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「驪妃(りひ)」は“ハラハラドキドキしたい!”あなたに効くドラマ《後編》|アジアドラマの処方箋#28

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この連載では、様々な症状に効く中国ドラマ・台湾ドラマを紹介。第28回の今回は「ハラハラドキドキしたい!」あなたにおすすめの1本を紹介します。

お薬ドラマ「驪妃(りひ)-The Song of Glory-」《後編》

「驪妃」キービジュアル

このドラマの効能
・ドラマチックなラブストーリーとサスペンスを堪能できます
・最後の最後までハラハラドキドキできます
・いつもとは一味違ったラブ史劇が楽しめます



後編「1つの事実と複数の真実〜ラブストーリー編」

男女のドラマチックなロマンスだけでなく、サスペンスが面白い「驪妃(りひ)-The Song of Glory-」。前編では1つの「事実」に複数の「真実」が絡み合うサスペンス満載のストーリー設定を解説しましたが、後編では主人公カップル、驪歌&彭城王のラブストーリーをクローズアップします。

驪歌と彭城王は敵同士ですが、お互い正体を知らずに出会い、恋に落ちていきます。身分や使命と関係なく、素直な心で相手と向き合うことで、真の愛が芽生えていくのです。そんな2人のラブストーリーの「事実」と「真実」を見ていきましょう。

敵同士としての出会い

【事実】
朱雀盟の刺客である驪歌は彭城王を暗殺する任務を果たそうとしています。そして、一度、孫太妃の誕生祝いの席で彼を殺そうとしますが失敗、彭城王は命拾いします。この時、驪歌は仮面をつけていて、距離も離れていたので、2人はお互いの顔を知らないままでした。



【2人の真実】
驪歌にとっての真実は、「彭城王を成敗することこそが正義であり、国のためである」ということ。一方、驪歌を陸遠が放った刺客だと思った彭城王は、「自分の命を狙う陸遠とは、近いうちに決着をつけなければならない」と考えます。また、この時に陸遠に親友・阿奴を殺された驪歌は、陸遠にも復讐の念を燃やすようになります。



同志としての出会い

【事実】
陸遠の悪事を暴こうと隠密行動をする彭城王は、同じく陸遠を探る驪歌と出会います。そして、互いに陸遠を成敗するという共通の目的を持っていることがわかった2人は、彼の謀反の証拠を掴むために一緒に行動することになります。



【2人の真実】
驪歌にとって庶民に変装した彭城王は「正義感のあるお兄さん」。それが行動を共にするうちに「信頼できる愛する男性」へと変わっていきます。

また、彭城王にとって自由闊達な驪歌は「武芸の腕が立つ侠女」。彼は粗暴で命知らずの彼女に驚かされながらも、「守るべき愛しい女性」と思うようになっていきます。






政略結婚の運命

【事実】
陸遠に対抗する彭城王は将軍・沈廷章との絆を深めるべく、沈家との政略結婚を進めますが、驪歌が沈家の娘とは全く気づきません。また、驪歌も愛する男性が彭城王だとは知らないまま、婚儀の日に命を懸けて暗殺任務を果たそうと覚悟を決めます。

そんな2人は最後の逢い引きで、互いに胸に秘めていた想いを告白しますが……。



【2人の真実】
驪歌はあえて彭城王の正体を聞かず、自分も名乗ることをしません。もう愛する人と結ばれることはないと思っているからです。一方、彭城王はこれからも驪歌を守っていきたいと考えていますが……。

この時、驪歌は好きな詩として、友との別離を詠んだ蘇武の「詩四首 其四」を引用します。

燭燭晨明月,馥馥秋蘭芳。
(夜明けに明るい月が輝き、秋蘭が濃い香りを漂わせる)

芬馨良夜發,隨風聞我堂。
(芳しい香りは月夜に発し、風に乗り私の部屋に届く)


また、彭城王は好きな詩として、会えない男女の切ない想いを歌う南朝の民歌「西洲曲」を引用します。

南風知我意,吹夢到西洲
(南風よ私の恋心を知っているなら、私の夢をあの人がいる西洲まで運んでおくれ)


果たして、この2人の愛はどうなってしまうのでしょうか? お互いの正体を知った時、その「事実」からどんな「真実」が導きだされるのでしょうか?

ラブストーリーもサスペンスも、予断を許さない展開が続く「驪妃(りひ)-The Song of Glory-」。いつものラブ史劇とはまた一味違ったハラハラとドキドキをお楽しみください!

前編「1つの事実と複数の真実〜サスペンス編」はこちら

予告編

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TEXT: 小酒真由子(フリーライター)
アジアから欧米までドラマについて執筆しています。双葉社『韓国TVドラマガイド』にて「熱烈推薦!! 中華ドラマはこうハマる!」を、Cinem@rtにて「アジドラ処方箋」を連載中。また、執筆させていただいたキネマ旬報ムック『中国時代劇で学ぶ中国の歴史 2022年版』が絶賛発売中です。

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