中国の干支は何が違う? 干支で相性を診断?!:前編|中国時代劇トリビア#68
「太陽と月の秘密~離人心上~」ⓒJetsen Huashi Wangju Media Co., Limited
恐ろしい予知夢を見てしまうため、夜に眠ることができないヒロイン・徐初月と、兄の死の真相を探るクールなイケメン将軍・薛曜が繰り広げる胸キュンファンタジックラブ史劇「太陽と月の秘密~離人心上~」。
このドラマでは徐初月のみる“夢”と“干支”が深~く絡んで登場してきます。中国人だけでなく、日本人にも馴染み深いこの“干支”について、今回は探っていきたいと思います!
干支のはじまり
子(鼠)
丑(牛)
寅(虎)
卯(兎)
辰(龍)
巳(蛇)
午(馬)
未(羊)
申(猿)
酉(鳥)
戌(犬)
亥(猪)
この十二支(じゅうにし)の由来は諸説ありますが、初めは現在のように動物を表すものではなかったとも言われています。
十二支は中国の殷の時代(紀元前1700年頃~紀元前1046年)の甲骨文字から生まれ、十二支は日付を記録する暦(こよみ)として使われていました。1年を12ヶ月で区切るために考え出されたというこの暦の中で、植物の営みを意味する12の文字を1か月ごとに割り当てたことが十二支の始まりと考えられています。
この方法を民衆により分かりやすく覚えてもらおうと、殷の国の天文学者が12個の文字を残したまま、親しみのある12種類の動物を割り当てました。それがやがて、時刻や方位、年を表すものとして使われるようになった、と言われています。
時間を表す干支
日本では子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥が干支として一般的ですが、本来は中国の陰陽五行説に基づく“十干(じっかん)(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)”を組み合わせたものを“干支(えと)”と呼びました。
“干支”は「干」の文字が「十干」を、「支」の文字が「十二支」を意味するという、二つの意味が合わさってできた言葉だそうで、現在は「十干」が省略され、「十二支」のみを使用することが多くなっています。
中国では紀元前からこうした十干と十二支を組み合わせた60を一周期とする数詞を利用し、19世紀頃まで十二支によって時間を表していました。1日を2時間ずつ12分割し、その一つ一つを十二支と対応させる時刻の表記法を十二時辰(じゅうにじしん)と言います。
これが「太陽と月の秘密~離人心上~」では、ヒロインを悩ませる「時間」と「干支」となって登場してきますね!
「太陽と月の秘密~離人心上~」ⓒJetsen Huashi Wangju Media Co., Limited
でも、「子の刻」と言われても、何時かな?と思ってしまうこと、ありませんか? そこで十二時辰を、現在の時刻として表してみます。正刻は、2時間ごとに区切られた内の中間の時間を指しています。
干支 | 時刻 | 正刻 |
子の刻 | 23:00~1:00 | 0:00 |
丑の刻 | 1:00~3:00 | 2:00 |
寅の刻 | 3:00~5:00 | 4:00 |
卯の刻 | 5:00~7:00 | 6:00 |
辰の刻 | 7:00~9:00 | 8:00 |
巳の刻 | 9:00~11:00 | 10:00 |
午の刻 | 11:00~13:00 | 12:00 |
未の刻 | 13:00~15:00 | 14:00 |
申の刻 | 15:00~17:00 | 16:00 |
酉の刻 | 17:00~19:00 | 18:00 |
戌の刻 | 19:00~21:00 | 20:00 |
亥の刻 | 21:00~23:00 | 22:00 |
こうして現在の時刻に置き換えてみると…改めて、初月の「子の刻から丑の刻まで眠ることができない!」という生活が、かなり過酷で、苦労が多いということも、現実味を帯びて感じられそうですね。
<後編へつづきます>
【中国時代劇トリビアのバックナンバー】
Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。『台湾エンタメパラダイス』『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)にて執筆記事掲載中。
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