最新台湾エンタメ|カヤックで海を横断! 台湾テレビ局が日台合作でリアリティー番組を制作
ニュース提供元:三立テレビ(三立/SET)
三立新聞台、三立都會台など台湾最大規模のテレビ局を有する三立グループが29日、「台日映像作品カンファンレンス」の記者会見を行った。会見には、同グループの高明慧社長をはじめ、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表、台湾日本関係協会の蘇嘉全会長、台湾文化部の史哲大臣、海洋委員会の管碧玲主任委員ほか、俳優のジョージ・フー(胡宇威)とレイ・アイメイ(雷艾美)が出席した。
三立グループは政府、企業、民間との幅広いパイプを強みに三立ブランドを確立している。会見では、映画・テレビなどの映像作品を通してコンテンツの国際化と産業テクノロジー化を実現し、台湾のコンテンツをより国際的に広めたい意向を示した。その一環として、映像コンテンツの海外発信に注力する三立テレビは、日本との合作プロジェクト3つを発表。このうち、株式会社エスピーオーと共同制作したBLドラマ「VBLシリーズ」4部作は、すでにFOD、Rakuten TVやビデオマーケットで配信中のほか、5月20日からはCS チャンネル「日テレプラス」でも放送が予定されている。4月末にはシリーズの主演キャスト8人が来日イベント開催を果たした。
2つ目は、アジアのネコにフォーカスした3部仕立てのドキュメンタリー番組「亞洲貓科大復興(原題)」だ。そのうちの1部は、長崎県対馬にのみ生息する固有種ツシマヤマネコの保護と奇跡的な再生の記録で、制作チームは対馬野生生物保護センターの職員とともにツシマヤマネコの痕跡を追う。
そして、中華テレビ(華視/CTS)、文化内容策進院(台湾クリエイティブ・コンテンツ・エージェンシー、略称TAICCA)、日本の極東電視台と共同で制作されるのがリアリティアドベンチャー番組「上船了各位!(原題)」。従来のバラエティー番組の常識を打ち破ったコンテンツで、「260キロ、60時間の完全実録」を目標に掲げ、台湾東部の花蓮から石垣島(沖縄県)までをカヤックで航海する。
「上船了各位!」は、文化部発案による「文化黒潮プロジェクト」の一環として製作される。「文化黒潮プロジェクト」とは、4年で100億ニュー台湾ドル規模の資金を投入し、台湾の優れた映像コンテンツを世界に発信することで台湾の美しさを世界に知ってもらうと同時に、日本をはじめ国境を越えたイノベーションを目指すとしている。「上船了各位!」を、海洋文化や日台友好の深まりを示すだけでなく、映像コンテンツがテレビ局からグローバルなウェブへ移行した時代を象徴するコンテンツにする狙いだ。
「上船了各位!」に出演するジョージ・フー、レイ・アイメイら7人は現在、コーチの指導を受けカヤックの特訓中だという。ジョージ・フーは、同番組出演には筋トレが不可欠で、持久力とカヤックを漕ぐスキルが試されると説明。訓練初日には、妻で女優のアニー・チェン(陳庭妮)についてきてもらったそう。車で待っていたアニー・チェンに「あなたのところまで漕いでも行ってもいい? できるかな?」と聞かれたジョージ・フーは、もし石垣島に上陸したときにアニー・チェンが待っていてくれたら「またプロポーズする!」と答えたと、仲睦まじいエピソードを明かした。またメンバーのKIDが訓練当初からレイ・アイメイをからかうのが好きで、いつも彼女を水に落とそうとしたことも明かした。とても話が合うというメンバーのリマ・ジダン(瑞瑪席丹)にも触れ、彼女は負けん気が強く、KIDには負けられないと訓練後に車でもスピード勝負をしていたので、KIDとのコンビはぴったりだとも語った。
レイ・アイメイは、過去のリアリティー番組で肉体の限界に挑戦した体験を振り返り、達成したくても過酷な撮影では感情をコントロールするのが難しいとし、カヤックで石垣島まで航海することができたら、きっとみんなと抱き合って泣くと思うと語った。今回の挑戦に対して家族は全く心配していないそうで、「父はもっとクレイジーで、1日で台湾一周できるほどです」と笑いながらも、「(出演仲間の)チョン・ヤオ(鍾瑶)が、台湾海域にサメはあまりいないけれど、そこを抜けたらどうなるかわからないと言っていました」と、サメに遭遇する不安ものぞかせた。ミッション完了後の唯一の楽しみは、大勢から薦められる石垣牛を食べることだという。
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翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。
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