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台湾映画の"いま" 『藍色夏恋』イー・ツーイエン監督、初の長編アニメ『廃棄の城』上映

  

2000年以降の台湾映画の新しい流れがどのように台湾映画の"いま"に繋がってきたのか、 そして"いま"何が起きているのかをお届けする台湾文化センターとアジアンパラダイス共催のイベントシリーズ。今年の第1回は、4月16日に青春映画のレジェンド『藍色夏恋』のイー・ツーイエン(易智言)監督が初めて手がけた長編アニメーション映画『廃棄の城(原題:廢棄之城)』が上映された。

本作はレジ袋をはじめゴミを擬人化し、環境問題を背景に少年の成長を描いた物語。美しい映像と、監督の教え子で人気俳優の張孝全(チャン・シャオチュアン)、桂綸鎂(グイ・ルンメイ)、黄河(ホアン・ハー)ら豪華な声の出演で2020年に金馬奨のアニメ部門の最優秀作品賞、2021年の台北電影獎では技術賞を受賞後、10月に一般公開された。

海外では東京アニメアワードフェスティバル、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭、ドイツのシュトゥットガルト国際アニメーション映画祭、富川ファンタスティック国際映画祭、コルドバ国際アニメーションフェスティバルに参加し、シカゴ国際児童映画祭ではグランプリを獲得。

イー・ツーイエン監督は、ドラマ『危険心霊』、映画『藍色夏恋』、『コードネームは孫中山』など一貫して青少年の成長を描き、本作の主人公である少年リーフもまたそのひとり。今の社会が決して若者に手厚くないことから、社会から逃れ、自分の世界や忘れられた片隅に逃げこんでいる若者たちにエールを送りたいというのが製作意図だったそう。

上映後のアンケートでも、少年の成長物語と環境問題の融合に心打たれたというアンケートの回答が多く寄せられた。また、コロナ渦により台湾ロスの皆さんにとってメインキャラクターである白とピンクの縞模様のレジ袋への反応が強かったことも、台湾好きならでは。

アフタートークは、『廃棄の城』の解説、環境問題を描いた映画についての紹介。またイー・ツーイエン監督から今回の観客に寄せられたムービーメッセージも上映。

イー・ツーイエン監督

イー・ツーイエン監督
「今日はこの映画を見ていただき、ありがとうございます。皆さんが気に入ってくれていたらうれしいです。でも、もっと大事な事は、皆さんが見終わって、なにかを感じてもらえることです」


第2回は5月21日(土)14時~開催。昨年の大ヒット作で、台湾の原住民の子ども達の合唱団と、その指揮をとった校長の実話をもとにしたハートウォーミングストーリー『僕たちの歌をもう一度(原題:聽見歌 再唱)』を上映。主演は馬志翔(マー・ジーシアン)とElla=陳嘉樺(チェン・ジアホア)。参加申し込みは、5月6日(金)より受付開始、詳細は4月22日(金)より以下に掲載。

台湾文化センター https://jp.taiwan.culture.tw
アジアンパラダイス   http://www.asianparadise.net
Peatix https://taiwan-movie2.peatix.com/

2022台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"」
開催日程:2021年4月〜10月(7回)※下記参照
開催形式:配信プラットフォームによるオンライン
参加:無料。事前申し込み制。
スピーカー:江口洋子(台湾映画コーディネーター、アジアンパラダイス主宰)
主催:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター/アジアンパラダイス
協力:映画各社
イベント形式:映画の上映とトーク(監督や俳優のムービーメッセージ、テーマトーク、台湾映画界の最新情報)

※各回の申込みの詳細は、以下のWebサイトで告知
台湾文化センター  https://jp.taiwan.culture.tw
アジアンパラダイス http://www.asianparadise.net

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