やはり嫁は強かった!? 宋代御家事情~|中国時代劇トリビア#45
中国ドラマを観ていて、あれ、これ...なんかちょっと気になる~!?という小さな"なにか"を見つけてしまうことはありませんか? そんな中国ドラマに登場する、ちょっと気になる小さなアレ!を集めた、小ネタトリビアをまとめてご紹介していきます。今回は大ヒットドラマ「明蘭~才媛の春~」の気になるアレを探ってみました!
やはり嫁は強かった!? 宋代御家事情
ドラマ「明蘭~才媛の春~」では、じつに個性豊かな嫁キャラたちが登場します。そして物語の中でも活躍するのは、この嫁キャラのお姉様たち。負けず嫌いで何かと大立ち回りを見せる王若弗のようなタイプは、完全なるフィクションキャラかと思いきや、宋代にはかなり強い嫁たちが実在したようです。
ひとつ前の時代、唐代の初期には、上は皇帝からした下は貴族や士大夫まで、妻を恐れることが風習になっていて、「夫は柔で妻は剛、夫が妻に従う」というのが普通になっていたとか。宋代になって家族意識が強まり、家長である父権が重んじられるようになっても、家庭内で実権を握るのは妻であり母親であるという台所事情は「明蘭」でも描かれていた通りなのでしょう。
そんな宋代を代表する恐妻家のエピソードを一つご紹介します。
北宋の文人・陳慥(ちんぞう)は、客を招くのを好み、芸妓を揃えていましたが、妻の柳氏は非常に嫉妬深く、壁を叩いて大声をあげるため、客は退散してしまいます。
彼の友人であった蘇東坡(「トンポーロー」の産みの親!)が詩の中で、「竜丘先生(陳慥の号)は可哀そうに。夜を徹して仲間たちと熱く論じていても、河東(山西)出身の奥さんが獅子(ライオン)のように吠える(獅子吼)のを耳にすると、手にした杖を落として、呆然としてしまうよ」とからかい、そこから妻が怖いことを意味する成語「河東獅吼(かとうしこう)」が生まれたそうです。
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<参考文献>
高世瑜著「大唐帝国の女性たち」岩波書店
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Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。『台湾エンタメパラダイス』『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)にて執筆記事掲載中。
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