【特集】韓国を席巻する人気アニメーションがついに上陸〜「シンビアパート」の魅力を徹底解剖!#2
韓国で記録的な人気を集めるテレビアニメシリーズ「シンビアパート」。2014年にパイロット版が初放送されたこの作品は、2016年にスタートしたシーズン1が爆発的な大ヒットを記録。さらにこの秋には最新作のシーズン4も放送され、その勢いは止まるところを知りません。また、日本でも、9月17日よりAmazonプライム・ビデオで配信がスタートしました!
今回は、韓国アニメーションを新たな次元へと押し上げたエポックメーカー的作品「シンビアパート」の見どころと人気の秘密を、たっぷり解説していきましょう。
韓国を席巻する人気アニメーションがついに上陸〜『シンビアパート』の魅力を徹底解剖!
#1 小学生の姉弟がキュートな“トッケビ”と出会う
#2 笑いに恐怖、涙にムズキュンまで! ホラーを通して描く豊かな人間ドラマ
#3 続編に映画、実写ドラマまで。ジャンルを超えて広がる大規模なメディアミックス
《「韓国アニメーションと出会う」特集ページ》
#2 笑いに恐怖、涙にムズキュンまで! ホラーを通して描く豊かな人間ドラマ
トッケビ(韓国の想像上の生物。日本の〈鬼〉と似ているが、より親しみのある存在)のシンビをはじめとしたキュートな登場人物たちが、人間界の平和を守るためゴースト退治に活躍する「シンビアパート」。ホラー・スリラーをベースに、ファンタジー、アクション、ラブストーリーと、多彩なエッセンスが詰まっています。
韓国での放送が始まった当初は、夜中に子どもがゴーストにさらわれたり(第3話「窓の外の不吉な視線 ハハグモ鬼の襲撃」)、家族がのっぺらぼうになったりする(第6話「正体不明の敵 顔のないゴースト ノッペラー」)エピソードが、子どもが見るには怖すぎるという批判もあったものの、逆に誰もが持つ「怖いもの見たさ」の好奇心をくすぐるストーリーと、ゴーストと戦うクライマックスの高揚感が子どもたちの感性をがっちりとつかんで、大きな支持を得ました。
また、ゴーストにはそれぞれ異なる霊力が備わっており、新たなゴーストと戦う時には、捕獲して味方になったゴーストを、武器として使うことができます。過去に捕獲したゴーストを覚えておいて、「このバトルではどのゴーストを使えばよいか?」と考えながらストーリーを追うのも楽しいポイント。
作中には、鉄を食べる怪物プルガサリ(第15話「鋼鉄の猛獣の襲撃、クラヤミー」)、済州島に伝わる妖怪ワラがっぱ(第20話「雨の日の訪問者 島から来たゴースト」)など、朝鮮半島に古くから伝わる妖怪も登場。親世代の視聴者が、子どものころ親しんだ怪談を思い出しながら見られたことも、韓国での人気を支えた一因なのでしょう。
しかしそれだけでは、ヤングアダルトから親世代まで、幅広い年齢層がハマる理由は説明しきれません。
確かにストーリーの中心は、シンビの仲間たちと人間界をおびやかすゴーストとのバトルですが、本作の根底には、子ども向けの要素を生かしつつ、ていねいに描かれた人間ドラマがあり、登場人物の性格や心情を細やかに表現したシナリオと演出が、物語をしっかり支えています。
例えば、悪さを働くゴーストについても、実はさまざまな理由で現世への未練を残して死んだ人間の霊が取りついているというような細かい設定があります。つまり、ゴースト退治とは彼らを倒すだけでなく、ゴーストから霊を解放し、霊が安心してあの世に行けるよう助けることでもあるのです。
また、ハリたちの母親に危険を伝えるためゴーストに取りついた祖母の霊(第18話「ママと麻姑〈まこ〉バーバの終わらぬ悪夢」)や、バス事故を止められなかった運転手と乗客の霊たちとの再会(第8話「恐怖の4444番 メイソーバス」)など、事件の背景にある愛と許しのエピソードも、涙なしには見られません。
さらに、活発なのに恋には臆病なハリと超ツンデレ男子ガンリム、クールだが寂しがりなガウンと命懸けで彼女に尽くすイアンの、2組のカップルが出会いと別れを繰り返すムズキュン満載のラブストーリーにも、ハマること間違いなし!
