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「茶金」に続く、台湾の一時代を象徴する新作ドラマに注目|台湾エンタメ通信


弁護士、消防士、建設作業員、選挙参謀など、バリエーション豊かな職業系ドラマが人気を博している最近の台湾ドラマですが、新たにセキュリティ産業にフォーカスしたドラマが見られそうです。6月10日にクランクインした新ドラマのタイトルは「開創者(原題)」。直訳すると「開拓者」「創始者」といったところでしょうか。

「開創者」にはモデルとなった実在の人物がいます。セキュリティ事業で台湾トップのシェアを誇る中興保全科技(※)グループ総裁の林孝信(リン・シアオシン)さん。今からほぼ半世紀前、セコムのセキュリティ技術やサービスを導入し、台湾に新しい産業をもたらした立役者です。

※中興保全科技股份有限公司:国産実業グループと合弁で設立したセコムの海外現地法人。略称は中保科技。

中保科技のステッカー

中保科技のステッカー2
中保科技のセキュリティサービスは、いまや商業施設から住宅まで台湾社会に広く浸透しており、システム設置を示す「中興保全」や「中保科技」というステッカーは、ビルや店の入り口など至るところで見ることができます。
画像提供:Mio

台湾で前例のないセキュリティ事業を手掛けた主人公、江永信役を演じるのはウェン・シェンハオ(温昇豪)。その妻・莊蕙蘭役にアンバー・アン(安心亜)、江永信の部下・呉明麗役にジャネル・ツァイ(蔡淑臻)、カリスマ営業の張碩役にレゴ・リー(李国毅)という豪華なキャスティングで、台湾セキュリティ事業の発展やその裏側をどのように見せてくれるのか、非常に興味がそそられます。

また、台湾新幹線プロジェクトの軌跡を描いた「路(ルウ)~台湾エクスプレス~」と同様、日本と関わりが深い業界の作品だけに、今後もしかしたら日本人俳優の出演が明かされる可能性もあるのではないでしょうか。少なくとも、日本留学経験者という設定を演じるウェン・シェンハオに関しては、日本語を話すシーンが期待できそうです。

ちなみに、林孝信さんの父である林燈(リン・ドン)さんもまた、台湾を代表するセメント加工会社を興した実業家。林燈さんをモデルにした「商魂 TRADE WAR」というドラマも、今秋放送予定であることが昨年末に発表されています。フー・モンボー(傅孟柏)、シャオ・ユーウェイ(邵雨薇)ら台湾人俳優のほか、市原隼人や台湾を拠点に活躍中の田中千絵ら日本人俳優も出演することから日本のメディアでも取り上げられたので、ご存じの方も多いかもしれません。


いずれも実話がベースということから、「茶金 ゴールドリーフ」のように台湾の一時代を象徴するドラマが再び見られるのかと思うと、今から胸アツが止まりません。「商魂 TRADE WAR」が日本同時配信予定である一方、「開創者」は台湾の地上波放送局・中国テレビ(中視/CTV)で放送という以外、まだ情報はありませんが、ぜひ日本でも見られるようになってほしいですね!

Text:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。

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