「結び」にまつわる歴史と力|中国時代劇トリビア #120
結婚できない“婚活若様”と 結婚したくない“男装女子”の、運命を超えた愛の行方を描いたチャーミングなラブコメ時代「女神様の縁結び」。今回はこのドラマの中に登場する気になる“アレ”について、探っていきたいと思います!
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「結び」にまつわる歴史と力
今回は、縁“結び”から「結び」にまつわる歴史と力を紹介! 中国の「結び」には歴史があり、古代から王族貴族のあいだで装飾として用いられた他、神話に登場する伏羲が人間に網の作り方を教える際に「結び」の方法を教えたとか、文字の発明以前は縄の結び目によって記録をしていた、というものもあるそう。
そうした中で縁結びに関連するのは「同心結び」。中国には、新婚初夜に夫婦の髪を切って同心結びを作って、寝床の下に入れるという習慣があり(“月下老人”についてはこちらのトリビア参照)、そこから夫婦になることを「結髪」と呼ぶようになったそうです。
ちなみに日本語の「結び」は、神道用語の「産霊(むすび)」…「ものを産む」に関連していて、息子(むすこ)、娘(むすめ)の「むす」と実は語源が一緒なのだとか。
日本の「結び」にも、やはり呪力の発想があり、「作業的結び」がやがて「祈占・呪術」「記憶・象徴・標識」「労働」などに分化され、このうち「祈占・呪術」が「民間信仰・儀礼用・装飾用」に分化されたと考えられているそうです。この「儀礼用・装飾用」の例が、現在でも贈り物やご祝儀に使われる「水引き」とされています。
© Jetsen Huashi Wangju (Changzhou) Cultural Media Co., Ltd.
参考文献
伊藤龍平・陳卉如『恋する赤い糸 日本と台湾の縁結び信仰』三弥井書店
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© Jetsen Huashi Wangju (Changzhou) Cultural Media Co., Ltd.
公式サイト:https://www.cinemart.co.jp/dc/c/enmusubi.html
Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。
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