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中国時代劇では、なぜ脈を触っただけで病状が分かるの?|中国時代劇トリビア#48

中国歴史ドラマの中では、お医者様が脈を診てぴたりと病状を当てたりします。このように東洋医学や漢方の世界では、古くから脈で病気を探る「脈診」という診断法があります。

脈のパターンは28ほどあり、脈の各ポイントは特定の臓器の病態を反映しているとか。伝統的な東洋医学の脈診では、左右の手首に3本の指を当てて、そのバランスや質感から病状を読み解くという方法。カゼの引き始めなど免疫活動が活発なときは、「浮脈(ふみゃく)」といって、指をちょっと触れると拍動がよく感じられ、強く押さえると感じなくなる……という脈になるのだとか。

「運命の桃花~宸汐縁~」場面写真1
「運命の桃花~宸汐縁~」より

また、宮廷ドラマなどで医者が脈を診て妊娠を言い当てたりするのにも理由があって、妊娠の疑いがあるときの脈は血流量が増え、脈がダイナミックにドクンドクンと触れる「滑脈(かつみゃく)」となり、一拍ごとの脈の感触も玉が転がるような独特の特徴があるそうです。

このほかにも脈のスピードによってストレスによる緊張などが分かるなど、簡単なようでいて実は奥深い診察方法だったのです。

「花と将軍」場面写真
「花と将軍~Oh My General~」より


Text:島田亜希子

ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。『台湾エンタメパラダイス』『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)にて執筆記事掲載中。

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