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新刊ちょい見せ|「華流ドラマ・映画の今」宮廷ドラマ隆盛の裏に仕掛け人がいた(『和華』第42号)

『和華』42号の書影

毎号1つのテーマを徹底的に掘り下げ、日中文化の魅力を再発見する雑誌『和華』。様々なテーマを取り上げてきた『和華』最新号(第42号)のテーマは “華流に沼落ち。”!

最新号では、華流ファンならぜひ知りたい華流制作現場の裏舞台を、和華ならではのルートで取材。数々の有名作品を制作した中国の制作会社インタビューや、世界最大規模の撮影地・横店影視城、中国最先端のハイテク撮影地・青島東方影都など。さらに最新作や話題作の紹介に、専門ライターやエディターによる執筆ページ、さらには華流ファンクラブの方々や華流ファンへ実施したアンケートの結果も掲載!

リアルな声満載の華流を深める最新号から、気になる記事を一部分だけCinemartで特別公開!


「華流ライターとエディターが語る 華流ドラマ・映画の今」より

宮廷ドラマ隆盛の裏に仕掛け人がいた

文/島田 亜希子(ライター)

「後宮の涙」場面写真
「後宮の涙」エンタメ・アジアで見放題配信中!©中国国際電視総公司

日本での「華流ドラマ」のイメージが、宮廷ドラマからファンタジー時代劇へと移行していったのは、いつごろからだろうか。日本での台湾アイドルドラマブーム、いわゆる第1次華流ブームが落ち着き、中国ドラマの知名度がそこそこ上昇し、専門のムック誌が定期的に刊行されるようになったのが2014年。

そこで主に紹介されていたのは、王道の宮廷愛憎劇やタイムスリップ宮廷劇、そして宮廷ドラマではないが歴史劇でありつつラブロマンスがメインとなるラブ史劇など、誌面は華やかなことこの上なかった(下記の表参照)。

こうした中国現地での宮廷ドラマ人気の火付け役としてまずあげられるのは、ヒットメーカーのユー・ジョン(于正)プロデューサーだろう。2008年から脚本並びにプロデュース業を中心とした制作活動を行っており、『宮 パレス〜時をかける宮女』を中心とした「宮シリーズ」と、『美人心計〜一人の妃と二人の皇帝〜』を始めとする「美人シリーズ」と呼ばれる宮廷歴史ドラマを得意とした。

美しい女性たちに壮絶なバトルを繰り広げさせつつ、その中にラブストーリーあり笑いありと、様々な要素をちりばめた、エンターテイメント性の高い作品に仕上げる所に人気が集まり、日本にもこうした作品が続々と上陸。清朝・辮髪男子ブームなるものにもじわじわと注目が集まった。

また同時期にヒット作を生み出したのが『宮廷女官 若曦(ジャクギ)』のリー・クォックリー(李国立)。香港出身で、監督兼プロデューサーを担当する彼は、制作ジャンルも幅広く、映画にドラマ、現代劇からアイドルドラマ、武侠劇など多岐にわたり、多くの作品監督を務めてきた。

若者たちのトレンドをキャッチする力も高く、中国でのRPGゲームの人気にいち早く目をつけ、2004年には「仙剣奇侠伝」をドラマ実写化して大ヒットを獲得。ゲーム原作の時代劇人気の先駆けとなった。そしてこれが後述するリン・ユーフェン(林玉芬)など、香港の監督・プロデューサーたちによる中国本土でのファンタジー時代劇および仙侠ドラマブームの幕開けとなっていく。

雑誌の誌面を飾った宮廷ドラマ
・『美人心計~一人の妃と二人の皇帝~』(2010年)
・『宮 パレス ~時をかける宮女~』(2011年)
・『宮廷女官 若曦(ジャクギ)』(2011年)
・『宮廷の諍い女』(2012年)
・『謀りの後宮』(2013年)
・『後宮の涙』(2013年)

このコラムの続きは、『和華』最新号 vol.42で!



『和華』vol.42 
特集「華流に沼落ち。」
『和華』42号の書影

2024年7月22日(月)発売 850円(税込)
出版社 ‏ : ‎ アジア太平洋観光社
『和華』HP:https://visitasia.co.jp/waka/


【「華流に沼落ち。」特集内容】

・見逃せない最新作 6選
華流ライターとエディターが語る  華流ドラマ・映画の今
華流フリーク上級者の座談会が実現!極上の華流ドラマって
・華流に「沼落ち」した理由を教えてください
・華流ドラマはどこで見られる!?

特別企画
・華流ドラマ制作の舞台裏。
・「海を渡る」華流映画・ドラマ
世界最大規模の撮影基地 横店影視城
中国最先端のハイテク撮影地 青島東方影都
・ここまで進化した!中国の特殊効果技術
華流の映像美をつくる「服化道」の舞台裏
数々のヒット作を生み出した中国の制作会社に聞く
    華流をリードし、全世界へ文化を発信
・ショートドラマが急成長
面白映画株式会社代表取締役・董志凌氏インタビュー
    海を越えて日本へ上陸した中国アニメ
・まだまだある!見てほしい華流ドラマ
雑誌『和華』コラボ企画 記事一覧

様々なテーマを取り上げてきた『和華』のバックナンバーから、読んでおくと中国ドラマ鑑賞がより楽しくなりそうな記事をピックアップして紹介!



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