「山河令」は“脇キャラにも注目したい!”あなたに効くドラマ|アジアドラマの処方箋#34
この連載では、様々な症状に効く中国ドラマ・台湾ドラマを紹介。第34回の今回は「脇キャラにも注目したい!」あなたにおすすめの1本を紹介します。
お薬ドラマ名「山河令」
このドラマの効能
・素敵な主人公たちだけでなく魅力的な脇役たちにも出会えます
・悪役でも多くのファンを生んだ蝎王のキャラに萌えられます
・本作でブレイクした蝎王役リー・ダイクンの魅力が堪能できます
悪役だけど萌えるキャラ、「山河令」の蝎王に注目!
©Youku Information Technology (Beijing) Co., Ltd.
Character:蝎王
色白で妖しげな異民族の美青年。暗殺集団・毒蝎のリーダーとして冷酷無比な“四大刺客”を率いています。 得意とするのは毒を使った武器や魔音を奏でる琵琶。
Cast:リー・ダイクン(李岱昆)
1992年7月4日生まれ、湖南省婁底市出身。
血液型:A型 身長:182cm
当初は温客行にキャスティングされていましたが、自ら蝎王役を選んだとのこと。中国ドラマはセリフを他の声優が吹き替えることが多いのですが、蝎王は彼自身が声も担当しています。
出演作
2018「シンデレラ・シェフ~萌妻食神~」
2019「白華の姫~失われた記憶と3つの愛~」
2020「鳳星(ほうせい)の姫~天空の女神と宿命の愛~」
「九州・天空城~人族・羽族の逆転人生、愛憎渦巻く宿命~」(WeTV配信/「鳳星の姫」スピンオフ映画)
2021「山河令」
※ネタバレ注意※
結末のネタバレはありませんが、物語の中盤~後半の内容に触れています。
未視聴・視聴中の方はご注意ください。
クールで妖しい暗殺者の顔 ↔︎ 言うことをよく聞く息子の顔
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蝎王が率いる毒蝎は、かつて晋王の特務機関である天窗を率いた周子舒も一目置く暗殺集団。そのリーダーである蝎王は歳若くして情け容赦のない刺客たちを従えるオーラがあり、彼自身も顔色ひとつ変えずに人を殺せる果断さと冷酷さを持っています。
しかも、周子舒&温客行に仕掛けた罠を思いがけず突破されても「面白くなってきた」と余裕の笑みを浮かべる蝎王。敵が手強いほどやる気を出してくるのも大物感を感じさせるところです。
そんな蝎王ですが、義父の趙敬の前では途端に言うことをよく聞く息子の顔になり、彼の命令に従います。正義を気取っている趙敬は蝎王が養子であることを世間には隠していますが、蝎王は日陰の身ではなくいつか堂々と世に出たい、そのために義父に認めてもらいたいと必死。誇り高い彼が趙敬の前ではそわそわして、彼を喜ばせようと頑張る健気な姿には思わずキュンとしてしまいます。
義父の愛を巡って嫉妬する顔 ↔︎ 義父を慕う甘えん坊な顔
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趙敬は人を利用するのに長けた腹黒い人物。彼がヨゴレ仕事をさせるために養子にしている青年は蝎王だけではありません。それに嫉妬し義父の愛を独占しようとした蝎王はライバルとなる養子に裏切りの罪を着せてこっそり始末。結果、趙敬に褒められた上、「今後、私の息子はお前だけだ」と言われて満面の笑みとなります。
ところが、しばらくすると、また知らない青年が趙敬の爪を磨いているのを見てしまい、嫉妬がメラメラ。趙敬に「この者は誰ですか?」と聞いても答えてもらえず、義父の趣味に合わせて部屋の内装を変えたのに「浮ついているのがお前の悪いところだ」と言われてしゅんとなってしまいます。
そんな蝎王が趙敬にたびたび甘えん坊な顔を見せるのもポイント高し! 悪巧みをする趙敬の期待に応えようとすぐに「殺しますか?」と張り切ってしまったり、彼に優しい言葉をかけられ頭を撫でられるとうっとりとしてしまったり。義父にだけ見せる彼の甘々な表情に萌えてしまいます。
疑惑に苦しみ葛藤する顔 ↔︎ 屈折した愛に満ちた顔
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そうこうするうち、蝎王は趙敬がかつて婚約までしていた喜喪鬼を冷たく捨てたという噂を聞いて心がざわついてきます。「君 私を裏切らざれば 我 君を裏切らず」という喜喪鬼の言葉が、彼の心の中でも呪いのようにリフレインされ、趙敬は自分を騙しているのではないか、いつか自分も裏切られるのではないかと疑心が芽生えていくのです。
そして、喜喪鬼から“陰謀を巡らせて人を陥れることを誇る趙敬は、陰謀が成功するたびに彼の真心を表す特別な証しの品として相手に贈ったものを戦利品として残す”と聞いた蝎王は……!?
ここからの蝎王の行動にはあっと驚く展開が待ち受けます。愛する義父を信じたい気持ちと、刺客としての冷静な判断がせめぎ合った結果、蝎王が選ぶのは残酷だけれども切ない愛を感じさせる儚い未来。蝎王と趙敬の一筋縄ではいかない愛憎ストーリーも最後まで目が離せません!
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TEXT: 小酒真由子(フリーライター)
アジアから欧米までドラマについて執筆しています。双葉社『韓国TVドラマガイド』にて「熱烈推薦!! 中華ドラマはこうハマる!」を、Cinem@rtにて「アジドラ処方箋」を連載中。また、執筆させていただいたぴあMOOK『2022年 見るべき中国時代劇ドラマ』が絶賛発売中です。
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