「VBLシリーズ」4部作、皆さんもうご覧になりましたかー？

第1部「Stay By My Side」を皮切りに、昨年7月から順次配信されてきた同シリーズですが、先日第4部「AntiReset」の最終話がついに配信されました。

そこで改めて、作品ごとに全く違うカラーと最強ケミが楽しめるVBLシリーズを振り返ると、OST（オリジナル・サウンド・トラック）もかなり良いことに気付かされます。まさに良作に良OSTあり。ドラマ用に書き下ろされた曲も多く、内容とのシンクロ率も抜群。ということで、今回はVBLシリーズ4作品のOSTを全3回＋おまけつきでご紹介したいと思います。

キャスト自ら主題歌を担当

自身の出演作でそれぞれ主題歌（オープニング）を担当したのは、「Stay By My Side」のホン・ウェイジョー（洪暐哲）と、「AntiReset」のウー・ピンチェン（呉秉宸）。毎話冒頭から主人公の歌声で作品世界にいざなってもらえるなんて、ファン垂涎のハッピーセットでは？　二人のファンサ精神に敬意を込めて、グッジョブ！と言わせていただきたい。

ホン・ウェイジョーが歌う「ニュートンとリンゴ（牛頓與蘋果）」は、弾むようなメロディーラインに甘く透き通ったハイトーンボイスがぴったりで、「Stay By My Side」全体のイメージと彼が演じる顧歩夏（グー･ブーシア）のキャラクターを余すところなく伝えています。本業が歌手であるホン・ウェイジョーの魅力は、この主題歌とセットで味わうのが最適解。韓国で練習生として研鑽を積み、大学では舞踊を専攻した高いダンススキルの持ち主もあるので、今後はダンサブルな楽曲も見せてほしいですね 。

◆「ニュートンとリンゴ（牛頓與蘋果）」ホン・ウェイジョー

一方、ウー・ピンチェンが歌う「君だ（是你）」は、彼が演じる褚一平（チュー・イーピン）がホアン・リーフォン（黃禮豐）演じるAIロボット恒９（ホンジウ）に対する心情がつづられており、作詞・作曲からジャケット画像まで本人自らアレンジしたという渾身の作品。クールな言動で武装した褚一平の繊細な内面を表現するのに、ウー・ピンチェンの少しアンニュイでメロウな歌声がぴたりとハマっています。ちなみに「恒９」は永遠を表す「恒久」と同じ発音。歌詞の中の「永遠にずっと」は当然恒９にかけたもので、華語らしい表現にニヤッとさせられます。台湾の最高学府、台大卒でありながら専攻とは全く違う芸能界に飛び込んだウー・ピンチェン。まだ芸歴こそ浅いですが、俳優だけでなくシンガー・ソングライターとしての今後にも期待できそうです。

◆「君だ（是你）」ウー・ピンチェン

歌手といえば、余談ながら「You Are Mine」のマオ・チーション（毛祁生）も過去に巴巴烙の名でソロEPをリリースしていますが、最近は俳優に軸足を置いているためか、今回担当した楽曲がなかったのは少々残念な気もします。

<＃２「VBLのOST二大巨頭は、期待の次世代シンガー」につづきます>

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Text：二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年５月、張克柔（字幕翻訳家・通訳者）との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前　台湾華語リーディング』（三修社）を上梓。

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