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「台湾文化センター 台湾映画上映会2024」開催決定

「台湾映画上映会2024」ポスタービジュアル 

この度、2024年5月から10月まで全7回の連続上映企画「台湾文化センター 台湾映画上映会2024」が、台北駐日経済文化代表処台湾文化センターにて開催されることが決定。

本上映会では、日本初上映となる6作品、大阪アジアン映画祭で上映され東京プレミア上映となる1作品の、合計7作品が上映される。上映とあわせ、監督や多彩なゲストによるトークイベントも開催、台湾社会や文化への理解を深め、新しい台湾映画を発見し、台湾の魅力を紹介する。

「台湾文化センター 台湾映画上映会」(以下、台湾映画上映会)は、2016年より台北駐日経済文化代表処台湾文化センター(以下、台湾文化センター)が開催する、台湾の今を描いた名作、意欲作を紹介する人気上映会。本年度より、キュレーターに映画監督のリム・カーワイ(林家威)を迎え、台湾文化センター、Cinema Drifters、大福が主催となり、リニューアルし開催する運びとなった。

華語圏の文化・社会に対する理解の促進と、言語習得の意欲向上を目的に活動し、華語圏の映画の話題作の上映イベントを開催する「慶應義塾大学日吉電影節」と、上映会・トークセッションを通して、世界諸地域の社会・歴史・文化などの理解を深めることを目的とした、東京外語大学のプロジェクト「東京外国語大学TUFS Cinema」との連携企画も実施される。

台湾文化省による台湾文化コンテンツの産業化の支援等もあり、近年の台湾映像産業は世界的な盛り上がりを見せている。『台湾映画上映会2024』は、台湾アカデミー賞(金馬奨)や海外映画祭を席捲した話題作から、人気スターが出演するエンタメ作品、骨太なドキュメンタリー映画、幅広いラインナップになっている。また新作映画だけではなく、旧作のデジタルリマスター版も取り入れることで、台湾映画が培ってきた多様で豊潤な土壌を提示する。

金魚の記憶になぞらえ、3人の男女がパラレルワールドで織りなす愛の物語をスタイリッシュな映像で描いた『金魚の記憶』は、『台北セブンラブ』のチェン・ホンイー監督の最新作。14歳の少年と少女が、寂れた海辺の町を捨てるために大人たちの醜い世界に足を踏み入れてしまう、痛ましい青春を描いた『少年と少女』は、台湾アカデミー賞といわれる金馬奨や釜山国際映画祭を席捲した注目作だ。ジャン・フーホア監督自身が書いた大人気ネット小説を映画化した『ミルクティーを待ちながら』、『赤い糸 輪廻のひみつ』のビビアン・ソンや、香港の人気グループMIRRORのギョン・トウが出演で話題のNYを舞台にした『ニューヨーク協奏曲』は、ファン待望の上映になる。

出稼ぎ労働者のベトナム人青年が、警官が撃った9発の銃弾により死亡した事件を追ったドキュメンタリー映画『9発の銃弾』は、金馬奨ドキュメンタリー映画賞を受賞した注目作。本上映会で唯一のデジタルリマスター版上映となる『逃亡者狂騒曲 デジタルリマスター版』は、世紀末の虚無感を荒々しく実験的なスタイルで捉え、1997年にベルリン国際映画祭に選出されるも公開数日で打ち切りになった“伝説の映画”。台湾では26年ぶりに“再発見”され大きな話題となった。

大阪アジアン映画祭で話題となった、妻の遺体を冷凍庫で保存しようとする夫と、その家族の姿を16㎜フィルムの美しい映像で綴った『春行』が東京プレミア上映となる。

開催決定に伴い、台湾文化センターの王淑芳センター長、本上映会キュレーターで映画監督のリム・カーワイより、『台湾映画上映会2024』開催に寄せるコメントが到着。

5月15日(水)慶應義塾大学では『金魚の記憶』チェン・ホンイー監督と小川紗良さん(文筆家・映像作家・俳優)のトークイベントが、7月21日(日)東京外国語大学では『少年と少女』シュウ・リーダ監督と三澤真美恵先生(台湾映画史研究)のトークイベントを開催。台湾文化センターでは、監督のオンライントークや、多彩なゲストを招いてのトークイベントを予定している。
(台湾文化センターのトークイベント詳細については、後日HPにて発表。)



