【インタビュー】「茶金」ウェン・シェンハオ(温昇豪) “1950年代の台湾の物語が語られている”
圧巻の台湾エミー賞史上最多16ノミネート! すべてが美しいと称賛された芳醇な時代ロマンス「茶金 ゴールドリーフ(以下、茶金)」。本作で日本兵から米軍捕虜へと数奇な運命を生き抜いてきた劉坤凱(リウ・クンカイ)を演じたウェン・シェンハオ(温昇豪)さんに本作についてお話を聞きました。
ウェン・シェンハオさん
― 「茶金」のどんなところに魅力を感じ、出演を決めましたか?
ウェン・シェンハオ 本作の時代背景は1950年代、日本が台湾から撤退し、中華民国政府が台湾に移転してからの物語です。僕の祖父の代の物語になりますが、この時代背景は僕にとって、とても魅力的なので出演を決めました。
― ウェン・シェンハオさんは劉坤凱(リウ・クンカイ)を演じるためにどんな事前準備をしましたか?
ウェン・シェンハオ 特別なことはしていません。学生時代にこの時代の歴史についてたくさん勉強したので、当時の台湾人がこの土地で経験したこととアイデンティティに対する課題について詳しく知っていました。僕の祖父も同じようにアイデンティティの問題に直面していて、それが全部キャラクターに入っていますし、脚本もかなり詳しく完璧だったので、特に準備しませんでした。
― 劉坤凱を演じるうえで、演出家や脚本家から受けたアドバイスで印象に残っていることはありますか?
ウェン・シェンハオ 監督から「劉坤凱というキャラクターは、世の移り変わりをたくさん経験してきた感じを出さなければいけない」と言われました。彼の目を通して物語が見え、彼の肩は(背負っているもののせいで)重く見えるということを監督にいつも言われていました。また、劉坤凱はいつも鬱々とした雰囲気が漂っています。
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation
― ウェン・シェンハオさんは、演じられた劉坤凱という人物をどのように解釈し演じましたか? 演じる上で大切にした点や、特に意識した点があれば教えてください。
ウェン・シェンハオ 特に意識した点は、彼が思いがけず物事に関心を持ち使命感を見せることです。これはこのキャラクターにおいて、とても需要なことです。彼は十字架を背負っているような人なので、演じるときに彼の様々なことに対する執着を意識していました。鬱々とした雰囲気以外に、彼の物事に対する集中・執着を特に意識していました。
― ウェン・シェンハオさんと演じられた劉坤凱の、似ている点、似ていない点はどんなところですか?
ウェン・シェンハオ 似ているところは、物事に対する真剣な態度かと思います。やると決めたことに対して、いつも尽力する態度で向かいます。似ていないところは、僕は彼ほど鬱々としてはいないです。僕は(彼が経験した)戦争の、その後の時代で生きているので、彼ほど世の移り変わりをたくさん経験しているわけではありませんから。
― どのシーンの撮影が特に印象に残っていますか?
ウェン・シェンハオ たくさんありますね。「茶金」は細部まで非常にこだわっているドラマなので、全てのシーンの撮影が印象に残っています。
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― 撮影中で一番チャレンジングだったことは何でしょうか?
ウェン・シェンハオ 異なる言語を使うことです。それ以外は大丈夫でした。
― 本作でたくさんの言語を使用されましたが、元々話している言語と本作のために新たに学んだ言語は何ですか?どれが一番難しいと感じましたか?
ウェン・シェンハオ 僕が劇中で使っている言語は華語、英語、日本語と台湾語です。華語と台湾語は元々話せますし、日本語はあまり多くなかったのでそこまで大変ではありませんでした。難しく感じたのは英語でしたね。英語は話せますが上手くはないので、クランクイン前に海外で育った友人に翻訳してもらい、撮影現場で外国人キャストたちと会話する時には、ちゃんと話せているかをチェックしてもらいました。
― 「茶金」は“一番美しい台湾ドラマ”と称賛されていますが、こだわりのセット、衣装で演じられた感想を教えてください。
ウェン・シェンハオ 1950年代のセットの中にいた時、特別な感じがしました。それは、セットと美術にちゃんとコストがかけられているからだと思います。皆さんがドラマを観るときに、制作チームの誠意を感じて頂ければ嬉しいです。
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― 撮影現場の雰囲気はどうでしたか? 撮影時に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
ウェン・シェンハオ 撮影現場の雰囲気はとてもよかったです。みんな仲が良かったですし、監督とは10年以上の長い付き合いなので、いい雰囲気の中で撮影していました。そして差し入れのおかげで、毎日美味しいものを食べさせて頂きました。
― 張薏心を演じたリエン・ユーハンさん、夏慕雪を演じたソフィア・リーさんとの共演はいかがでしたか?
ウェン・シェンハオ この二人は全然違うキャラクターです。一人はお嬢様、もう一人は世の移り変わりを経験してきた俳優です。二人ともとても優秀な俳優なので、共演していて、それぞれのキャラクターのクラスの差をはっきりと感じられました。日本の皆さんがドラマを視聴されるときに、二人の素晴らしい演技にも注目して頂きたいです。
― 高い評価を得た「茶金」ですが、その魅力はどんなところにあると思いますか?
ウェン・シェンハオ 1950年代の台湾の物語をたくさん語っているところだと思います。この時代には、フォルモサ(=台湾)という土地に違う族群(エスニックグループ)がいて、本省人、外省人、日本に統治された人もいて、日本のことを愛する人がいれば恨む人もいて、様々な人がここに自分の居場所や立場を見つけています。
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― 最近プロデューサーを務めるというニュースを拝見しました。話せる範囲で構いませんので今後の活動について教えてください。
ウェン・シェンハオ これからはメディカルエステや整形外科に関するおしゃれなドラマのプロデューサーを務めます。
― お忙しい毎日をお過ごしかと思いますが、日常生活の中で幸せを感じる瞬間はどんなときですか?
ウェン・シェンハオ 休みの時に美味しいものを食べたり、家族や友人と集まったりするときです。
― 最後に、これから「茶金」をご覧になる日本のファンにメッセージをお願いします。
ウェン・シェンハオ 日本の皆さん、ありがとうございます。「茶金」を好きになってくれれば嬉しいです。ドラマの宣伝で日本を訪ねたのはだいぶ前だったので、本作がいい評判になって、日本の皆さんにまた会いに行けることを祈っています。
ウェン・シェンハオさん
DVD-BOX 発売中(13,200円・税込)
DVDレンタル&動画配信サービスにて配信中
発売・販売元:エスピーオー © 2021 Taiwan Public Television Service Foundation
https://www.cinemart.co.jp/dc/t/chakin.html
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