王道ですね。
Netflixで話題沸騰の「愛の不時着」でヒロインを演じたソン・イェジンさんもまだ新人の頃で、初々しい制服姿もポイントです。」
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