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【最新ドラマin台湾】女性ならではの生きづらさに焦点を当てた新作ドラマ「ふたりの私(原題:她和她的她)」、メインビジュアル解禁

ニュース提供元:GTV八大テレビ(八大電視)

 

女性が直面する社会での障碍や権利の侵害、その後の物語を描く台湾ドラマ「ふたりの私(原題:她和她的她)」のメインビジュアル・ポスターが公開された。GTV八大テレビ(八大電視)が投資するドラマ制作会社「四方四隅」が、映画賞受賞チーム「華文創」とタッグを組んだオリジナル脚本の最新ドラマで、昨年始動早々に新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時撮影中止となるも、8月に撮影が再開し10月に無事クランクアップした。現在は、ポストプロダクションが佳境に入っている。

今回はメインビジュアルと共に、制作スタッフの面々も明かされ、業界の注目度も高まっている。熟練した映画プロデューサーとして知られるイエ・ルーフェン(葉如芬)が総プロデュースを務め、ベネチア国際映画祭やベルリン国際映画祭などでノミネート歴のあるチュオ・リー(卓立)がメガホンを取り、脚本は金鐘奨受賞のウェン・ユーファン(温郁芳)が手掛けた。

キャストは、アン ・シュー(許瑋甯/ティファニー・シュー)をはじめ、トビー・リー(李程彬)、リー・ペイユー(李霈瑜)、ウェン・チェンリン(温貞菱)、ユー・ズーユー(于子育)、ディン・ニン(丁寧)、イー・ジョン(伊正)、ジェイク・スー(徐鈞浩)、リン・ジェーシー(林哲熹)、シュエ・シーリン(薛仕凌)のほか、ゲスト出演としてチェン・イーウェン(陳以文)、アリッサ・チア(賈靜雯)、ジョージ・フー(胡宇威)、ウー・カンレン(呉慷仁)、パフ・クオ(郭雪芙)など、映画・ドラマで受賞歴のある豪華俳優陣がずらり。早くも今年の台湾ドラマシーンに、再びセンセーションを巻き起こしている。

全体的に柔らかなブルーを基調としたデザインのメインビジュアルでは、主演のアン・シューが雨の中空を見上げている。ポスターを手掛けたのは、金鐘奨で最優秀美術デザイン賞の受賞歴があるデザイナーMisc。アン演じるヒロインについて、大きなトラウマを抱えた彼女が、人生において自分の価値をどうやって見い出すか、心を揺さぶる役どころだとした上で、「本作とメインビジュアルを通して、優しさが持つ力を感じていただければと思います」と話した。ポスターの中の一見落書きのような不規則な文字も、Miscの独創的なアイデアによってデザインされたもの。Miscは「これは台本の一部をつなぎ合わせたものです。記憶や手がかりを寄せ集めることで、ストーリーの大筋をより伝えられると同時に、ヒロインの内面をダイレクトに反映させました」と説明した。

一方アンは、ポスター撮影時のスタッフの苦労についても振り返る。感染症拡大の影響が大きかった当時、スタッフは全員炎天下の中マスクを2枚重ね付けするなど、息苦しい状況での撮影となり本当に大変だったそうだ。役割上、アンだけはマスクを外し呼吸は楽にできたが、体は雨でびしょ濡れになった。以前演じた雨のシーンではべたべたして気持ち悪かったとしながらも、今回は「どこか晴れやかな心境でした。林晨曦の心に降り積もった汚れを洗い流してくれるかのような雨が待ちきれなかったんです」と話した。

彼女は、今回演じる林晨曦という役について、煙と霧に包まれたような人物と表現する。想像を膨らませる余地が大きく、役の解釈についてはこれまでで最も大きな挑戦となったようだ。アンは「役になりきるだけでなく、補いつつ矛盾のないようにしなければなりませんでした。ある時は出来事や役を論理的に捉え、ある時は状況や雰囲気に合わせる必要があったんです。演じているその刹那の時空に視聴者を引き寄せられるよう、かなりの努力と時間を要しました」と語った。

また撮影の中で印象深かったのは父、母、弟との家族シーンだとし、「食事するシーンがたくさんありました。どういうわけか、いつも料理がとてもおいしそうで、セリフを言わずにうっかり食べ物に手を伸ばしたくなりました」と語った。中には家族で楽しく食事する様子の撮影だけで音声を収録しないシーンもあり、そんなときはアドリブの会話でみんなを笑わせたと明かした。

翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。2017年4月より、ラジオ番組「Asian Breeze」では台湾の現地情報を発信するコーナーを担当中。

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