特に、彼らが美男美女なのに一目惚れではなく、相手の内面にひかれていることがきちんと描かれており、先述した「どんな霊にもそれぞれの人生がある」という物語の軸がラブラインでも全くぶれていないところに、制作陣のこだわりが感じられます。
よく練られたキャラクター設定を生かし、シャーマンであるガンリムの孤独な戦いにスポットを当てた回(第15話「鋼鉄の猛獣の襲撃、クラヤミー」)、ガウンとイアンの出会いを描く回(第10話「赤い瞳の少年 イアン」)といった、脇役を中心にしたスピンオフ的なサブタイトルも作られ、ストーリーに深みを加えています。
そのほかにも、スマホやクレーンゲームといった身近なアイテムにゴーストが取りついたり(第5話「呪われたスマートフォン イドゥラの魂」、第9話「人間クレーンゲーム ベアードール」)、ゴーストとのかくれんぼゲームにハリたちが挑戦したり(第16話「ゴーストと勝負だ!ラバナブ」)など、バラエティに富んだエピソードがそろっているので、家族みんなで楽しめるでしょう。
<#3:「シンビアパート」続編に映画、実写ドラマまで。ジャンルを超えて広がる大規模なメディアミックス>
Text:田中恵美(ライター・編集者)
1990年前後のアジア美術ブームをきっかけに、韓国の現代美術や民衆美術を通じた交流活動に携わる。特に「花開くコリア・アニメーション+アジア(花コリ)」運営委員として、日韓アニメーション界の交流をサポート。韓国関連の執筆・編集では、ドラマなどのほか美術・デザイン、野球、ジャズなど専らニッチ担当(笑)。
花コリ公式サイト:https://anikr.com/
Edited:佐藤結(ライター)
2021年秋、韓国アニメがやってくる!
韓国を席巻する国民的人気アニメがついに日本上陸
《第1弾》「シンビアパート」
Amazonプライム・ビデオにて好評配信中!(各配信サイトで順次配信予定)
https://amzn.to/3AmTVDN
韓国で4年間、全ての子供番組の中で視聴率1位を獲得した国民的大ヒットアニメーション!!
“トッケビ”シンビとゴースト退治が始まる――
演出家:キム・ビョンガプ
脚本:イ・シウン/パク・ジヨン
エグゼクティブプロデューサー:ソク・ジョンソ
日本語吹替CAST
シンビ:井澤詩織
ハリ:大坪由佳
ドゥリ:鷹村彩花
ガンリム:小笠原 仁
ガウン:東城日沙子
ヒョヌ:酒井広大
2016年/韓国/全24話/日本語吹替
日本配給エージェンシー:SMG HOLDINGS CO.,LTD.
製作:CJ ENM
提供:エスピーオー
©CJ ENM Co., Ltd. All Rights Reserved.
《第2弾》「どうぶつたんけん!ドゥダとダダ」
Amazonプライム・ビデオにて好評配信中!(各配信サイトで順次配信予定)
https://amzn.to/3meScdV
子供の目線で地球にいる生き物と環境の新しい発見をテーマにした韓国で人気の幼児向けアニメ!
不思議な動物たちを見つけに探検へしゅっぱーつ!
演出家:キム・ジユン
脚 本:イ・ヒョンジュン/キム・ヘヨン/キム・グニョン
エグゼクティブプロデューサー:アン・ソジン
日本語吹替CAST
ドゥダ:桃河りか
ダダ:本郷里実
カボ:新川愛実
バブル:上絛千尋
オグリ:藤本彩花
パド:松永一輝
スコット:喜多田悠
2020年/韓国/全26話/日本語吹替
日本配給エージェンシー:SMG HOLDINGS CO.,LTD.
製作:EBS/EYESCREAM STUDIO
提供:エスピーオー
©EBS / EYESCREAM STUDIO All rights reserved
《第3弾》「スーパーシークレット」
Amazonプライム・ビデオにて独占配信中!
https://amzn.to/3inzIGR
原作:イオン「スーパーシークレット」(NAVER WEBTOON)
企画:LAFTEL
製作:STUDIO SHELTER
監督:ハ・ジュアン
声の出演
ウノ:チャン・イェナ
ギョヌ:シン・ヨンウ
スンウ:ファン・チャンヨン
ジミン:ソン・ハリム
2020年/韓国/全22話/日本語字幕
提供:エスピーオー
©eon / STUDIO SHELTER, RIDI Corp
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