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「火神的眼涙」(邦題:火神の涙)迫真の火災シーンに大反響、放送後のライブ配信ではコロナ感染拡大にも言及

ニュース提供元:PTS台湾公共テレビ(公視)

消防士を描く職業系ドラマ「火神的眼涙(原題)」(邦題:火神の涙 ※2022.2編集部追記)第8話の初回放送が、平均視聴率2.22%、視聴者数96万7000人を記録した。

 

2.6%をマークした瞬間最高視聴率は、シエ・ジャンイン(謝章穎)演じる高誠在(ガオ・チェンザイ)がやけどするシーンで、土曜ドラマの連続首位の座をキープ。200万人以上の視聴者に高評価されたほか、Netflixでは許容量を超えるアクセスが一度に集中したことでストリーミングに不具合が生じ、改善を求めるコメントがSNSにあふれる事態となった。

また、ウェイ・リーアン(韋禮安) の主題歌「因為是你(原題)」とチャン・メイチー (江美琪)のエンディング曲「繞(原題)」がKKBOXのチャートで1位、2位を占めるなど、さまざまな分野で好成績を収めている。

さらには多くの海賊版サイトでも華語ドラマの首位になっていることを受け、監督のツァイ・インジュアン (蔡銀娟)は次のように述べた。「多くのプラットフォームで好成果を収めることができ大変うれしい。しかし俳優とスタッフが心を込めて作った作品なので、正規の版権を持つプラットフォームで見て、台湾の制作チームを励ましてほしい」

7、8話の放送後には、プロデューサーのタン・シェンロン (湯昇栄)とアイザック・リー(李志薔)、監督のツァイ・インジュア ン、キャストのウェン・シェンハオ(温昇豪)、アニー・チェン(陳庭妮)、リン・ボーホン(林柏宏)、リウ・グアンティン(劉冠廷)、フー・シーアン(胡釋安)、シエ・ジャンインらがリモート会議のスタイルでライブ配信をするサプライズも。

コロナウイルス感染の拡大を受けて、キャストらは「第一線の医療従事者、消防士の方たちのプレッシャーはさらに大きくなっているに違いない。今はお互いのサポートと励ましが本当に必要。私たちは一人ではなく、みんなの心はいつも一緒だ。今自分たちにできることは、感染予防をしながら外出せず、家で『火神的眼涙』を見ること」と呼びかけた。

タン・シェンロンは、「『このドラマを見て初めて消防士の大変さを知った』とのカードとともにベビーカステラを受け取ったという消防士の方のコメントをネットで見た。こうした行為は非常に感動的で消防や軍、警察、医療、看護などに携わる人々に励ましを与えてくれると期待している」と話した。

クライマックスを迎える8話では、複合商業施設で火災が発生する。750万台湾ドル (約3000万円)をかけて制作された迫力満点のこのシーンでは、消火・救助活動に当たったボーホン演じる張志遠(ジャン・ジーユエン)と、グアンティン演じる林義陽(リン・イーヤン)が危機に直面する。視聴者の間では「誰が殉職するか」の予測が白熱し、「全員殉職する」と見る人もいれば、「誰にも何も起こりませんように」と監督に哀願する人も見られた。

意識を失いエレベーターシャフトに落ちてしまうシーンを演じたボーホンは、俳優仲間から「自分で落ち(る演技をし)たのか?」と尋ねられたそう。「そう聞いて意外だったけど達成感を感じたよ。本当にひどい落ち方をしたように見えたということだから。20キロ以上の装備を背負ってワイヤーに吊られるのは初めてで、落下後の水位や酸素ボンベ、マスクの角度など細かい点にも注意を払わなければいけなかった」と撮影時の苦労を明かした。

もう一人、危機に瀕したのはグアンティン演じる林義陽だ。一緒に火災現場に入った後輩とはぐれてしまい、火の海に閉じ込められてしまう。火災シーンの撮影に初めて挑んだグアンティンは「本当にずっと火が燃えていて、いつセットが燃え落ちてしまうかわからないほどの状態に感動した。カットという掛け声と同時に、20~30人ものスタッフ全員が走り回り、20分かけて一からセットを作り直すんだ。現場の一人一人が緊張感を持って、各ショットに集中していた」と話した。


アニー演じる徐子伶(シュー・ズーリン)と林義陽のカップル誕生のシーンも、多くの視聴者の心を惹きつけた

「火神的眼涙(原題)」は、5月の毎週土曜夜9時にPTS台湾公共テレビ(公視)とmyVideoで同時放送・配信、同日夜10時と11時にmyVideoと公視+でそれぞれ最新話を公開、日曜夜8時にEBC東森戯劇テレビ(東森戲劇台)、日曜夜10時にTVBS歓楽テレビ(TVBS歡樂台)とTVBSで放送された。


翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。2017年4月より、ラジオ番組「Asian Breeze」では台湾の現地情報を発信するコーナーを担当中。

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