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【インタビュー】「悪との距離」チェン・ユー 後編 "私はもう怖くない。分からないから怖いのです"

圧巻の金鐘奨6部門受賞、史上最多14ノミネート!台湾ドラマの歴史を変えた、いま見るべき傑作ヒューマンドラマ「悪との距離」。本作で報道局の新人アルバイトであり無差別殺人事件の犯人、李暁明の妹・李大芝(リーダージー)を演じたチェン・ユーさんに本作について話を訊いた。

<前編はこちら>


― 「悪との距離」の名場面または名台詞を挙げるとしたら?

チェン・ユーさん(以下、チェン・ユー) 一番好きなシーンは先ほど答えた、兄が銃殺されるときに李大芝がオンエアーしているシーンです。一番好きなセリフはないかもしれません。恐らく、このキャラクターのベースには強い悲しみと憤りがあり、話したことは大体本音じゃないか、悲しさによる攻撃やSOSだったからかもしれません。


― 本作には様々なキャラクターが登場し、その全員にドラマがあります。本作に登場するキャラクターの中で、どのキャラクターが印象に残っていますか?

チェン・ユー 應思聰(イン・スーツォン)と應思悅(イン・スーユエ)だと思います。実際に、私の近所にも統合失調症の患者さんがいて、よくうろうろしています。私が家の中にいても聞こえるほど大きい声で汚い言葉が聞こえてくることもあります。本人とその家族の方は本当に大変だと思います。私も最初はびっくりしましたが、今の私はもう怖くないです。分からないから怖いのです。

― 本作はシリアスな雰囲気の強いドラマでしたが、撮影現場の雰囲気はどうでしたか?

チェン・ユー 確かに撮影現場でみんなは遊んだりはしませんでしたが、リラックスはできる環境でした。一体感があり、一人一人念入りで、セットや道具にサプライスも多く、可愛らしい現場でした。


― 宋喬安と李大芝のエピソードは本作の重要な部分を担っていますが、宋喬安を演じたアリッサ・チアさんとの共演はいかがでしたか?

チェン・ユー プライベートではよく彼女のSNSをチェックしていましたが、共演時には、私が彼女を見る眼差しに愛情が入りすぎると良くないので、撮影現場ではあんまり話しかけたりはしませんでした。ずっと尊敬しながらもちょっと距離を保っていた感じでした。彼女との共演はとても楽しかったし、彼女のオーラにびっくりしたり、よく彼女の美しさに魅了されていました。

― 本作では多くの実力派俳優たちとの共演になりましたが、特に印象に残っている俳優さんはいらっしゃいますか?その理由も教えてください。

チェン・ユー ゾン・ペイツーさんです!カメラが回っていなくても、彼女の眼差しや仕草を見て涙が出そうなときもありました。彼女自身は彼女が演じるキャラクターとの相性がよくて。どちらも天然だけど愛嬌たっぷりで、いつも他人を守っているけど、実は他人から守られることも必要としている人です。

― 社会現象になるほど人々の心をつかんだ「悪との距離」ですが、その魅力はどんなところにあると思いますか?

チェン・ユー 個人的に本作が好きすぎて、撮影中もとても楽しかったので、この質問に対してはどう返事すればいいのが分かりません。


― 「悪との距離」は視聴者に様々なことを考えさせる作品です。チェン・ユーさんご自身もこの作品を通じ、強く考えさせられたことがあれば教えてください。

チェン・ユー 劇中で描かれる議題はずっと考えてはいますが、本作の出演者として視聴者のフィードバックから感じたのは、今まではタブーだった議題がドラマの力で自然と話題になったことで、自分が女優でいる意義をより確信しました。


― これから「悪との距離」を見る日本の視聴者へメッセージをお願いします。

チェン・ユー このドラマは私に大きな影響をくれました。一つの物語だけではなく、皆さんがご視聴しているときに、私たちの寄り添いが皆さんの力になれると幸いです。ありがとうございます。

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