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スーパーセレブ「西太后」その1|中国時代劇トリビア#35

中国ドラマを観ていて、あれ、これ...なんかちょっと気になる~!?という小さな"なにか"を見つけてしまうことはありませんか? 《中国時代劇トリビア》ではこれから6回にわたり「月に咲く花の如く」を観ていて"ちょっと気になるアレ!"のトリビアをご紹介していきます。

「月に咲く花の如く」を楽しむための、6つのトリビア 

貝勒(ベイレ)様って何者!?
「洋務運動」をわかりやすく解説!
「変法自強」をわかりやすく解説!
商人と京劇
スーパーセレブ 西太后・その1(今回掲載)
スーパーセレブ 西太后・その2

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スーパーセレブ 西太后・その1

「月に咲く花の如く」の西太后「月に咲く花の如く」©HS Entertainment Group Incorporated

西太后は、満州人の貴族エホナラ氏の娘。数え年18歳で妃候補となる秀女に選ばれて後宮に入り、咸豊帝の子(同治帝)を産む。宮廷東に住んでいた皇后が東太后と呼ばれたのに対し、西の建物に住む皇后ということで、西太后と呼ばれた。

咸豊帝が若くして亡くなり、朝廷内で実権を握ろうとした大臣たちを粛清した西太后は、幼い皇帝にかわって皇太后が行う垂簾聴政(女性による摂政政治のこと)を行ない、政治的な権力を手にいれる。中国の近代化を目指す洋務運動を推進する一方、維新となる変法運動には反対し、戊戌の政変で光緒帝を幽閉した。

中国三大悪女として知られる西太后だが、呂后や則天武后との違いは、強い軍事力を誇ることや、戦での勝利といった男性的な支配権力に固執したのではなく、非常に女性的な欲求―夫(皇帝)と長く共に生き、母として子に敬われることや、美味なるものを食べ、贅沢な調度品に囲まれた高い生活水準を求める―が強かったところだとも言われているそう。

ドラマの中で周瑩とは、早くに夫を亡くした嫁という立場と、女手一つで家(国家)を守る運命を背負わされたタフな女主人同士という繋がりを感じさせます。

<その2に続きます>


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<参考文献>
中央新書出版 加藤徹著 「西太后 大清帝国最後の光芒」
山川出版社 深沢秀男著「世界史リブレット人76 西太后 清末動乱期の政治家群像」
主婦の友社出版 阪口珠未著 「西太后のアンチエイジングレシピ」
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Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。『台湾エンタメパラダイス』『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)にて執筆記事掲載中。

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