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師父と弟子の関係って?/ 同門内での呼称・序列|中国時代劇トリビア #123

断交状態の男性宗派と女性宗派が登場する「燕山に咲く月と刃」では、男性宗派・女性宗派共に、たくさんの弟子たちが登場します。当然その中には、私たちが所属する会社や部活動などと同じように、上下関係、先輩後輩などといった序列もあるわけで……。今回は、そんな一門の中での師弟関係や序列を探っていこうと思います!

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師父と弟子の関係って?

 「燕山に咲く月と刃」場面写真1
「燕山に咲く月と刃」
©2022 Youku Information Technology (Beijing) Co., Ltd. All Rights Reserved.

武侠作品、そしてファンタジー時代劇などでよく目にする師匠と弟子の関係で、師匠であり親のように敬う存在として「師父」という呼称があるのは、ご存じかと思います。そもそも、師父と弟子になる、というのはどういうきまりがあるのでしょうか?

まずは、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に詳しい解説がありましたので、こちらを参照しつつ、確認していきたいと思います。こちらの情報によると、『師父と弟子の関係になるのは、中国の芸能や中国武術などで、師匠と弟子の間に擬似的な親子関係を作るシステム・拝師による』という拝師の儀についての解説があり、『自分に武術を教えてくれる師父は、自分の父親と同視されるため、尊敬の念を抱かねばならない』…と記載されています。確かに、ドラマを観ていても、師父が弟子たちにとって、非常に尊い存在であることが分かります。また、『父親を勝手に替えることができないのと同様、弟子の方が勝手に師父を替えることはできないわけでないが、非常に礼にもとる行為として非難の対象となる』ゆえに、親子のような関係でもある師匠と弟子の間の恋愛は、非常に不道徳な行為として物語で描かれる時代があった、ということで、人気ファンタジードラマなどでは、師父と弟子の恋愛=“禁断の愛”というストーリーが描かれていたことも、納得できますね。

「斛珠夫人」場面写真
「斛珠<コクジュ>夫人~真珠の涙~」では、主人公・海市(ヤン・ミー演)は師匠・方諸(ウィリアム・チャン)に対し秘めた恋心を抱く。
©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited


同門内での呼称、序列

さて、めでたく一門に入門を果たすと、師父を中心に、様々な上下関係があるなかで修行生活を送ることになります。 ます、師父を中心にして呼称、序列をみてみましょう。

師父のお師匠様という立場から相手をみると

師父の師父…師祖/師公 または師爺

といった呼称が登場します。更に上下に広げていくと、

師祖の師父…太師祖
太師祖の師父…師祖宗
師父の師兄姐妹(兄弟弟子で上の立場)…師伯/師姑
師父の師弟(兄弟弟子で下の立場)…師叔

そして、師父と情縁(婚姻関係など)がある関係では、

男師父と情の縁がある…師娘/師母
師伯と情縁がある…師伯母
師叔と情縁がある…師婶
師祖と情縁がある…師祖母

となります。

同門内での兄弟弟子関係では、自分から見て上となる「師兄(姐)」、下となる「師弟(妹)」などありますが、こちらの上下関係に関しては、正式な入門の順番によって立場が決まるようですが、所属の門派によって違いもあり、門派ごとのしきたりに従うものとされるようです。

ちなみに、燕山派の三代弟子たちの間では、「老大」「老二」…と、親族の兄弟関係のような呼び合いをしているので、どこか家族間のような近しい雰囲気を感じさせます。そういうところに注目してドラマを観てみるのもおもしろいかもしれませんね!

「燕山に咲く月と刃」場面写真2
「燕山に咲く月と刃」
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師父と、いっぱい弟子が登場する、ほのぼの武侠ドラマ「燕山に咲く月と刃」
「燕山に咲く月と刃」キービジュアル

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発売・販売元:エスピーオー
©2022 Youku Information Technology (Beijing) Co., Ltd. All Rights Reserved.
HP:https://www.spoinc.jp/dc/c/enzan.html

Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

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