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インタビュー|『青春の反抗』スー・イーシュエン(蘇奕瑄)監督 “この事件を今見ても、今の学生の心には響くものがある”

台湾で実際に起きた学生運動を基にした社会派青春映画『青春の反抗』が、2024年3月8日(金)よりシネマート新宿他にて全国順次公開。この度、スー・イーシュエン監督のインタビューが到着した。


 スー・イーシュエン監督
スー・イーシュエン監督

—— 1994 年の学生運動を、なぜ今映画化されたのでしょうか?

スー・イーシュエン監督 一番の理由は、2015 年にドキュメンタリーを制作していて、学生運動の映像な どを調べていたときに目にしたためです。そのうちの1 本が、創造の自由を求めて学校で34 日間のストライキを行った美術学生たちの映像でした。これは台湾史上最⾧のストライキなのですが、実はこの中国文化大学の草山運動(別名:中国文化大学美術学科事件)は学生が中心で、当時はあまり情報が出回っていなかったので知らない人が多いのです。「野百合(学生運動)」などの方が知られているかもしれませんが、それよりもこの学生運動に私が惹かれたのは、先ほど話した創造の自由という、より個人に関わるものだったという点です。

90 年代は、台湾の戒厳令が解かれた直後ということもあり、まだ政治的な要求のためのものが多く、特定の制度の廃止や政府の規制に対する抗議が中心でした。ですから、この運動は、逆に個人のための闘いという意味合いが強く、作り手である私にとっては、より身近な事件だと思います。そして、30 年経った 今でも、学生たちが創造の自由を求めて闘う、自分の意見を表明したいという欲求や、あるいは前の世代との考えや違いを表現したいと思う、そういった隔たりも、常に存在していると思います。ですので、この事件を今見ても、今の学生の心には響くものがあると思います。

『青春の反抗』場面写真1
©2023 SUZ CREATIVE STUDIO ALL RIGHTS RESERVED.

—— 影響を受けた映画監督はいらっしゃいますか?

スー・イーシュエン監督 アジアならイ・チャンドン監督と是枝裕和監督が好きです。イ・チャンドン監督の作品は、社会的な側面を描いたものが多く、歴史的、文化的な背景の中で、異なるコミュニティに属する人々や社会的に弱い立場の人々も含め、優しいまなざしで世界を見ています。是枝裕和監督は、どのシーンも現実に起こっていそうで、登場するすべての人々のやりとりがリアルに感じられるところがとても好きです。映画に現実感を出すのは非常に難しいと思うので、監督はドキュメンタリー出身の方なのかもしれませんね。

『青春の反抗』場面写真2
©2023 SUZ CREATIVE STUDIO ALL RIGHTS RESERVED.



『青春の反抗』
2024 年3 月8 日(金)よりシネ マート新宿ほか全国順次公開

2023 年/台湾/カラー/スタンダード/5.1ch/114 分/中国語/原題:青春並不溫柔/日本語字幕:樋口裕子/字幕協力: 東京国際映画祭/配給:ライツキューブ
©2023 SUZ CREATIVE STUDIO ALL RIGHTS RESERVED.
https://seishun-no-hanko.com/

提供:ライツキューブ

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