Cinem@rt エスピーオーが運営するアジアカルチャーメディア

【最新映画in台湾】孫悟空が3Dアニメーションに! 臨場感あふれる映像で話題の『孫行者傳』が近日台湾公開

ニュース提供元:用心娯楽


3Dアニメーション映画『孫行者傳(Legend of Sun Walker)』が、近日台湾で公開される。全編95分の『孫行者傳』を15分の尺に編集した『搶救唐僧(Rescue Master Tang)』は国際短編映画祭で多くの賞を受賞したほか、アメリカやフランスの映画祭でも非常に高い評価を得ている。

3Dのコンピュータアニメーションに30年以上携わってきた監督のジュアン・ジアシウ(荘家修)は、子どものころから筋金入りの『西遊記』ファン。「『西遊記』はコンピュータアニメーションで表現するのに最適です」と、今回の制作にあたり『西遊記』の原型といわれる『大唐三蔵取経詩話』を選んだことを明かした。

『孫行者傳(Legend of Sun Walker)』場面写真1
數位領域電影文化

『孫行者傳』の高画質3D技術の構築は容易ではない。1800以上のシーンの制作には、実に多くの時間とエネルギーを必要とした。監督は6年を費やし60通りもの脚本を執筆。神、妖怪など100人以上のキャラクターと3D映像を制作したスタッフは100人にのぼる。

監督は、「両眼視差という性質を利用する立体映像は、左目用と右目用で同時に2枚の画像を制作しなければなりません。時間とコストは2D映像の2倍かかりました。しかし私たちが用いた立体復元技術は、3D映像にありがちな目眩感はなく、視覚的なインパクトだけを感じてもらえます」と、作品の出来栄えに胸を張った。

『孫行者傳(Legend of Sun Walker)』場面写真2
數位領域電影文化

各キャラクターは、さまざまな映像や写真、文献を参考にした上で身体的特徴や武器を作り上げた。中でも一番重要なのは原作の人間性を忠実に再現することで、「国籍や文化の違いで作品の見方が影響されないように意識しました」と語る監督は、当初から海外市場を視野に入れていた。「孫行者」の英訳「Sun Walker」には、太陽のようにポジティブなエネルギーを拡散するという監督自身の理念が、そして英題「Legend of Sun Walker」には、東洋の神話的なヒーローを作りたいとの思いが込められている。

物語は、三蔵法師、孫行者(孫悟空)、猪八戒、沙悟浄が取経の旅で天竺に向かう途中、芭蕉扇を巡って繰り広げられる冒険譚。孫悟空が觔斗雲に乗ってアクションを繰り広げる一方、鉄扇公主、牛魔王、紅孩児らとの戦いを通して、師匠や仲間と絆を深めていく姿が、3D映像で生き生きと描かれる。數位領域電影文化がプロデュースする『孫行者傳』は、10月14日より台湾全域で公開予定。

『孫行者傳(Legend of Sun Walker)』場面写真3
數位領域電影文化

翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。

記事の更新情報を
Twitter、Facebookでお届け!

TOP