台湾文化センターの王淑芳センター長、リム・カーワイ監督のコメント

王淑芳(おう しゅくほう)氏 (台北駐日経済文化代表処台湾文化センター長)
台湾と日本は互いに助けを必要とするとき、いつも家族や親族のように手を取り合って難関を乗り越えてきた。台湾と日本の友好の絆がこれからも強まり、文化・芸術を含む各分野での交流がさらに活発になることを望む。
台湾は地理的、歴史的な背景から、多様で深みのある文化を生み出し、独自の表現を形作っている。その中でも、台湾の映画作品は創作エネルギーが絶えることなく、台湾というこの島の多様な文化や生命力を表すものだ。
今年の台湾映画上映会は近年台湾で話題の作品をセレクトし、台湾文化の名刺として日本の観客により深く理解していただけることを期待している。今後、さらに多くの台湾映画作品が日本での劇場公開上映し、輝きを放つことを期待する。


リム・カーワイ氏(『台湾文化センター 台湾映画上映会2024』キュレーター、映画監督)
台湾映画の魅力とはなにか。
中華圏の映画の中でも他とは違うなにかがあり、日本の文化や流行の影響も強く受けながらも、日本映画ともまったく違うなにかがある。その“なにかが違う”ものこそ、台湾映画の最大の魅力でもあるが、それを具体的に説明するのはなかなか難しい。監督の演出や美学、俳優の芝居、物語の構成のすばらしさというだけでは語れない魅力があるのだ。
今回、『台湾映画上映会2024』のキュレーターに就任し、近年の台湾映画をまとめて観る機会を得た。そして多くの台湾映画を観て、台湾映画の魅力とは、おそらく台湾の風土と人情、歴史と深く関係していることを強く感じた。
本上映会では、”幻の映画”とも言われ26年ぶりに再発見された『逃亡者狂騒曲 デジタルリマスター版』から、現在台湾で絶賛公開中の最新作映画『金魚の記憶』まで、全7作品を上映する。多くの方に台湾映画を楽しみながら、”台湾映画の魅力”を発見してもらえることを願っている。


台湾文化センター 台湾映画上映会2024 開催概要

名称:台湾文化センター 台湾映画上映会2024
期間:2024年5月~10月(全7回)
会場:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター/慶應義塾大学/東京外国語大学

主催:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター/Cinema Drifters/大福
共催:慶應義塾大学日吉電影節/東京外国語大学TUFS Cinema
協力:大阪アジアン映画祭
宣伝デザイン:100KG

≪台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター≫
公式サイト:https://jp.taiwan.culture.tw



台湾文化センター 台湾映画上映会2024 参加方法

参加無料、事前申し込み制
各回の申し込みは、Peatixにて先着順にて受付。
≪Peatix≫ https://taiwanculture.peatix.com/

『少年と少女』のお申込みについては、東京外国語大学TUFS CinemaのHPをご確認ください。
≪東京外国語大学TUFS Cinema≫ https://www.tufs.ac.jp/tufscinema/

※ゲスト・イベント内容は予告なく変更となる場合がございます。ご了承ください。
※各回の申し込み開始日等については、文化センターHPにてお知らせいたします。
※東京外国語大学での開催の回については、東京外国語大学TUFS Cinema のHPをご参照ください。


台湾文化センター 台湾映画上映会2024 上映作品

『金魚の記憶』

『金魚の記憶』の場面写真
©️紅色制作所 Red Society Films

2023年/117分/台湾  原題:(真)新的一天/英題:Fish Memories
監督:チェン・ホンイー(陳宏一)/『台北セブンラブ(原題:相愛的七種設計)』等
出演:リー・ミンジョン(李銘忠)、ハンク・ワン(王碩瀚)、ホン・チアン(虹茜)、チウ・ズーユー(邱志宇) 
◆2023台湾金馬奨 最優秀撮影賞受賞

『台北セブンラブ』のチェン・ホンイー監督の最新作。2024年3月に台湾で劇場公開され、早くも映画評論家や映画ファンたちの間で「チェン監督の最高傑作」と話題になっている。長年、チェン監督とタッグを組み、中華圏の商業映画でも活躍しているカメラマンのユー・ジンピン(余靜萍)は、本作で女性では初の金馬奨最優秀撮影賞を受賞した。
水槽の中で揺らめく金魚。若いカップルと中年の男。パラレルワールドの中で、彼らの人生が交差し絡み合っていく。しかし不条理で放蕩な日々は、一瞬の出来事により一変する。人生の不条理と都会の虚無をスタイリッシュな映像美とサスペンスフルな語りで描いた話題作!



