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中国ドラマ・映画に登場する、さまざまな“鮫人”たち|中国時代劇トリビア #107

夢幻の桃花~三生三世枕上書~」ディリラバと「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」アレン・レン共演が話題のファンタジーラブ史劇「馭鮫記」。「前編:月に君を想う」「後編:月に愛を誓う」では、掟を破る地仙を御する御霊師と、地仙の中でも誇り高い鮫人との壮大な愛と戦いの物語が描かれていきます。

鮫人は中国の神話にも登場する伝説の生物で、これに通じる「人魚伝説」に関しては、ドラマ「斛珠夫人~真珠の涙~」のトリビアにてご紹介をしました。

いや、それにしても。近年、鮫人が登場する作品が多いと思いませんか⁉ もしかしたら、中国ファンタジー作品常連キャラの九尾狐くらいトレンド化しちゃうのかも! ということで、これまでに中国作品の中にどのような“鮫人”が登場しているのかを、今回は探ってみたいと思います!

まず最新型ハイスペック系鮫人として、アレン・レン(任嘉倫)演じる「馭鮫記」の長意をご紹介しましょう。

「馭鮫記」長意
「馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う」長意 © 2022 Croton Entertainment Co., Ltd.

長意は善良で純粋な鮫族の王子で、端正な顔立ちと大きくて美しい魚の尾を持っています。流した涙は真珠となり、うろこは解毒にも使われる力を持っています。そして鮫人だけが有する宝珠の鮫珠は、生涯裏切らないと誓い、心から想う相手にのみ渡す宝で、持ち主を守る強いパワーを発揮します。また、彼らの歌声は天下一と言われていて、聞く者を魅了する力も。

ヒロイン・紀雲禾の仙侍である洛錦桑が言ったように、まさに体全部が宝物のように価値があるのです。劇中でステキな人魚姿を披露しているアレンですが、実は泳げないとのことで、長意を演じるシーンで一番苦労したのは水場関連のシーンだったそうですよ!


続いては性別転換型鮫人の「運命の桃花~宸汐縁~」の十三と、「恋鏡~双つの魂、焦がれし姫~」の蘇摹。現代中国ファンタジー小説に登場する鮫人は、このタイプのように生まれた時には雄雌同体で、後から性別が決まるのが定番となっているのだとか。

実際に魚の中にもこうした成長の過程で性別を変えるものがいて、クロダイやクマノミなどは雄性先熟の生き物で雄→雌へと変わる個体が発生し、サクラダイなどは雌性先熟の生き物で、生まれた時は全てメスで、成長するとオスに性転換して、複数のメスとグループを作ったりするそうです。

「運命の桃花~宸汐縁~」の十三はナー・グァンズー(那広子)、「恋鏡」の蘇摹はリー・イーフォン(李易峰)が演じています。

「運命の桃花~宸汐縁~」十三
「運命の桃花~宸汐縁~」十三 © 2018 GCOO Entertainment Co., Ltd

映画で観られる鮫人といえば『鮫綃碧 真珠の涙』。唐の時代を舞台に、時の司法長官と人魚の国の皇子の許されざる恋を描いた、ちょっぴりBL度高めの作品。司法長官の遠山を演じるのは「三国志 Secret of Three Kingdoms」、「明月記〜夢うつつの皇女〜」などに出演するチャン・ボーハン(張博涵)、人魚の国の皇子・漪下を演じるのはシュー・ユエン(徐減)となっています。

この中では鮫人が作る”鮫綃”と呼ばれる織物が毒を消す効果を備え持つものとして登場し、また鮫人が流す真珠の涙も貴重な品として描かれます。そうした宝を狙われ、人間が鮫人を意のままに飼い売買したり、差別をしたりする……という悲しい件(くだり)は、「斛珠夫人~真珠の涙~」や「人魚伝説」トリビアでもご紹介した歴史背景とのつながりを感じます。


コメディ路線では、チャウ・シンチー(周星馳)監督作の人気作『人魚姫』。この映画は中国での興行収入がなんと33億元の大ヒット作となり、中国の映画市場初の30億元超えの記録を樹立したことでも話題に。リン・ユン(林允)演じる人魚の珊珊が人間社会に潜入し、海を埋めようとする大富豪を暗殺しようとするが、彼と恋に落ちてしまうというストーリーで、2018年6月にクランクアップした続編にも期待が寄せられています。


時代劇だけでなく、現代ドラマにも注目! ウィリアム・フォン(馮紹峰)&クオ・ビーティン(郭碧婷)主演「あの星空、あの海。~人魚王の伝説~」では、ウィリアム・フォン演じる人魚王のレグルスが、人魚族の活力の源である霊珠を奪われてしまうことから始まり、150年後の現代の地上に戻ってきたレグルスと、ヒロインのシェン・ルオが繰り広げる物語が描かれていきます。続編となる「那片星空那片海2(原題)」では唐の時代に舞台が変わり、新たなストーリーが展開されていきます。


中国ドラマ・映画ともに、様々な形で登場する鮫人キャラ。今度はどんな作品で活躍する姿が観られるのか、楽しみですね!

Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

このコラムに登場した作品
「馭鮫記」キービジュアル「馭鮫記・後編」キービジュアル

「馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う」
前編:DVD-BOX1・2発売中 各13,200円(税込)/DVDレンタル中
http://www.cinemart.co.jp/dc/c/tbw1/

「馭鮫記(ぎょこうき)後編:月に愛を誓う」
後編:2023年6月2日(金)DVD-BOX1・2発売/同日、DVDレンタル開始
https://www.cinemart.co.jp/dc/c/tbw2.html

提供:エスピーオー/BS12 トゥエルビ 発売・販売元:エスピーオー
© 2022 Croton Entertainment Co., Ltd.

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