『鉄西区』『三姉妹 雲南の子』『死霊魂』などで知られる中国出身の世界的ドキュメンタリー監督ワン・ビンの『青春』3部作。縫製工場に出稼ぎに来ている若者たちを描き、第１部は昨年4月から日本公開。今年4月26日からは、『青春 -苦-』（第２部）と『青春 -帰-』（第３部）が同時公開され、東京を皮切りに全国順次公開となる。

そしてこの度、その巨大な全貌が垣間見える予告編が解禁された。

第２部予告編は、給料の支払い拒否や暴力事件、社長の夜逃げなどが次々起こり、映画がさらにドラマティックに展開していく予感にあふれている。第３部予告編は、日本の正月にあたる春節の休みで帰省するものの、故郷は今や仕事が全くなく、休みが終われば再び、工場にやってくる若者たちのエネルギーを見せている。

ワン・ビン監督は“中国社会で、これほどまでに「金」が重要な時代はなかった。この映画を『鉄西区』のようなスケールにしたかった”と語っている。同監督の伝説的作品『鉄西区』３部作のように、ひとつの場所からひとつの時代を捉え、記録し、思考する驚くべき傑作『青春』３部作の全貌が明らかになる『青春 -苦-』（第２部）・『青春 -帰-』（第３部）の公開が今から楽しみになる。

また、一部劇場では、昨年公開された『青春』第１部も、『青春 -春-』（第１部）というタイトルでアンコール上映されることが決定。前回見逃した人も、もう一度第１部を見返したい人も、3部作を1日で見たい人にもおすすめしたい。もちろん『鉄西区』のように各部は独立した作品なので、1作品だけの鑑賞も問題なし。耐久マラソンのように1日で見るか、別の日に見るか、気になる作品だけを見るか、自由な入り口からドキュメンタリーの新たな到達点を体験してほしい。