【最新映画in台湾】撮影中は奇妙な出来事の連続? 心霊スポットを題材にした映画『民雄鬼屋(原題)』、台湾で「鬼月」公開
ニュース提供元:用心娯楽
「鬼門(あの世の扉)」が開くという旧暦7月1日にあたる6月29日、有名な心霊スポットを舞台にした映画『民雄鬼屋(原題)』(仮訳:民雄の幽霊屋敷)が台湾で公開した。主要キャストは、シェリル・ヤン(楊謹華)、ペイ・シャオラン(沛小嵐)、マイ・ユートン(麥語彤)、ウィルソン・リウ(劉韋辰)、シア・ジンティン(夏靖庭)、ヨウ・カイ(宥凱)。「住戶公約第一條」で金鐘奨を受賞したリウ・バンヤオ(劉邦耀)がメガホンを取り、「可不可以,你也剛好喜歡我」のリウ・フォンチー(劉楓棋)がプロデュース、ベテラン記者のチャン・ジョーミン(張哲鳴)が脚本を手掛ける。
公開に先駆けた試写会やプレミア上映会での評判はよく、スタートは上上だ。あるメディアは「新鋭監督リウが取り上げたのは誰もが知る題材だが古くさくない。幽霊映画というよりサスペンス・スリラーに近い」と評した。実際に起きた社会的事件を映画化したことで、台湾の伝統的な男尊女卑的な考え方が残酷に表現されており、台湾ホラー映画の新たな扉が開くことが期待される。
采昌、馬棋朵
しかし、本作の撮影中は奇妙なハプニングが相次いだという。例えば竹林での撮影中、車をバックさせる際に何かに引っ張られるように池に落ちそうになったり、霊感の強いスタッフは気分が悪くなったりしたそうだ。宗教関連のアドバイザーを務めた道士のユー・ジーチュエン(于治詮)は「旧暦7月の禁忌事項」は絶対に破るべからずと呼びかけた。
また、本来霊感は弱いほうだという主演のシェリル・ヤンだが、「現場の古民家で、最初に何か感じたのは居間です」と撮影当時を振り返る。スタッフがまだセットや照明の準備をしている際、シェリルはよく静かな場所を見つけて役作りに集中していた。ある日、人がいない居間に足を踏み入れたところ、これまで感じたことのないような体験をしたという。「一人のはずなのに、座って1分もしないうちに、まるで誰かが隣に座っているような感じがしました。そんなことは生まれて初めてです」と明かした。「本当はそこにいたくなかったのですが、気持ちを作り込むために、無理やり『本物の恐怖』の感覚を意識しました」と俳優魂を見せる一方、すぐにアシスタントを呼び、見える場所にいてもらうことにしたと話した。
采昌、馬棋朵
一方、撮影セットを移築した「民雄鬼屋リアリティ体験展覧会」では、シェリルの娘・小琪役のマイ・ユートンが、「肝が据わっている」と自負しながらも、家族とお墓参りの途中に奇妙な出来事があったと話した。また、シェリルの頼もしい相棒を演じたウィルソン・リウは「兵営と比べれば、ここに住みたいぐらいです」と話し、現在兵役中であることも明かした。霊を見たことがある兵役仲間から、いろいろ恐ろしい心霊話も聞いたという。さらに「普段は痩せ我慢するタイプで、緊張や恐怖を隠す癖があるので、あえて見せるようにするのが大変でした。恐怖のさまざまな感情の理解に努めたことが一番の挑戦です」と語った。
采昌、馬棋朵
翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。2017年4月より、ラジオ番組「Asian Breeze」では台湾の現地情報を発信するコーナーを担当中。
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