インタビュー|『梟ーフクロウー』アン・テジン監督 “主人公が受けた感覚を観客にも感じて欲しい”
韓国年間最長No.1記録を樹立した、史実に残された最大の謎に迫る、<全感覚麻痺>サスペンス・スリラー『梟ーフクロウー』(以下、『梟』)が、2月9日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー。この度、アン・テジン監督に本作について話を聞いた。
アン・テジン監督
――アン・テジン監督は、本作『梟ーフクロウー』(以下、『梟』)で脚本も担当されていますが、この物語を発想したきっかけは何だったのでしょうか?
アン・テジン監督(以下、アン監督) これからご覧になる方のために詳細は伏せますが、最初のきっかけは、とある病にかかっている主人公が宮廷に入り何かを目撃する物語、という提案を受けたことでした。それは初めて知った病だったのですが、非常に興味深いと感じましたし、その主人公は目撃者スリラーというジャンルに非常に適していると思ったからです。
――物語が進むにつれ緊張感がどんどん高まり、最後まで目が離せませんでした。この高い緊張感を生み出すために、演出で重視されたことは?
アン監督 主人公の視点を追っていくこと、そこに気を付けながら演出しました。視覚障害者の主人公がある真実を目撃しますが、その真実を見たことで別の真実も見てしまう。その中で主人公は、緊張や絶望を感じ、悩みもします。その過程を、観客も主人公と一緒に感じて欲しいと思ったんです。なので、主人公の視点を追う、ということを大切にしました。
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――真夜中の暗いシーンと昼間の明るいシーンの対比も、とても印象的でした。
アン監督 『梟』は設定上、明かりが消えた後も観客に状況をしっかり見せないといけません。なので、照明監督が本当に苦労していて、撮影に入る前に新しい機材をたくさん買い込んでいました。なので、この作品は最新の照明機材を使い、時間をかけてライティングして撮った作品と言えますね。明るいシーンに関しては、普通は明るくなると安心を感じますよね。でも、この作品は明るくなることで一層恐怖が高まるシーンがあるので、明るくても恐怖を演出できるように気を配りました。
――視覚に加えて、音の演出でも緊張や恐怖を生み出していたように思います。
アン監督 主人公が視覚障害者なので、視覚的な部分と同じく、聴覚の部分も際立たせたいと思ったんです。つまり、主人公が感じている視覚と聴覚を、観客も同じように感じて欲しい。そんな理由でサウンドデザインに気を配りました。
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――最後に、日本の観客にメッセージをお願い致します。
アン監督 私が最後に日本を訪れたのは1990年代でした。日本では映画館で映画をたくさん観たのですが、日本の映画館はサウンドが凄い、と驚いたことを覚えています。かなり時間が経ってしまいましたが、その間に日本の映画館の環境はどのように変わったのかが気になります。そして、日本の皆さんがどのように『梟』をご覧になるのかも、とても気になっています。どうか『梟』を楽しんでご覧いただけたらと思っています。
2月9日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー
監督:アン・テジン
出演:リュ・ジュンヨル、ユ・ヘジン
2022年/韓国/118分/原題:올빼미/英題:THE NIGHT OWL/日本語字幕:根本理恵/G/配給:ショウゲート
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公式HP: https://fukurou-movie.com/
公式X:@showgate_youga
聞き手・記事制作:Cinemart編集部
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