『春行』

『春行』の場面写真
©️都是今日影像藝術

2023年/93分/台湾  原題:春行/英題:A JOURNEY IN SPRING
監督:ポン・ツーホイ(彭紫恵)、ワン・ピンウェン(王品文)
出演: ジェイソン・キング(喜翔)、ヤン・グイメイ(楊貴媚)
◆2023サン・セバスティアン国際映画祭 最優秀監督賞受賞
◆大阪アジアン映画祭2024
◆2024香港国際映画祭 批評家連盟賞、最優秀男優賞受賞

台湾の郊外に暮らす熟年夫婦。妻の突然の死を受け入れられない夫は、遺体を冷凍庫で保存しようとする。その家族の姿を16㎜フィルムの美しい映像で綴った本作は、ポン・ツーホイとワン・ピンウェンによる共同監督作品。
本作は新人監督による低予算のインディペンデント映画だが、世界4大映画祭のひとつ、サン・セバスティアン国際映画祭2023にて最優秀監督賞を受賞し、近年盛り上がりをみせる“台湾映画の力”を世界的な映画祭において改めて証明した。日本では、2024年3月に大阪アジアン映画祭にてプレミア上映され、大きな注目を集めた。『台湾映画上映会2024』にて東京初上映となる。



『逃亡者狂騒曲 デジタルリマスター版』

『逃亡者狂騒曲 デジタルリマスター版』の場面写真
©️FOUNTAIN FILMS CO. All Rights Reserved.

1997年/83分/台湾  原題:給逃亡者的恰恰/英題:A Cha-Cha for the Fugitive
監督:ワン・チャイシアン (王財祥)
出演:チェン・ホンレン(陳訇任)、ルー・シンユー(鹿心雨)、チェン・ジェイー(陳介一)、ホー・ジョンシアン(何宗憲)
◆1997ベルリン国際映画祭フォーラム部門
◆1997アジア太平洋映画祭 最優秀撮影賞、編集賞、音響効果賞

台北に住む若いダンサーは、ニューヨークでダンサーになることを夢見ている。ある日、猟奇殺人を目撃してしまったことで、彼は犯人から追われる立場になってしまう。
烏龍茶の広告でも有名なワン・チャイシアン監督。実験的なスタイル、大胆で分裂的な映像言語を用いて、90年代の「台湾ニューシネマ」とまったく違うアプローチで台湾社会と若い世代を捉え、1997年に時代を先取りした映画『逃亡者狂騒曲』を完成させた。ベルリン国際映画祭に出品されたにも関わらず、台湾では公開されてすぐに打ち切られてしまい、ごく限られた人しか観ることはなかった。2023年、“伝説の映画”として再公開され、映画ファンに大きな衝撃を与えた。26年の時を経て、時代が『逃亡者狂騒曲』に追いついたのだ。



『少年と少女』

『少年と少女』の場面写真
©️Rise Productions Co., Ltd.

2023年/140分/台湾  原題:少男少女/英題:A BOY AND A GIRL
監督:シュウ・リーダ(許立達)
出演:トラヴィス・フー(胡語恆)、イン・チエンレイ(尹茜蕾)、クアン・チン(管罄)、リー・ミンジョン(李銘忠)
◆2023台湾金馬奨 新人俳優賞、音響効果賞
◆2023釜山国際映画祭

寂れた海辺の小さな町で、無気力な14歳の少年は傷心の少女と出会う。少女とフットボールのコーチとの秘密の関係を知り、この町から出たくてたまらなかった少年は、少女にコーチから金をせしめる計画を持ちかける。だがこの素朴な計画は失敗した。しかしすべてから逃げ出すために、ふたりはある方法で金を稼ぐことを思いつき、大人たちの醜い世界に踏み込んでいく…。
青少年の教育や家庭の再構築などの問題に焦点を当ててきた、シュウ・リーダ監督の初長篇作品。主演のふたりは演技未経験であったが、トラヴィス・フーは金馬奨新人俳優賞にノミネートされた。



『ミルクティーを待ちながら』

『ミルクティーを待ちながら』の場面写真
©️Mandarin Vision Co., Ltd.

