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新刊ちょい見せ|「華流ドラマ・映画の今」ワン・イーボー主演映画 日本上映が目白押し(『和華』第42号)

『和華』42号の書影

毎号1つのテーマを徹底的に掘り下げ、日中文化の魅力を再発見する雑誌『和華』。様々なテーマを取り上げてきた『和華』最新号(第42号)のテーマは “華流に沼落ち。”!

最新号では、華流ファンならぜひ知りたい華流制作現場の裏舞台を、和華ならではのルートで取材。数々の有名作品を制作した中国の制作会社インタビューや、世界最大規模の撮影地・横店影視城、中国最先端のハイテク撮影地・青島東方影都など。さらに最新作や話題作の紹介に、専門ライターやエディターによる執筆ページ、さらには華流ファンクラブの方々や華流ファンへ実施したアンケートの結果も掲載!

リアルな声満載の華流を深める最新号から、気になる記事を一部分だけCinemartで公開!


「華流ライターとエディターが語る 華流ドラマ・映画の今」より

ワン・イーボー主演映画 日本上映が目白押し

文/多香椰(エディター)

『無名』ワン・イーボー1
『無名』Copyright 2023© Bona Film Group Company Limited All Rights Reserved

日本でも人気が沸騰している俳優であり歌手、ダンサーのワン・イーボー(王一博)。そんなワン・イーボーは今年、日本公開の映画が目白押しで、まさに「ワン・イーボー・イヤー」と言える。

そこでこの機会に、さらなる活躍が期待されるワン・イーボーに注目してみたい。最近のドラマでは、時代劇の『有翡ゆうひ–Legend of Love–』や『風起洛陽〜神都に翔ける蒼き炎〜』、現代劇の『冰雨火ひょううか〜BEING A HERO~』などで主演を務め、また最新作では中華民国時代の金融業界を描いたドラマ『追風者 〜金融界の夜明けへ〜』が中国で配信されたばかり。

5月3日に公開された映画『無名』は1940年代のスパイたちが暗躍する上海をノスタルジックに美しく描くスパイ・ノワール。トニー・レオン(梁朝偉)とワン・イーボーという2大スターの競演で話題になった。

監督は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海』のチェン・アル(程耳)。精巧に作られたセットや美術品で今では失われてしまった古き上海を再現した。

中華民国時代、汪兆銘おうちょうめい政権の政治保衛部でトニー・レオンとワン・イーボーは上司と部下という役どころだ。中国共産党から送り込まれたスパイと日本軍から送り込まれたスパイがどちらも正体を隠したまま秘密の行動で敵を欺き、極秘任務を遂行する。約8年にわたる「名もなきスパイたち」の活動が過去と現在を行き来しながら描かれていく。

ワン・イーボーは本作が映画初主演となった。物語上、暴力や格闘シーンが多く、ワン・イーボーが派手に返り血を浴びるシーンも印象的だ。トニー・レオンとの激しいアクションシーンも代役をつかわず、体当たりでこなしている。まさにこれまでの集大成のような深みのある演技で、穏やかに見えながら激しい思いを胸に秘めた人物を演じてみせた。

『無名』ワン・イーボー2
『無名』Copyright 2023© Bona Film Group Company Limited All Rights Reserved

トニー・レオンといえば第53回カンヌ国際映画祭で最優秀俳優賞を受賞した『花様年華』や『インファナル・アフェア』シリーズなど、言わずと知れた大スター。ワン・イーボーはそんなトニー・レオンとの格闘シーンに、最初は力を入れる勇気がなかったそうだ。監督にアドバイスされ何度も試すうちに動きが速くなめらかになっていったという。トニー・レオンも最初の手合わせで安心感を持ち彼の演技に対する真摯な態度に感じ入ったようだ。

ワン・イーボーは、自分の撮影シーンがないときでもトニー・レオンが顔と身体の筋肉を非常にうまくコントロールするのを観察したり、静かにモニターを見て観察していたという。監督もトニー・レオンも揃ってワン・イーボーを熱心で勤勉と褒めている。

また語学の才能も発揮し、上海語と日本語を学んで劇中では流暢に日本語を操っている。このような様々なチャレンジがある中で、もっとも難しかったのは眼の演技だったという。『無名』は眼のシーンが多く、そのような訓練をしていなかったので難しかったのだそうだ。

そして度々出てくる食事シーンの中でも「酔っ払いエビ」というまだ跳ねているエビを食べる料理のシーンは意味深い。蒸したスペアリブを食べるシーンでは最初はぎこちなかったが、チェン・アル監督がホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督の『フラワーズ・オブ・シャンハイ』の食事シーンを観せてくれたことで自然な感覚を見つけたという。

トニー・レオンの他にも『小さな中国のお針子』のジョウ・シュン(周迅)やホアン・レイ(黄磊)、『薬の神じゃない!』のエリック・ワン(王傳君)、そして9月8日公開の『熱烈』では監督を務めるダー・ポン(大鵬)など豪華な俳優陣に囲まれての主演を演じきった。

このコラムの続きは、『和華』最新号 vol.42で!



『和華』vol.42 
特集「華流に沼落ち。」
『和華』42号の書影

2024年7月22日(月)発売 850円(税込)
出版社 ‏ : ‎ アジア太平洋観光社
『和華』HP:https://visitasia.co.jp/waka/


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華流ライターとエディターが語る  華流ドラマ・映画の今
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面白映画株式会社代表取締役・董志凌氏インタビュー
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