≪こじらせ男女≫が織りなす17年間の物語『君を愛した時間』
「友達以上恋人未満」という言葉はよく耳にしますが、このドラマ『君を愛した時間』は、そこにこじらせという要素が入って究極の恋人未満ラブストーリーに仕上がっています。
ストーリーは、17歳の同級生ハナ(ハ・ジウォン)とウォン(イ・ジヌク)の17年間の愛の物語。高校も一緒で家もお隣同士。ケンカもするけど親友のハナとウォンは、誰よりもお互いをよく理解しているかけがえの存在。17歳のある日、ウォンはある事件をきっかけに、ハナに「おまえを好きになることはない」と言い放つのでした。その言葉が、この二人を、究極の「友達以上恋人未満」に閉じ込めてしまいます。
と、ここまでは、よくあるラブストーリーかもしれませんが、ポイントはこじらせです。
この二人のこじらせっぷりは相当なもので、周りを巻き込み、大迷惑なハナとウォン。どちらかに恋人ができても、その恋人よりも、ハナはウォンを、ウォンはハナを優先し大切に気遣い、恋人は二の次に格下げ状態。ここでお決まりのセリフが登場します、「どっちが大事なの!? 」。当然、恋人関係も悪くなり、すぐお別れしてしまいます。
周りからも付き合えばいいのにと言われるけれど、高校生のときにウォンがハナに言った「おまえを好きになることはない」という言葉で、お互いに気持ちに自然とブレーキがかかってしまうのでした。
時は流れて、17年後。二人は34歳。ここからがこのドラマのメインストーリーとなります。過去の回想シーンを織り まぜ、大人の"こじらせ男女"の恋愛模様を16話で一気に見せてくれます。
大人になってもこじらせっぷりは健在です。好きなら好きでいいのでは? 考えすぎでは? と、テレビのこちら側から声をかけたくなるほど。一歩踏み出せばいいのに! とヤキモキしていると、ウォンが......。(ネタバレ防ぎますw)
韓国ドラマにはめずらしく、このドラマは、日常を描いています。ここ数年で少しずつ増えてきていますが、日常を描くドラマは、まだまだ少ないジャンルです。マクチャン(泥沼)や、財閥や身分の違い、復讐、記憶喪失、などが盛り込まれているドラマが多い中、見ていてとても新鮮でした。
その主役を演じるのは、トップ俳優の、ハ・ジウォンとイ・ジヌク! ふたりとも 、綺麗&かっこいい上に演技派ですよね~。
ハ・ジウォンは、これまで、時代劇や、強い女性、また男性と中身が入れ替わったりという、どちらかというと凛々しい役が多かったのですが、ガラッとイメージを変えて、キャリアウーマンだけど可愛らしい普通の女性を演じています。最初は、この役柄とハ・ジウォンとがなかなか私の中でかみ合いませんでしたが 、そこは演技派! 新しいハ・ジウォンを発見しました。
男性主人公を演じるイ・ジヌクは、ラブコメはもちろん、難しい役柄も演じてきています。特に印象深いのは韓国tvNドラマ『ロマンスが必要2』。このドラマでも、影のある役を演じており、ラブコメですが切ないシーンも多く、彼の演技でよく泣きました。また、他の俳優さんとちょっと違って、イ・ジヌクは、主役もはれるし、助演もうまい。彼が助演でも、彼の存在感は薄まらないまま、ドラマではきちっと助演が成り立っている、そんな貴重な役者さんだと思います。
そして、 このドラマは、OSTにもご注目を! なんと、あの演技ドルの代表、ガールズグループmiss Aのスジがこのドラマの主題歌を歌っているのです! ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、スジは、韓国のオーディション番組「スーパースターK」出身で、歌がとてもうまい! miss Aではメインボーカルを担当しているのです。スジだけではありません! トップアイドルグループSUPER JUNIORのキュヒョンもこのドラマのOSTに参加しており、とてもせつないバラードを歌っています。
韓国SBSドラマ『君を愛した時間』は、ややこしいこじらせ男女による究極の恋人未満のラブストーリーです。ぜひご覧ください!
筆者:坂巻亜弥子
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