2021年春節シーズンの映画をふりかえる【その2】ファンタジー映画はターニングポイントにいる
引用元:wechat Vlinkage
公式アカウント:「Vlinkage」
記事タイトル:「春节档大片观察之《侍神令》 奇幻题材+顶配特效已经难以“突围」
2021年の春節シーズンのもう1本の話題作は、陰陽師の世界を描いたジョウ・シュン(周迅)とチェン・クン(陳坤)主演の『侍神令(原題)』。
マーク・チャオ(趙又廷)、ダン・ルン(鄧倫)主演の『陰陽師:とこしえの夢』も原作は「陰陽師」だが、『侍神令』は中国のNetEase(網易)社が開発したスマートフォン向けゲームアプリをベースにした物語。当然ながら、『陰陽師:とこしえの夢』とは何かと比較対象となる作品でもあったようだ。
日本の映画美術監督・赤塚佳仁を迎えて制作された『侍神令』は、視覚効果、特殊効果の制作レベルは国内最高とも言われ、美しさと危険性が共存するファンタジーの世界を創造するために、様々な最新撮影技術が駆使されている。
しかしながら、過去10年間の市場でのファンタジー映画の発展を見ると、ピーク以降は不安定な状態にあると言える。
『画皮 あやかしの恋』がヒットしたのは2008年、2013年にはチャウ・シンチー(周星馳)の『西遊記~はじまりのはじまり~』は年間興行収入12億4700万元を獲得、そして2015年の『モンスター・ハント』は、興行成績が24億3800万元を突破し、中国映画史の記録を更新した。
こうしたファンタジー映画が過去にマーケットリーダーになれた理由としては、当時は国内のジャンルが成熟しておらず、ファンタジー映画を主とするビジュアル作品に対抗できる作品が少なかったためだろう。
しかし今では国内の映画産業システム全体がますます完璧になっており、あらゆるジャンルから独自の傑作が生まれるため、ファンタジー映画の視覚的な利点はもはや存在しなくなりつつある。
『侍神令』が惜しくも春節のヒット戦線で一歩遅れを取ってしまったのは、ファンタジー映画市場に別のターニングポイントが訪れようとしていることを意味しているともいえそうだ。
翻訳・編集:Cinem@rt編集部
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