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ライター、編集、字幕翻訳者・新田理恵さんが教えてくれる、おすすめカルチャー×スイーツ【中国編③】

Cinem@rt 10月の特集テーマは「アジアンスイーツ」。ですが、アジアンカルチャーの“好き”を応援するCinem@rtらしく、スイーツとカルチャーを一緒に楽しむ3つの質問を、有識者の方々にしてみました。

Q1「代表的スイーツと一緒に楽しみたい、おすすめカルチャー作品は?」
Q2「代表的スイーツからイメージする人は?」
Q3「最新注目作と一緒に楽しむ、おすすめおやつは?」

どんなスイーツ&カルチャーの出会いがあるでしょうか?

【教えてくれた人】新田理恵さん(ライター、編集、字幕翻訳者)
大学卒業後、北京で経済情報誌の編集部に勤務。帰国後、日中友好関係の団体職員を経てフリーに。映画、ドラマ、女性のライフスタイルなどについて取材・執筆している。


まず…中国編のスイーツ代表は杏仁豆腐

アンズの種の中の白い実“杏仁”をゼラチンや寒天で固めた中国発祥といわれるスイーツ。日本でもおなじみ!


<杏仁豆腐>と一緒に楽しみたい、おすすめカルチャー作品は?


©1993 Tomson Films Co.,Ltd. (Hong Kong)

香港映画『さらば、わが愛/覇王別姫』 (1993)

「杏仁豆腐」というお題をいただいたのですが、実は中国のレストランなどでこれを食べた記憶がなく、日本でも滅多に食べないので「白い」以外のイメージが湧かず。ただ、もともと宮廷で食べられていたデザートで、北京の胡同(フートン)にある老舗デザートのお店で見かけたことがあるので、「北京のおやつといえば」で連想してこの映画を挙げました。無理やりですみません。

代わりと言ってはなんですが、『さらば、わが愛/覇王別姫』に登場するサンザシ飴(冰糖葫芦)を紹介させてください。

中国ドラマにもよく出てくる赤い実のおやつ。「あれ、けっこう大きいけど、硬いの? 柔らかいの? 噛めるの? てか何なの?」と思ったことのある方、多いのではないでしょうか。

サンザシ飴

私は高校時代に『さらば、わが愛』を見て中国語を勉強してみようと思ったのですが、京劇の養成所で暮らす男の子が苦しい稽古に耐えかねて逃げ出し、念願のサンザシ飴を頬張って涙を流すシーンがとにかく印象的で、いつか食べてみたいと思ったものでした。

そして北京に留学(サンザシ飴が目的ではない念のため)。冬になって初めて食べた念願のサンザシ飴は、表面の飴はパリッとひんやり冷たくて、中の実はふわっとしゃくしゃく(水分の少ないリンゴみたいな感じです)。

今では少なくなりましたが、当時は冬になるとあちこちに露店が出ていて、3日に一度くらいのペースで食べていました。あずき餡やクルミを挟んだものなどバリエーションも豊かだったので、ビタミンC補給効果も狙って。

今はフレッシュなものではなく、より飴に近いパック入りのものが日本でもAmazonなどで買えます。お家での映画やドラマ鑑賞のお供に、お茶請けとしていかがでしょう。

だけど、やはり行けることなら中国北方の寒気に晒されて表面が凍ったパリッとしゃくしゃくのサンザシ飴を食べたい。ドラマや映画で見るたびに、そう思います。(新田さん)

『さらば、わが愛/覇王別姫』

ブルーレイ・DVD発売中 【BD】各4,800円+税 【DVD】3,800円+税
発売・販売元: TCエンタテインメント



<杏仁豆腐>からイメージする人は?

チェン・カイコ―(陳凱歌)(映画監督)

完全に<杏仁豆腐>と関係がなくなっていますが、『さらば、わが愛/覇王別姫』つながりです。

若手俳優が演技力を競うバラエティ「演員請就位」で審査員をしてらっしゃるのですが、10月から新シーズンがスタート。日本でも時差はありますがYouTubeのテンセントビデオ(腾讯视频)チャンネルで視聴できます。チェン監督の公開授業のようで面白い。実力ある若手俳優も青田買いできるのでチェックしてみてください。
(新田さん)

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