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リン・ボーホン、アニー・チェンら『青春弑戀 (テロライザーズ)』出演者が、卒業式のない今年の卒業生にエール

ニュース提供元:齊石傳播、映画《青春弒戀》

国際的に活躍するホー・ウィディン(何蔚庭)監督の映画『青春弑戀Terrorizers(原題)』の出演者が6月10日、卒業式がなくなった(※)今年の卒業生へ向けたメッセージ映像を公開した。

新型コロナウイルスの感染拡大前に撮影されたという約2分ほどの映像は、「このような大変な時期に卒業する皆さんは、卒業式なしの卒業生となった。私たちからあなたに伝えたいことがある……」と書かれたオープニングから始まり、キャストのリン・ボーホン(林柏宏)、リン・ジェーシー(林哲熹)、ムーン・リー(李沐)、アニー・チェン(陳庭妮)、ディン・ニン(丁寧)、ヤオ・アイニン(姚愛寗)らがそれぞれ卒業生にエールを送っている。

※ 台湾では新型コロナウイルス感染症の警戒レベル3級の期間(6/11現在で6/28まで)、幼稚園、小中学校、高校の卒業式は中止、あるいはオンラインでの開催が求められている。


ボーホンは「卒業するときは、将来や未来の自分に戸惑うこともあるかもしれない。でも次のステージに進むための卒業だから、当時を思い返すと幸せだ。特に大学を卒業したときは、やりたい仕事に集中できることが嬉しくて、俳優としての新しい生活が始まるのが楽しみだった」と話した。また「卒業式で大泣きしたことは、今考えてもかわいくて笑える。友情など本当に心の中にあるものはなくならないけど、失ったら二度と戻ってこない青春時代はとても貴重だ」と自身の卒業当時を振り返った。

 


アニーは、「人生は長いようで短く、面白いけれど大変でもある。卒業するとき、新しい環境でさらなる挑戦があるので、いつもワクワクしていた。昔の自分は今の自分ならしない決断もする。自分が誰なのかを知り、どんなに勇気があったかを思い出すことができるから、思い出を振り返ることも大切。そのプロセスがあって、一歩一歩より良い自分に向かって進むことができるのだと思う」と、心を込めて話した。


ジェーシーは「卒業は、不安と喜びが入り混じっている。どんなときでも未知に対して少しの不安と少しの期待があり、何かをやろうと思っても、すべて無駄に終わるんじゃないかと怖くなることもある。でも何といってもチャレンジあるのみ!」とのエールを送った。


ムーンにとって学校とは、拘束され適応しづらい環境だったため、卒業時は解放されたように感じた。「高校を卒業したとき、ほっとしたのを覚えてる。当時、試験勉強ほど大変なものはないと思っていた私は、もう試験勉強しなくていいんだって急に肩の荷が降りた。これからの人生はもっと楽になるはず」と笑った。また、「時間に執着する人間なので、思い出や記念品を大切に集めて、心の中に博物館を作っていく」と話した。


監督のホー・ウィディンは、新型コロナウイルスの感染拡大による影響について率直に不安と懸念を示した。特に、芸術・文化産業はほぼ完全ストップの事態に直面している。海外の映画祭は今年復活する見込みなので、台湾も今の窮状を乗り越え、一日も早く日常生活を取り戻すことができるようにと願った。

また彼は、「まずは成功や失敗、正しいか間違いかなど考えないこと。とにかくやればいい」と卒業生にエールを送ると同時に、「私は若者のメンタリティや学校以外の生活の様子をリアルに反映した映画を作りたい。青春は年齢によって失われるものではなく、一種の概念と生活に対する姿勢だと思う」と話した。


『青春弑戀』は、一見何の関係もない6人が互いに影響し合い、無差別殺人事件に巻き込まれていくというサスペンス・ラブストーリー。オンラインゲーム、インフルエンサー 、いじめ、社会世論、家族問題などに囲まれたZ世代のライフスタイルを探っていく。『青春弑戀』は、2021年末に台湾公開予定。 


翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。2017年4月より、ラジオ番組「Asian Breeze」では台湾の現地情報を発信するコーナーを担当中。

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