「台湾映画の"いま"」『孤独なあなたたちへ(致親愛的孤獨者)』 映像と文学の融合、観客に響いた新しい試み
台北駐日経済文化代表処台湾文化センターとアジアンパラダイス共催による台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜進化する多様性」 。
9月26日に行われた2020年度第5回に上映された『孤独なあなたたちへ(致親愛的孤獨者)』は、"孤独"をテーマに3人の女性を描いたオムニバスだ。そして舞台とドラマ、小説、映画で展開しているプロジェクトの映画版でもあり、文学と映像のコラボレーションを試みた創作スタイルに、参加した観客は新鮮な驚きを感じた方が多かったよう。
上映後のアンケートでは「3編とも面白かった。この3編を1本の長編にまとめられているのも素敵。書店や本をテーマにして、作家が語るプロローグとエピローグで結ばれ、1冊の本を読み始めて読み終えたよう気持ちになった」「孤独をテーマとしたそれぞれの作品を楽しめた。セクハラ、大陸問題、受刑者慰問といった暗部を孤独という観点でまとめた点がユニークたど感じた」「それぞれ違う切り口で、様々な感情で見ることができた。短編という限られた時間の制約の中で、3本とも主人公の家庭環境が見え隠れするところから彼女たちの孤独へとつながるところが、監督と脚本の手腕を感じた」など、色々な視点からの感想が寄せられた。
また、今回のアフタートークのテーマは、作品解説と台湾での短編映画事情。「この短篇ができるまでのことや、『書店の影像詩』など関連作品の解説がとても興味深く、短篇映画からの名監督たちの誕生など、今回もとても勉強になった。台湾書店巡りがしたくなった」「分かりやすい解説と深い解説がうまく融合して映画の余韻が素晴らしい時間になった。また台湾映画事情は希少情報なので次回も楽しみ」「映画を一度観ただけではわからない事を知ることができ、更に作品に対する理解が深まった」「短編映画から巨匠になる台湾の映画監督がこんなにいるとは…改めて台湾映画界の監督の層の厚さを知った」「解説を聞けたことで、考える糸口をもらったように感じた」「短編には隠れた原石がたくさん。これからは金穂賞にも注目したい」などの感想が寄せられた。
なお、当イベントの各回のアフタートークは、アーカイブで公開中。映画の解説は未見の方には有用ではないかもしれないが、後半のテーマトークは映画ファンにとって興味深い内容になっている。
次回の第6回は10月10日(土)14時から。2004年に大ヒットした純愛青春ドラマの時代を、1987年に移して映画化した『アウトサイダー(原題:鬥魚) 』が上映される。2020台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜進化する多様性」は、11月まで開催。
2020 台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜進化する多様性」 開催概要とスケジュール
開催日程:2020 年 8 月〜11 月(8 回)※下記参照
開催形式:オンライン
参加:事前申し込みで、先着 100 名様がご参加いただけます。
スピーカー:江口洋子(台湾映画コーディネーター、アジアンパラダイス主宰)
主催:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター/アジアンパラダイス
イベント形式:映画の上映とトーク
8月1日実施『ぼくの人魚姫(傻傻愛你,傻傻愛我)』の解説と台北電影奨について
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=84484d725a1b3df529859cddee75fb4a
8月22日実施『楽園(原題:樂園』の解説と実話をもとに作られた映画について
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=06af5fd844fd09e6736c59b7c2a09403
8月29日実施『ここからの未来(原題:未來無恙)』の解説と台湾のドキュメンタリーの流れと現状
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=a8d95349c8e6fc914d77e938435eee88
9月12日実施『狂徒』の解説と台頭する若手監督達について
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=6aa5e7a7617f470c57f0bbee32d19355
9月26日実施『孤独なあなたたちへ(致親愛的孤獨者)』の解説と台湾の短編映画事情
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=9e4f4e9415060916cf13ec9894a32223
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