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制作会社から見る、中国ドラマ市場の2021年上半期とは?  【前編】映画・テレビ会社、4つの潮流

引用元:wechat Vlinkage 公式アカウント:「Vlinkage」
記事タイトル:「影视公司2021年中成绩单 」


上半期もたくさんの魅力的な作品が生まれ、大いに盛り上がりを見せた中国ドラマ市場。著名な映画やテレビの会社、そして新進気鋭の映画やテレビ会社ではそれぞれどんな動きがあったのか、そのパフォーマンスを分析し、4つの主な潮流を振り返ってみよう。


まず1つ目は華策影視(Zhejiang Huace Film & TV Co., Ltd.)から。

この上半期に、華策影視(傘下の工作室なども含む)からは、「有翡(ゆうひ) -Legend of Love-」「長歌行」「恋心は玉の如き」「你是我的城池营垒」「你好,安怡」「八零九零」「我的時代,你的時代」「変成你的那一天」「我和我们在一起」「我们的新時代」(中文タイトル全て原題)などを含め、おおよそ10作品のドラマが放送され、時代劇・現代劇など共にカバーしている。時代劇では、武侠、歴史伝奇、ラブストーリーなどがあり、現代劇では軍隊劇、SFサスペンス、ファミリードラマ、アイドルロマンスなど、幅広いテーマで作品展開がされた。

キャストに関しては、トップランク+ビッグIP +大型時代劇という鉄板構成を敷き、若い演技派俳優たちのコラボレーション、またはベテラン俳優と新世代の俳優の組み立てなどが行われた。

ただし、高投入のコストは残念ながら同等の利益を生み出さなかった。「有翡」「長歌行」は予想ほどに成績が伸びず、「変成你的那一天」「你是我的城池营垒」も人気が伸びなかった。しかし、高齢者の社会問題に焦点を当てた「八零九零」の制作など、いくつかの面で華策のイノベーション評価に値する作品も出ている。

このように第一線の伝統的な映画やテレビ会社は、生産量を保証することがでるが、業界の「リーダー」の役割としては、時代によってどんな作品のニーズがあるのか、そしていかにして観客の美学を導くことができるかを減速して考える必要があることを示すことになった。


2つ目は新麗伝媒(New Classics Media)

新麗は新規発展型の会社だが、作品の質と量のバランスが取れており、ヒット率も高く、2021年上半期の最大の勝者と言っても過言ではない存在に。今年は「斗羅大陸~7つの光と武魂の謎~」「贅婿[ぜいせい]~ムコ殿は天才策士~」「叛逆者」「流金歲月」の4つのドラマが放送され、いずれも注目を集めている。

シャオ・ジャン(肖戦)人気で、「斗羅大陸」は視聴率・口コミなど全てが上昇した。男性向けジャンルのドラマでは「贅婿」がヒットし、スパイドラマ「叛逆者」はネットワークデータと豆瓣のスコアなどにおいて高評価を獲得している。また今年の上海テレビ祭マグノリア賞では、リウ・シーシー(劉詩詩)とニー・ニー(倪妮)のW主演ドラマ「流金歲月」が最終選考に残った。

ビデオサイトとのつながりにおいて、新麗は特定の会社を深く拘束するのではなく、「斗羅大陸」はTencentと共同開発、「贅婿」「叛逆者」はiQiyiが支援、「流金歲月」はCCTVと提携するというように、リスクを分散させる方法を採用。この方法は、同時に、ドラマシリーズのリリースの障害を取り除き、宣伝リソースを取得し、ドラマのボリュームを拡大することができる。


3つ目は少量で高品質の制作に重点を置く北京悅凱影視伝媒など。

悅凱影視は人気ドラマ「半妖の司籐(スー・トン)姫 ~運命に導かれた愛~」を生み出し、ファンタジーと愛の新しいジャンルを切り開き、全国ドラマのジャンルを広げた。

もう一つの例となる東陽正午陽光影視有限公司は、「山海情」「大江大河2」などを生み出し、“国劇”の看板を掲げる存在に。なかでも「山海情」で描かれた貧困緩和のメインテーマを新たな高みへと引き上げ、正午制作チームの確かな創造力を改めて確認させたことは特筆に値する。


4つ目は唐人影視完美影視栄信達影視などの少量で平均的な品質を保つ会社。

フー・ゴー(胡歌)、リウ・シーシーといった人気アーティストたちが不在となり、近年は低調気味に。上半期は「風起花抄~宮廷に咲く琉璃色の恋~」と「指尖少年」が放送されたが、前者はグーリーナーザー(古力娜扎)、後者はゴン・ジュン(龔俊)の人気で評判を獲得するにとどまったようだ。



<後編:最先端タイプの制作会社が新しいパワーに へ続きます>

翻訳・編集:Cinem@rt編集部

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