【台湾レポート】台北市立動物園の新生マレーバクのネーミングイベント、台湾の人気女優からの提案も
先月10日、台北市立動物園にてマレーバクのメスの赤ちゃんが生まれました。13日、同園が写真をFacebookページにアップしたところ、多くのネットユーザーが魅了され、「めっちゃ可愛い」「コロナが落ち着いたら会いに行こう」などコメントが寄せられました。
そして24日、台北市立動物園は公式Facebookページでこの赤ちゃんマレーバクの名前を募集。最終的に5つの名前候補に絞り、ネットユーザー向けの投票イベントを行いました。
この5つの候補の名前の中に、実は「時をかける愛」「進め!キラメキ女子」「結婚なんてお断り!?」など日本でも主演作が観られる台湾の人気女優 アリス・クー(柯佳嬿)からの案もあるんです!
赤ちゃんマレーバクの名前候補を詳しくご紹介する前に、まずはこのマレーバク家族の名前を紹介します。マレーバクは台湾華語で「馬來貘」(マーライモ)と言います。なので、お父さんマレーバクの名前が「貘克」(モコー)、お母さんマレーバクの名前が「貘莉」(モリー)、お兄さんマレーバクの名前が「貘豆」(モドウ)となり、「貘」(※1)が苗字のようになっています。
※1 獏:日本語では「バク」と読みますが、台湾では「モ」と読みます。
それがこの5つの名前候補のうち4つに「貘」という文字が入っている理由です。 また、この5つの候補にはそれぞれ意味があり、発音でダジャレにもなっています。
例えば女優のアリス・クーが考案した「貘衣姬豆」(モイージードウ)。アリス・クーは自身のFacebookページに、この名前に寄せた思いをこう書いています。
「最初に思い付いたのはジブリ作品の『もののけ姫』(※2)だったので、日本っぽい名前を付けてみようと思いました。他の方の案「貘花豆」(モホアドゥ)が可愛いと思い、もう一つの別の方の案「灣貘」(ワンモ)も英語のOne more(ワンモア)のダジャレになっていて面白いと思ったので、私からは「貘衣姬豆」(モイージードウ、日本語の「もう一度」の発音に近い)で応募します! この名前はうまく「貘花豆」と「灣貘」を融合し(ていると勝手に思っています)、もののけ姫みたいに森を守り、大自然に敬意を持つようにというメッセージも入っています。」
※2『もののけ姫』:台湾でのタイトルは「魔法公主」(モファゴンジュウ)で、「魔」は「貘」と同じ発音「モ」。
また、アリス・クーが言及した「貘花豆」という名前候補は、日本でも知られているアーティスト・Cherng(チェン)からの提案です。CherngのFacebookの投稿によると、この名前を考えた理由は「花」という字から可愛さが感じられ、「豆」というのはお兄さんマレーバク「貘豆」から引継いだ文字、「花豆」も生まれたばっかりの赤ちゃんマレーバクの体にある柄に連想できます。また、「貘花豆」の発音は台湾語の「無法度bô-huat-tōo」(しょうがない)に似ています。 アリス・クー考案の「貘衣姬豆」やCherng考案の「貘花豆」以外の3つの候補も、ダジャレになっています。
台北市立動物園の飼育員が考案した「莉芝」(リージー)は、お母さんマレーバクの名前「貘莉」から引継いで、発音が台湾華語の「荔枝」(ライチ)と同じなので可愛さ満点。
台湾の有名なインフルエンサー・視網膜Retina(日本語で言うと「網膜」になります)考案の「視網貘」は自身の名前と同じ発音で、もう一つの候補「佛蒂貘」は『ハリー・ポッター』に出てくるキャラクター「ヴォルデモート」と同じ発音をしていて、愛と勇気を持つという思いが寄せられています。
9月4日に投票結果が発表され、投票者数は29.5万人! Cherng考案の名前「貘花豆」が14.7万票で圧倒的な勝利を得ました。2位は「莉芝」の5.7万票、3位は「視網貘」の4.6万票になり、アリス・クー考案の「貘衣姬豆」は3.4万票で4位を得て、5位の「佛蒂貘」は9,811票を得ました。
台北に行ける日が来たら、皆さんもぜひ台北市立動物園に遊びに行って、赤ちゃんマレーバク「貘花豆」とその家族に会いにいってみてください!
Text:ローズ
台湾・高雄生まれ、来日7年目。日本の映像系企業に勤務
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