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遣唐使が見た長安4 歌と踊りが大流行|雑誌『和華』セレクション

中国ドラマ好きのための、雑誌『和華』セレクション

毎号1つのテーマを徹底的に掘り下げ、日中文化の魅力を再発見する雑誌『和華』。様々なテーマを取り上げてきた『和華』のバックナンバーから、読んでおくと中国ドラマ鑑賞がより楽しくなりそうな記事をピックアップして紹介します。
『和華』HP:https://visitasia.co.jp/waka/


遣唐使が見た長安

文/『和華』編集部 写真/CTPphoto
『和華』第25号 特集「時空を超える遣唐使」より)


1000年以上前、遣唐使たちが暮らした唐都長安はどのような都市だったのだろうか? 長安ではどんな風景を見たのか? 長安の面積は84平方キロメートルにも及び、大きさは同時代のビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルの7倍、バグダードの6.2倍にも当たる。まさに世界でも類を見ない一大都市であった。日本の平城京は長安を模して作られた。商業が栄え、音楽が響き渡り、文学が花開いていた長安の様子に思いを馳せてみよう。

遣唐使が見た長安・目次
にぎわいを見せる長安西市
長安西市の人気商品
斬新でモダンなファッション
歌と踊りが大流行
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遣唐使が見た長安4
歌と踊りが大流行

文/『和華』編集部 写真/CTPphoto
『和華』第25号 特集「時空を超える遣唐使」より)

南唐の『合楽図』
南唐の『合楽図』(周文矩(しゅうぶんく)画)は古代の音楽隊による演奏を表現している。
唐時代の長安の美しい音楽文化を偲ばせる。

時空を超える唐の踊り

唐人は舞踊で感情を表現し、その才能を生かし、舞踊芸術の頂点を極めようとしていた。唐の玄宗皇帝は文化芸術振興のために苦心して太常寺と教坊を設立し、舞踊にとびぬけた役者を選び、梨園を作って、そこで歌と踊りの練習および公演を行った。そこで才能を発揮すれば人気者となる。こうして唐玄宗が楊貴妃の為に作った『霓裳羽衣舞』は官民両方の心を虜にしただろう。

舞踊は宮廷だけのものではなく、当時の唐で一番と名高い舞踊家の公孫大娘は民間の出であった。彼女の剣舞はその激しさもさることながら、千変万化の様はまさしく奇跡というにふさわしい。その他にも仏を敬い人々を楽しませる鶴舞と花舞や、イラン系のソグド人から伝わった華やかで力強い胡旋舞が大量に出現した。舞踊は、唐代の開放的で懐の広い文化に包まれ、長安における人々の生活愛の後押しもあり、目覚ましい発展を遂げた。

唐の音楽

唐代は舞踊の隆盛につれ、音楽も広がりを見せた。「十部伎」の中の燕楽と清商楽だけは中原(黄河中下流域)の伝統音楽だが、その他の西涼楽や天竺楽、高麗楽、高昌楽などは諸外国から伝わったものだ。

唐代の陶俑
唐代の陶俑

李隆基

唐の第6代、玄宗皇帝は空前絶後の音楽皇帝だった。『霓裳羽衣曲(げいしょうういのきょく)』の作者であり、様々な楽器に精通していた。もし現代に生まれていたら間違いなく音楽界をリードしていただろう。

李隆基

李亀年

唐代梨園の楽師。元々は陝西省の民間音楽家だった。『秦王破陣楽(じんのうはじんらく)』は現在知られている最古の秦腔(しんこう)(西北地区の伝統劇)楽曲。

李亀年

『和華』
『和華』第25号の表紙

今回ご紹介した記事は第25号「時空を超える遣唐使」特集に収録!
唐の文化を学び、日本に伝えた遣唐使にスポットライトを当てる。
発売中   850円(税込)
出版社:アジア太平洋観光社/星雲社発売   出版年:2020年
https://visitasia.theshop.jp/items/53231259

バックナンバー一覧:https://visitasia.co.jp/waka-backnumber
公式ショップ:https://visitasia.theshop.jp/categories/3856510

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