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「流星ロマンス」見どころコラム キュン活&涙活におススメ!あらゆる感情をゆさぶるヒーリングロマンス

今、ドラマはハイスピード&フルパワー時代だ。めまぐるしく状況が変わり、たたみ掛けるように事件が起き、謎解きに夢中にさせ、ロマンスかと思ったら復讐が、シリアスかと思えばブラックなユーモアが……と、ちょっと忙しい。よそ見厳禁である。加えて、強烈なキャラクターが躍動する。もちろんそれはそれで刺激的で面白い。一方で、心がざわつき、疲れを感じることもある。

そんなときに俄然見たくなるのが、最近、ぐっと身近になった中国ドラマだ。成功を夢みて地方から出てきたヒロインと、やたら仕事ができる上司が恋に落ちる胸キュンラブストーリー。イケメンは正義! 恋愛不器用なくせに、男主人公のキスがやたらとうまくないか? お邪魔虫の存在はいずこの世界も同じだな……と、おとぎ話的決まり事がつまった「THE 中華ラブコメ」を堪能して、乾いた心にときめきをフルチャージしている。


胸キュン以上に涙もポロリ!「パラレルワールド」で描かれるリアルドラマ

そんなふうに見始めた「流星ロマンス」なのだが、裏切られた!(いい意味で)。胸キュン以上にジーン&涙もポロリ。なぞの沼落ちだ。まず、意表をつかれたのが、完全にノスタルジックな平和な世界&時代に逆行するかのごとしノーマルスピード感(とはいえ小さな事件は目白押し)。パラレルワールドを描くファンタジー作品でありながら、そのことを忘れてしまうリアルなサイズのエピソードたち。甘々ロマンスもほかに比べたらぐっと控えめ。誤解をおそれずにいえば、いまどきの旬な作品に比べて「なにかと逆」。なにせ舞台だって、大都会とはうってかわった、川も凍るほど寒い冬の地方都市なのだから。

「流星ロマンス」場面写真1
©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

「策略ロマンス」チャオ・シン&「タマシイ・トレード!」マー・スーチャオが魅せる真逆キャラの凸凹カップル!

主人公は顧客重視のインテリアデザイナーのチェン・ダーチエン。別れたばかりの元カレの浮気相手が自分の上司と判明した 29 歳の誕生日。絶交宣言していた幼なじみの 1 人、ムー・ズーリーに思いがけず愛の告白を受けて濃密な夜を過ごした直後、ひとり故郷・白河(バイホー)へと向かう。ところが、久しぶりの実家には、亡くなった父と、離婚後は疎遠になっていた母が一緒に暮らしており、件のズーリーは交通事故に遭って記憶喪失中で、甘い夜の記憶などまるでない。やがて自分が、周囲のシチュエーションがちょっとずつ違うパラレルワールドに迷い込んだことに気づいたダーチエンはもとの世界に戻る日まで、家族の幸せのため、ひと肌脱ごうとするのだが……。

「流星ロマンス」場面写真2
©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

ヒロインのダーチエンを演じるのは「策略ロマンス〜謎解きの鍵は運命の恋〜」で、自分の人生は自分の手で決めたいと奮闘するヒロインをチャーミングに演じたチャオ・シン。今作品でも、かなりの無鉄砲だが、大切な人たちのために心を砕き、頑張る姿がよく似合う。その運命の相手ズーリー役には、「タマシイ・トレード!」で女性の魂と入れ替わった不良御曹司を好演したマー・スーチャオ。事業に失敗して実家に居候中のニート男子は、圧倒的に体力がなく、すぐ逃げ出すくせがあり……と、おおよそロマンスものの主人公らしからぬ人物。だが、元来の頭の良さを飄々と発揮する場面もあり、どこか憎めない。威勢のいいダーチエンと穏やかズーリーの凸凹ぶりがなんともほほえましく、遅々として進まない関係をやきもきしながら見守るはめになった。

「流星ロマンス」チャオ・シン
©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

家族の再生に元気づけられ、ときめきチャージとは一味違う明日への活力を充電!

どのキャラクターも血が通っているのもポイント高い。戻ってきた地元でダーチエンに求婚しようと心に決めているイエン・ジュンゾー(演じるのは『月光変奏曲〜君とつくる恋愛小説〜』のイエ・シアオウェイ)、罪を犯して故郷に戻ってきたミー・ランら、「失敗」や「負い目」を経験しながら、故郷に舞い戻った幼なじみたち。彼らにとっては“性格が変わった”ダーチエンと、互いを気遣いながら再び友情を深めていく姿にじーん。それぞれが抱えるわだかまりを乗り越えて、新たな1歩を踏み出す姿にも心が動かされた。一方、一攫千金ばかりを夢見るぐうたら男のダーチエン父、そんな夫への我慢も限界のダーチエン母、やたらと面倒見のいいズーリー父や、絶賛反抗期のズーリー弟……と、誤解や葛藤を抱えた家族のエピソードはどれも、我が家の、友人の、近所の誰かの話のような等身大サイズ。だからこそ、彼らの選択、発するセリフにハッとさせられる。

「流星ロマンス」場面写真3
©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

気づけば、白河の人々に何か起こるたびに、「自分勝手な感情で、大切な人を傷つけたことはなかっただろうか」「私、いま、がんばれているかな」「あの人は元気かしら」などと、家族のこと、思い出の引き出しのなかにいる人たちのことを思い浮かべるように。避けられない別れに涙し、家族の再生に元気づけられ、いつものときめきチャージとは一味違う、明日への活力を充電させてもらっている。

「流星ロマンス」チャオ・シン2
©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

と、基本的にヒーリング要素満載なのだが、それだけでは終わらないのが本作品。ここで思い出してほしい。ダーチエンには帰る世界があることを!実は驚きの仕掛けがあり(改めて見直すとちゃんと序盤からヒントは潜んでいる!)、終盤、運命のロマンスがいきなり加速していく。

ほっとして、はっとして、じーんとしているとき、絶妙のタイミングで訪れる衝撃事実!パラレルワールドおそるべし! どうするダーチエン!?

時空を超えてやってきたヒロインに迫る決断のとき――。ときめきと切なさ、優しさと苦悩、一瞬一瞬をお見逃しなく!キュン活&涙活にもおすすめだ。

文:杉本真理(アジアエンタメ編集者&ライター)

「流星ロマンス」
「流星ロマンス」キービジュアル
【U-NEXT にて独占先行配信中】
URL:https://video.unext.jp/

【DVD リリース】
●2023年9月6日(水) DVD-SET1 & レンタル DVD Vol.1~6 リリース
 セル:GNBF-5819/第1話~第12話 DVD6枚/本編約540分/16,500円(税抜15,000円)
●2023 年 10 月 6 日(金) レンタル DVD Vol.7~12 リリース
 セル:GNBF-5820/第13話~第24話 DVD6枚/本編約540分+特典映像約10分(本国版予告 編集・MV 集)/16,500 円(税抜 15,000 円)
[セル・レンタル共通仕様] カラー/16:9 HD サイズ/音声:中国語 2ch ステレオ ドルビーデジタル/字幕:日本語 [セル共通封入特典] リーフレット(4P)

原 題:在你的冬夜里閃耀/製作:2022年/中国/全24話/
発 売・販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
公式サイト:https://kandera.jp/sp/ryuusei/ トレーラー:https://youtu.be/NIrqVLUc4B8
©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited
※発売日、仕様は都合により予告なく変更する場合がございます。

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