最新中国ドラマ|ヤン・ズー&チョン・イー主演「沈香の夢(原題:沉香如屑/沉香重華)」は伝統的な神仙ドラマの様式美を最も感じさせる
引用元:wechat 德塔文科技 公式アカウント:「德塔文影视观察」
記事タイトル:「剧日报|《沉香重华》会员收官景气创新高,《大考》取得发行许可证获关注」
中国で市場分析を展開する德塔文科技による影視観察(datawinfilmtv)データより、ドラマデイリー放送作品の景気指数TOP20にランキングしたドラマを、ピックアップしてご紹介!(以下、ドラマタイトルは全て原題の表記です)
9月8日付けの放送作品デイリーランキングでは、9月2週目に最終回が配信されたヤン・ズー(楊紫)&チョン・イー(成毅)主演のファンタジー時代劇「沈香の夢(原題:沉香如屑/沉香重華)」がランキング1位に。
「沈香の夢」は7月に放送された「沈香の夢:前編~蓮の花芳る時~」の後編作品で、前編の好調を引き継ぐかたちで安定した支持を獲得しつつ、近年人気のある悲劇的な結末や、そしてサイドストーリーなどがネットで話題となり、さらに人気を上昇させたこのドラマ。近年放送済み、もしくは放送待機中の仙侠ドラマの中でも、伝統的な神仙ドラマのスタイルと様式美を最も感じさせる作品で、“転生”“悲しい恋”といったヒット要素に加えて、ヤン・ズー&チョン・イーの魅力という最大の強みがドラマを成功に導いた。
時代劇では同時期にワン・ホーディー(王鶴棣)とユー・シューシン(虞書欣)主演の「蒼蘭訣」も注目を集めたが、「沉香如屑・沉香重華」の視聴者は大人世代の女性が多く、「蒼蘭訣」を好む視聴者層と上手く分散されるかたちとなり、2つのドラマが独自のセールスポイントで勝負ができたことから、この夏のドラマ市場では各々成功を収めることとなった。
良好な結果を獲得することができた「沈香の夢」だが、昨今、伝統的なスタイルの神仙ドラマでは若い視聴者のトレンドや好みをキャッチすることが難しくなっているようで、チャネルも狭くなりつつあり、18年の「霜花の姫~香蜜が咲かせし愛~」以降、テレビ放送で同様の作品を見ることができていない。
しかし一方で、今回の「沈香の夢」の結果を見ると、話題性の高い俳優と強力なプロット要素があれば、伝統的なスタイルの神仙作品であっても、市場的にはまだまだ受け入れられる余地があるとも言えそうだ。
翻訳・編集:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。
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