最新台湾ドラマ|「奇蹟」製作チームの新作、BLドラマ「看見愛(原題)」がクランクイン
ニュース提供元:三立テレビ(三立/SET)
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昨年、再生回数178万回の好成績をマークした「奇蹟」製作チームが新たに手がけるのは、聴覚障がい者との恋をテーマにしたオリジナルBLドラマ「看見愛(原題)」。2日、台北市内でクラインイン式が行われ、主要キャストのジン・ユン(金雲)、リン・ユー(林宇)、リン・ジャーヨウ(林家佑)、リン・ヨンジエ(林詠傑)、リー・ヨウ(李悠)、エイミー・アイ(艾雨帆)らが出席した。
「看見愛」は、後継者の責任から逃れたい三代目御曹司の子翔(リン・ユー演)が、聴覚障がいのある紹朋(ジン・ユン演)と恋に落ちる物語。出張先の台湾で狙撃事件に遭った子翔は、秘書の丰桀(リン・ジャーヨウ演)を説得して紹朋を世話係として雇う。隙を見て逃亡しようと目論んでいたのに、思いがけず紹朋に惹かれてしまう子翔。一方、罠にはめられた殺し屋の信家(リン・ヨンジエ演)は、子翔の暗殺に失敗しただけでなく、身代わりの丰桀まで逃してしまう……。
「History 」シリーズ、「My Tooth Your Love ラブリー・クリニック」など話題のドラマ脚本を次々と手がけ、「BLドラマの女王」として知られるリン・ペイユー(林珮瑜)が、「奇蹟」に続き脚本とプロデューサーを兼任する。リン・ペイユーは「今回は“聞こえない”ことを、聴覚の喪失ではなく、別の言語(手話)でコミュニケーションできることだという、別の視点からアプローチしてみました。 『看見愛』が形や言語を問わず愛の真理を表現しうると同時に、ろう者の文化を広める小さな力になればと思います」と語った。
監督のジアン・ビンチェン(姜秉辰)は、「聴覚障がいのある叔父を幼いころから見てきました。健聴者より顕著な特徴—— こだわりと勇気があって、愛を信じられれば簡単には諦めません。視聴者の皆さんに、聞こえない物語の登場人物たちの“愛を見て”もらえれば」と、制作の動機について応えた。もう一人の監督でプロデューサーのアニタ・ソン(宋鎵琳)は、「キャスティングのときから候補者の皆に手話をしてもらい、声を出さない状態で眼差しやその他のフィーリングが合うCPを探し出しました。『看見愛』を通して、視聴者の皆さんをさまざまな愛の形と可能性に導くことができれば嬉しいです」と語った。
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「看見愛」は、台湾の大鴻藝術と日本の動画配信サービスのビデオマーケットとRakuten TVの共同出資を受け、腦漿娯楽が製作する。また台湾の著名な劇団「曉劇場」ともジャンルを越えたコラボを実現し、今年10月に上演予定のバリアフリー演劇「魚.貓」が劇中に取り入れられることも話題を呼んでいる。
主演は、次世代俳優のジン・ユンとリン・ユー。オーディション番組「ATOM BOYZ(原子少年)」に出演し人気を集めたジン・ユンは、台湾BLドラマで随一、190センチの長身を誇る。初主演にして、聴覚障がいがある看護師という難しい役に挑むため、最近はできる限り外部から隔絶された静かな環境に身を置き、リン・ユーと一緒に手話のレッスンにも励んでいるという。ジン・ユンは「自分にとって新しい言語である手話は、連想できる言葉もあれば、暗記しなければならない言葉もあって、スムーズに話せるようになるのは容易ではありません」と手話習得の難しさを明かしながらも、「緊張しますがワクワクもしています。初ドラマで主演の上、聴覚障がい者という役柄は大きなチャレンジですが、自分には大きな意味があります」と意欲を見せた。
一方、相手役の御曹司を演じるリン・ユーは身長178センチ。ジン・ユンとの初対面を振り返り、「初めて会ったときから、撮影中でもそれ以外でも自然と息が合い、特に身長差は感じませんでした。でも撮影中は顔を上げなければならないし、ジン・ユンの隣に立つと自分の背が低く見えてしまって。スタッフさんでさえ、横に立って初めて僕の背がそれほど低くないと気づくほどでした」と明かした。また劇中、発話しながら手話をするリン・ユーは、「文法が違う手話とセリフを併用しなければならないので、ちゃんとできるようになるにはかなり練習の時間が必要です」と苦労している点を挙げた。
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初主演で緊張していた二人だが、クランクインの前日には互いに励ましのメッセージを送り合ったという。また手話を学ぶのは容易ではないが、習得後は合宿でほかのキャストたちとジェスチャーゲームで遊ぶときなど、こっそり手話で得点を稼ぐことができると冗談を飛ばすなど打ち解けた様子を見せた。肩を並べて「僕たちは自信があります」と宣言したほか、呼吸の合った演技を見せたいとの意欲を示すかのように、クラインクインの現場でも片時も離れない。しかし現場に不慣れなため、クランクイン式では最後の瞬間までお香を上げていないことに気づかなかった二人。自信があると言った側から失敗し、そのミスさえも完全なシンクロ具合にスタッフは苦笑をもらした。
バラエティー番組「全明星運動會(原題)」シーズン4で知名度を上げた有能秘書・丰桀役のリン・ジャーヨウは、本作チームが製作したBLドラマ「Be Loved in House 約・定~I Do」にも出演していたため、大所帯に里帰りした感じだという。役柄については「全力で仕事に打ち込む丰桀の姿勢は、自分とよく似ています。今回は韓国ドラマを参考に役作りをしました。韓国ドラマには、スマートなスーツ姿や有能な補佐官役がよく出てくるので、上司に安心感を与えたり、プライベートとのギャップがあったりなど、細部まで勉強になりました」と明かした。
リン・ジャーヨウの相手役として、初めてのBLドラマに挑むリン・ヨンジエは、ドジな殺し屋の信家を演じる。たくさんキスシーンがあると宣言した上で、「ジャーヨウと距離を縮めようとすると最初はなんとなく壁を感じましたが、スタッフさんが僕たちの関係作りのためにいろいろ取り計らってくれたおかげで、いい関係性を築くことができました。今日はまだ少し緊張していますがワクワクしています」と、撮影への期待感を膨らませた。
「看見愛」は今秋に配信予定。
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翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。
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