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中国ドラマのタイトル"あるある"を分析! 前編:よく使われる漢字は●と●?!

引用元:wechat Vlinkage 公式アカウント:「Vlinkage」
記事タイトル:「别再抄诗词了,为剧取名并非玄学 」


中国のテレビドラマは、テーマのトレンドを追うだけでなく、タイトルも流行りに寄せた似た者同士にするのを好む傾向があるとか。2015年1月1日から2021年4月15日までの約2,000作のドラマのタイトル名を分析した結果から、その秘密と傾向を探ってみよう。

名前でその人となりが表されるように、ドラマのタイトルもその作品を表すのに等しいものだ。さらにドラマのタイトルにおいては、筋書きを凝縮しているだけでなく、テーマを一目で明確にし、視聴者に理解してもらい覚えてもらうこと、独自性を持たせて他の作品との均質性を回避する働きも必要とされる。

ここ数年のドラマタイトルは、冗長傾向にあるストーリー展開同様に、ますます長めのものが増えているようにも見受けられる。

実際のデータから見てみると、4文字のタイトルは依然センターの位置を保ち、占有率は30.37%。2位の5文字のタイトルは22.33%。3位となった7文字は12.04%で、3文字と6文字がこれに続いて4、5位となった。ちなみに2020年のドラマで最長のタイトルは、13文字となっている。

 


続いて、タイトルで頻用される文字はなんだろうか?

統計データによると、一番使用率が高いのが“的”の文字で、409回登場する。構造助詞として二つ以上のフレーズ間の関わりを表す“的”は、「城市的辺縁(原題)」「隠秘的角落(原題)」「沈黙的真相(原題)」……などなど、あらゆるジャンルのドラマが、少なからず“的”の文字の力を借りていることがわかる。

次いで多いのは“我”で252回。“我(わたし)” “我们(わたしたち)”と名付けられたドラマは、一人称の視点を持ち、視聴者の代替感を高めるだけでなく、アイデンティティの特徴を明確にすることで、キャラクター性を強化する働きがある。

例えば「我的前半生(原題)」「我好喜歓你(邦題:運命のキスをお願い!)」「我就是這般女子(原題)」「我在北京等你(原題)」……などが挙げられる。


“的”“我”以外に、以下の10字も100を上回る回数で登場する。頻度から高い順に明記すると、人、之、愛、大、你、女、天、小、不、生、となる。

この中で“之”は、二つの名詞の間に常用される文字。以前は、続編を示すときに「〇〇パート1」「〇〇パート2」のような形式を用いていたが、現在では“之”を用いることが新たな手法に。例えば「法医秦明之〇〇〇(法医秦明の〇〇)」や「三国機密之〇〇〇(三国機密〇〇編)」などだ。

“大”“小”は形容詞なので使用範囲が広く、“你(あなた)”は“我(わたし)”と同じ機能を持つ。

使用頻度の高い“大”“小”ではあるが、“大”に関しては、王朝名を表すもの「大宋宮詞(原題)」「大唐荣耀(邦題:麗王別姫~花散る永遠の愛~)」「大清神捕(原題)」などがあったり、強調、迫力をもたすための使用「大江大河(原題)」「大侠霍元甲(原題)」などがある一方で、大の文字としての特定の意義をとらない「大嫁風私尚(原題)」「大話蛇仙(原題)」などもある。


“小”は112回の登場。最近のヒット作で目についたのはファミリードラマ「小舍得(原題)」シリーズの、「小歓喜(原題)」「小別離(原題)」の3部作。“小”の字をつけるのが流行るのには、シンプルでわかりやすくて、覚えやすく、インターネット時代のミニマムスタイルに適していることを示していると言える。

これを踏まえると、ドラマタイトルはこれから急速に短縮化が進み、「コンパクトがベスト」という方向に進んでいることもわかる。


中編:時代劇命名の新しいトレンド につづきます


翻訳・編集:Cinem@rt編集部

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