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中戯は役者、北電はスター、上戯はイケメン?! 出身校から考える、90年代うまれ俳優の特徴<後編>

引用元:wechat Vlinkage 公式アカウント:「Vlinkage」
記事タイトル:「三大院校90后演员图鉴:北电有热度,中戏重口碑,上戏还在追 」



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続いては上海戯劇学院出身の芸能人とその出演作をまとめたもの。

  

90后芸能人では、ディリラバ(迪麗熱巴)ダン・ルン(鄧倫)が代表格に。ダン・ルンの作品と演技の実力は、視聴者にも広く認知されている。また、「山河令(原題)」で大ブレイクを果たしたチャン・ジャーハン(張哲瀚)が、新たな代表として加わり、豆瓣でも高評価を獲得するなど活躍を見せている。


95后の層は、ワン・チューラン(王楚然)ティエン・シーウェイ(田曦薇)シァ・ジーグァン(夏之光)といった芸能界に入ったばかりの新人が多く、まだまだ成長の余地があるといった評価に留まっている。

こうした90后と95后の俳優たちは、「中央戯劇学院卒は役者、北京電影学院卒はスター」という定説を踏襲しているのだろうか?

この表現にいささか偏りはあるものの、データの結果を踏まえると、芸能人としての人気は北京電影学院卒俳優が高く、作品評価は確かに中央戯劇学院卒俳優のものが北京電影学院よりも高い。

この違いは、両学院の教育理念の違いが背景にあり、中央戯劇学院の俳優育成の方向性は話劇(新劇、現代劇など)寄りであり、演じる上での基本的な技術により厳格で、入学試験でもルックスの良さだけでなく、舞台で映える端正さと、誰もが知るような大役を務め上げる気質と風格がある学生を好んで採用する。

データを見てもわかるように、中央戯劇学院卒の俳優は、現実的なテーマを取り扱う現代劇に出演する人が多く、このような作品は演技力への要求が比較的高く、作品評・口コミともに高い評価を得やすくなっている。

これに対し、北京電影学院の選考基準はより「商業的」であり、大衆に「アイドル的センス」を感じさせる才能を持っているかに焦点をあてている。こうして選ばれて俳優になった学生は、卒業後は人気のアイドルドラマに出演するようになり、結果、北京電影学院卒の俳優は中央戯劇学院卒より人気のある芸能人となっていく。

「上海戯劇学院卒はイケメン」という説に関しては、90后、95后の俳優たちの間ではそれが俳優の人気なのか、作品の人気や評判なのか、全体としての評価が曖昧になりつつある。95后俳優の中では特に目立った存在もいない、というのが現実だ。

北京電影学院と中央戯劇学院共に、スター俳優を生み出した“96級明星班”時代が最盛期だったとするならば、2015年以降は、演技を専門的に学んでいない俳優たちが市場を席巻し始め、演技科出身俳優を特別視する概念が粉砕される時代を迎えた。なぜ、三代名門出身というバックグラウンドが以前ほどに、もてはやされなくなったのか。

そのきっかけはまず、ネットのビデオプラットフォームが映画やテレビ業界に参入し、市場のルールを変えたということ。

オンラインコンテンツでは、サークル内のユーザーの注目を集めることができれば成功であり、演技学習経験の有無を重視する形式にこだわらず、どのようなタイプであれ、ネット上の人気者(アイドル)が俳優にもなれるようになり、演技科出身であることの重要性が弱まっている点があげられる。

さらに、90后、95后の受験生たちの内、純然たる“素人”が占める割合が減少し、すでに第一線で活躍している子役経験者やアイドルなどの入学が多くなり、彼らは一定の評判を持つアーティストとして、必然的に学業のかたわら商業活動にも参加していることから、教科書教育で学ぶことよりも、現場での実践経験が有益とする風潮も、従来の価値観を覆す一因にもなっているようだ。

業界や市場の変化は様々あれど、毎年3大名門の新入生に関して、人々は大いに注目をし、時に熱い議論を重ねる。それはやはり、大衆が深みのある演技ができるプロフェッショナルな役者の存在を渇望するからだろう。

演技は何と言っても長く学んで身に着ける“技芸”。名門大の卒業証書を手にする事は役者としてのスタートにすぎず、俳優という職業に就いた人たちには、その腕前を常に磨くことが求められているのだ。

翻訳・編集:Cinem@rt編集部

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