【最新映画in台湾】台北の二大事故物件がモチーフ、オカルト映画『蝴蝶大廈(原題)』がクランクイン会見
ニュース提供元:齊石傳播
松露文創
3月21日、新作オカルト映画『蝴蝶大廈(原題)』のクランクイン記者会見が行われ、監督のチエン・レンハオ(錢人豪)をはじめメインキャストのイン・シン(尹馨)、ツァオ・ヨウニン(曹佑寧)、スタンリー・フォン(馮淬帆)、バイ・ルンイン(白潤音)らが出席した。
同作の舞台となる蝴蝶大廈(バタフライ・マンション)は、火災などで36年間に25人の命が失われた錦新大樓と、飛び降りの巻き添え事故で死者を出した林森観光大樓など、台北の事故物件をモチーフとしている。制作チームは500坪の撮影スタジオに台湾のマンションの内装を復元。全体的に古さと奇異さを漂わせ、湿った空気がべたつくような雰囲気までリアルに再現した。撮影前には思いつく限りのお祓いの儀式を済ませたという。
松露文創
オカルト系が苦手なイン・シンは、監督のメールを受け取ってから、数日間読まずに放置していたという。しかし、いざ脚本を見たらその内容に強く引かれ、「初めてこれほど濃厚なオカルト作品の脚本を読みました。マンションの片隅に住む登場人物が立体的に描かれていて、最後のどんでん返しの後にクライマックスを迎えます」と、初のオカルト作品を引き受けた理由を説明した。また実生活では子どものいないイン・シンだが、今回の母親役を通して、娘に寄り添う母性愛や命の大切さを伝えられたらと語った。
松露文創
今年80歳を迎える香港のコメディ俳優のスタンリー・フォンは、事情通の管理人・梁伯を演じる。台湾映画の出演にあたり「脚本と役柄がとてもいいです。多くのコメディ作品に出演してきたので、他ジャンルにチャレンジしたいと思っていました。前作から5年ぶりの出演ですが、台湾の多くの作品に出演したいですね」と意欲を見せた。また監督や脚本も手掛ける彼は、自身の新作を準備していることも明かしており、今回出演を引き受けたのは「脚本がとても気に入ったため」と、作品への大きな期待がうかがわせた。
松露文創
スタンリー・フォンの孫を演じるツァオ・ヨウニンは「このマンションの住人に面白さがあると思います。各部屋のドアの向こうに物語があります」と説明した。イン・シンとは曖昧な間柄を演じるという。実生活ではワン・ジン(王浄)との恋愛関係が取り沙汰されているため、脳内で二人のツーショットを思い浮かべたというイン・シンは、「お似合いだと思います」と二人の恋を応援。監督のチエン・レンハオは「ご面倒ですが、彼女にはぜひ撮影現場に来てもらえれば」と話し、現場を和ませた。
松露文創
13歳の人気子役バイ・ルンインは、霊が見える自閉症という難しい役に挑む。学業専念のため当分映画出演はしないと宣言していたバイ・ルンインだが、記者から今回望んでオファーを受けたのかと尋ねられると、「実はそんなに乗り気ではありませんでした」と答えて皆を笑わせた。
2022年の大ヒットホラー『呪詛(原題:咒)』の特殊メイクを手掛けたチュー・ジアイー(儲榢逸)と特殊効果(SFX)チーム、巨額の興行収入を叩き出す名プロデューサーのほか、キャストにはツァイ・ジェンナン(蔡振南)、カイザー・チュアン(荘凱勛)、アンバー・アン(安心亞)、ヴィッキー・ツェン(曾莞婷)ら人気俳優も名を連ねる。『蝴蝶大廈』は今年台湾公開予定。
<あらすじ>
夫の暴力から逃れるため、陳薇(イン・シン)は幼い娘を連れて自殺の名所といわれる蝴蝶大廈に引っ越してきた。管理人の梁伯(スタンリー・フォン)や最上階の廟公山叔(ツァイ・ジェンナン)から、一階は不衛生だから早く引っ越したほうがいいと事あるごとに言われる一方、管理人代行の青年・小梁(ツァオ・ヨウニン)は、家電修理など何かと理由をつけては陳薇親子の面倒を見てくれた。しかし、奇妙なことが頻繁に起こるようになる。そして鬼門が開く季節、マンションでは事故や怪奇現象が多発。昔からの住人はもはや動じていないが、陳薇は夫の暴力より大きな危機に巻き込まれようとしていた……。
翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。
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