最新台湾ドラマ|金鐘奨、「暴走外科医がやってきた」「WAVE MAKERS〜選挙の人々〜」がドラマ部門の勝者に
ニュース提供元:台湾公共テレビ(公視/PTS)
10月20、21日に開催された「第58屆電視金鐘奨」(第58回テレビ・ゴールデン・ベル・アワード/GBA)の授賞式で、台湾公共テレビ(公視/PTS)がドラマ番組12部門、バラエティー番組6部門、合わせて18部門の賞を獲得し、テレビ局最多受賞の座に輝いた。
ドラマ部門で勝者となったのは、「暴走外科医がやってきた」と「WAVE MAKERS〜選挙の人々〜」の2作品。「暴走外科医がやってきた」は長編ドラマ主演女優賞、監督賞、長編ドラマ賞、新人賞、「WAVE MAKERS〜選挙の人々〜」はミニドラマ(テレビ映画)監督賞、視覚効果賞、ドラマ主題歌賞、ミニドラマ賞と、それぞれ4つの賞を獲得した。
長編ドラマ主演女優賞を受賞した「暴走外科医がやってきた」のジャネル・ツァイ(蔡淑臻)は、同賞3度目のノミネートで初受賞を果たした。ジャネル・ツァイが初めて金鐘奨を受賞したのは、奇しくも本作の監督ライ・モンジエ(賴孟傑)の前作「噬罪者(原題)」(Hate the Sin, Love the Sinner)の助演女優賞。「暴走外科医がやってきた」は、再びジャネル・ツァイを受賞に導き、さらに監督賞と最大の栄誉である長編ドラマ賞を勝ち取った。
ジャネル・ツァイは、受賞スピーチを何度も練習したにもかかわらず、感謝の言葉の一部を言い忘れたと悔やむ一方、「何かを期待していたわけではありません。この役が好きで、撮影を堪能しました」と、受賞時の心境を語った。また、自身の受賞時は緊張のあまり泣く暇がなく、バックステージで監督賞とドラマ賞の受賞を知り、初めて感動の涙が出たとも明かした。
「暴走外科医がやってきた」で、ERの手術室看護師を生き生きと演じ視聴者に愛されたスー・イン(蘇瀅)は、ドラマ初出演にして新人賞を受賞した。「いただいた賞金は今回の衣装代にあてます」と笑いを誘った上で、「最近、本名の『李夢春』でYouTube チャンネルを開設しました。役者としてのエピソードをシェアしていければと思います」と今後の展望を語った。
ミニドラマ助演男優賞を受賞した「公視迷你電影院-看海(原題)」のホアン・ディーヤン(黃迪揚)は、「通話の最初の10秒間、妻は黙ったままでした。たぶん感動で言葉が出てこなかったんだと思います」と、受賞後の妻との電話の様子を明かす。賞金については「賞金は大切に使わせていただきます。まずスタッフに夜食をご馳走し、残りは家賃2か月分にします。今インフレが深刻ですから!」と語り、場を和ませた。
ミニドラマの主演男優賞・主演女優賞にノミネートされた「你的婚姻不是你的婚姻-聖筊(原題)」のリウ・グアンティン(劉冠廷)とスン・クーファン(孫可芳)は実生活でも夫婦。授賞式直前に第一子妊娠を発表していたリウ・グアンティンは「子どもがこの世に生まれるのは簡単なことではありません。嬉しい反面、不安に怯えていますが、とても幸せです。受賞は逃しましたが大きな影響はありません。毎日赤ちゃんに話しかけるようにしています」と、父親になる気持ちを明かした。妻のスン・クーファンは、受賞を逃したリウ・グアンティンに「私の中ではあなたが一番」と伝えたという。
多くの受賞を果たしながらも、俳優賞を他作品に譲る形となった「WAVE MAKERS〜選挙の人々〜」のプロデューサーは、「言いづらいことですが、本当はどの賞も獲りたかったです。私たちは群像劇なので、編集にとても時間がかかりました。もちろんとても楽しい時間でしたが、内心スタッフ全員が受賞できることを心から願っていました。今でも残念な気持ちはありますが、『ふたりの私』はとても好きなドラマで、私の先輩のドラマでもあります」と、悔しさの滲む複雑な心境を語った。当のキャスト陣は、ずっとハイテンションで慰める必要もなかったという。同作の監督リン・ジュンヤン(林君陽)は、「本作の俳優たちは、将来必ず素晴らしいチャンスがあると思います。レオン・ダイ(戴立忍)もプー・シュエリャン(卜學亮)もとても深みのある俳優です」と、リスペクトを表した。
「牛車來去(原題)」で長編ドラマ助演女優賞のミークーバイ(米可白)は、デビュー18年で初ノミネート初受賞を果たした。祝賀会では、興奮のあまりロングアイランドアイスティーを2杯飲んだという。「今はシングルなので、受賞はとても大切です」と喜びを表した。
「牛車來去」に主演し、惜しくも受賞を逃したアンバー・アン(安心亜)は、「これで十分です」ときっぱり。「もちろん認められたいという気持ちはあるけれど、もう十分努力しました。自分の気持ちはすでに天に預けているので、望んだとしても絶対ではありません。私にはまだ学ぶことがたくさんあります」と謙虚に語った。
台湾ドラマ好きの皆さんにはおなじみの「金鐘奨」。改めてどんな賞なのかを整理して、おさらいします。
金鐘奨のドラマ部門について紹介しています。
翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。
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