2021年/114分/台湾  原題:一杯熱奶茶的等待/英題:Waiting For My Cup of Tea
監督:ジャン・フーホア(詹馥華) 
出演:サイモン・リアン(連晨翔)、エレン・ウー(吳子霏)、アレックス チョウ(周予天)、ジェイク・スー(徐鈞浩)
◆アジアン・ポップアップ・シネマ映画祭
◆Asian Cinerama by Asian Film Awards

バレンタインデーの寒い夜、見知らぬ2人が熱いミルクティーを飲みながら出会い、思いがけないラブストーリーが展開する。
原作は累計100万部を突破し、2年連続でベストセラーランキング第一位となった大人気インターネット小説。原作者でもあるジャン・フーホア監督によって映画化された本作は、台湾新世代アイドルのサイモン・リアン、エレン・ウー、アレックス チョウ等の共演で話題になった。ジャン監督は映画化にあたり、ロマンチックな恋愛と青春だけではなく、家族と友情、喪失と別れを真摯に描き、深い感動を呼んだ。



『ニューヨーク協奏曲』

『ニューヨーク協奏曲』の場面写真
©️Rumble Picture Co.,Ltd. Man Man Er Co.,Ltd. Taiwan Creative Content Agency.Taipei Film Commission.

2023年/120分/台湾  原題:我的天堂城市/英題:My Heavenly City
監督:ユー・シェンイー(俞聖儀)
出演:ビビアン・ソン(宋芸樺)、ギョン・トウ(姜濤)、ジャック・ヤオ(姚淳耀)、マンディ・ウェイ(魏蔓)
◆2023ハワイ国際映画祭
◆2023 NETPAC

ニューヨークに暮らす3組の台湾人たちを描いた、オムニバス映画。最初の物語は、ニューヨークに残るか、故郷に帰るかを悩む、通訳の女性の物語。2つ目の物語は、夢と現実の狭間で悩む2人の若いヒップホップダンサーの物語。3つ目の物語は、ニューヨークに移住し、心を病んだ息子との生活に苦悩する中年夫婦の物語。
監督のユー・シェンイーは、ニューヨーク在住の台湾人で、本作が長編デビュー作となる。『赤い糸 輪廻のひみつ』のビビアン・ソンや、香港の人気グループMIRRORのギョン・トウが出演した話題作で、2023年に香港で公開されるとロングランとなり、興行的にも大成功をおさめた話題作。



『9発の銃弾』

『9発の銃弾』の場面写真
©️2022 Twinflows Production

2022年/90分/台湾  原題:九槍/英題:And Miles to Go Before I Sleep
監督:ツァイ・チョンロン(蔡崇隆)
◆2023台湾金馬奨 最優秀ドキュメンタリー賞受賞
◆2023台北フィルムフェスティバル 最優秀ドキュメンタリー賞、最優秀監督賞
◆2023マカオ国際ドキュメンタリー映画祭

出稼ぎ労働者のベトナム人青年が、警官が撃った9発の銃弾により死亡した。彼を殺したのは9発の銃弾だけなのか。実際の事件映像やインタビューを交え、真実に迫っていく。
ツァイ・チョンロン監督は、台湾の出稼ぎ労働者の現状と台湾社会の歪みを如実に伝えた本作で、2022年金馬奨で最優秀ドキュメンタリー映画を受賞した。
台湾社会の現実とともに、移民問題、社会の構造により起こる犯罪など、現代社会における普遍的なテーマを浮かび上がらせ、日本にとっても他人事ではない社会問題を考えることができる。しかし本作は、そうした社会問題を問いかけるだけではなく、善良な心を持つ人間になるにはどうすべきなのかを観客に力強く訴えている。



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