【最新ドラマin台湾】台湾初のロードムービー・ドラマ 「塑膠花」、ウー・カンレン、ムーン・リーらが逃亡の旅を繰り広げる
ニュース提供元:結果娯楽
抓馬文化が手掛ける台湾初のロードムービー・ドラマ「塑膠花(原題)」(仮訳:プラスチック・フラワー)のティザービジュアルが21日、SNSの公式アカウントで公開された。
これに先立ち行われたクランクイン・セレモニーには、プロデューサーのケビン・ツェー (謝國豪)、ジョウ・チュエンリュー(周銓率)、新鋭監督のチェン・ヤージー(鄭雅之)をはじめ、主要キャストのウー・カンレン(呉慷仁)、ムーン・リー(李沐)、ジャック・カオ(高捷)、ピース・ヤン(陽靚)、リン・ハーシュエン(林鶴軒)が、劇中の衣装を着用して参加した。
金髪姿を初披露し、暴力的な面がある寡黙な男・金勤を演じるカンレンは、「この脚本が気に入っています。脚本を兼任した雅之監督は、多くのプリプロダクションを経て、画面やカット割りにロマンチックなイメージを反映しました。あまり見られないテーマで、アクションのほか恋愛もあり、人間味に溢れていて、登場人物のやり取りに感動しました」と話す。
カンレンが主演する『白蟻ー慾望謎網』を台北電影節で見た監督は、「感情を抑えた表に出さない演技が一番印象深かったです。深みと爆発力を備えた俳優は彼しかいません」と、カンレンの演技力を高く評価した。
ヒロインのムーンは、マーチングバンドに所属する高校生とASMRライブ配信者を掛け持つ高校生・娜娜を演じる。ムーンは「娜娜は、世間知らずながら世渡り上手。強気な態度で、傷つきやすい心をガードしています。彼女が束縛から逃れようと、自由を求めてもがく姿が好きです」と、自身の役について語った。
マーチングバンドやASMR配信の経験がなかったため、撮影前には入念に準備をしたという。訓練に2カ月を費やしたというマーチングバンドについては、「想像とまったく違っていました。ライフルは重いし、すべての動作を覚えるのは大変でした」と明かした。ASMRについては、五感の扉が開き「とても新鮮。監督からフィールドワークの情報を共有してもらって、多くの動画を見て役作りしました」と話した。
ちなみに、今回公開されたポスタービジュアルのタイトルは、ムーンの直筆によるもの。その経緯について「撮影現場でプロデューサーのケビンさんに言われて、自分なりに自由な発想で書きました。当日はちょうど家のメインシーンの撮影だったので、タイトルの3文字にハートと唇と花を描くことを思いつき、娜娜のやんちゃで強烈な性格に呼応させました」と説明した。
ジャックとピースは、かつて再生回数1億回超を記録した人気バンドのミュージックビデオで共演したことがある。今回再びタッグを組むにあたり、劇中の恋愛関係の行方にも注目が集まる。
ジャックが演じる賴打は、黒社会をうまく渡り歩いている男で、稼げるとあらばどんな商売でもするが、唯一恋愛に関してのみ思いやりを見せる。ジャックは、自身の役について「これまでの強い兄貴のイメージではありません」と話す。一方、ピースは役について中国の絶世の美女と名高い「西施」と表現。ドラマのためにポールダンスを習ったというピースは、「1カ月で全身青痣だらけ。今回自分でやってみて、ポールダンスが究極のスポーツで、『電子花車』(電飾が施されたステージトラック)で踊るのは尊敬に値する職業だと実感しました」と語った。
コメディが得意なハーシュエンは、これまでの学生のイメージを払拭し、初めて犯罪グループのメンバーに挑む。ハーシュエンは「ある意味、ブラック版のハーシュエン。『善良なろくでなし』だと解釈しています」と説明。また、脚本で一番引きつけられたシーンについて警察に追われ対峙するシーンを挙げ、「脚本を見たときから、もう血が沸き立ちました。初めて共演するカンレンさんと一緒に、生死をかけた逃亡をするのがとても楽しみ。撮影ついでに、台湾の秘境を巡りたいです」とも話した。
タイトルの「塑膠花」は、ヒロイン娜娜の最初のイメージを象徴しているという。過剰なほど美しい造花は、高級感を装いながら、実は自分が質の悪い廉価な花にすぎないことを知っている。物語は、ロードムービー的なラブストーリーを軸に、社会環境から疎外された人々の状況を浮き彫りにしていく。
監督は、「映画の脚本を書き終えた当時、その中のテーマが誘拐に少し関連があり、今度はそれを膨らませて少女の成長と冒険、裏切り、アイデンティティーを盛り込んだ長編のストーリーに仕上げました。短い時間の中で起きたことの、あらゆる感情をブーストして、無駄のないものを作りたかったのです」と、ドラマ制作への動機を語った。
また、プロデューサーは「本作は愛に関する物語。登場人物それぞれの心の旅と成長、そして自己の追求と救済が描かれています。主演の5人は皆素晴らしい俳優ばかりなので、彼らが起こす化学反応にとてもわくわくしています」と、期待をにじませた。
「塑膠花」の主要キャスト5人は、撮影前から入念に役作りに臨み、現在本格的な撮影に入っている。
翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。2017年4月より、ラジオ番組「Asian Breeze」では台湾の現地情報を発信するコーナーを担当中。
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