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ウー・カンレン、新作映画クランクアップで「つらすぎる」と涙

ニュース提供元:親愛的工作室

旧正月の大晦日イブに当たる2月10日、映画『我沒有談的那場恋愛(原題)』が台湾で公開された。

金鐘奨(ゴールデン・ベル・アワード)で最優秀主演男優賞の受賞歴があるウー・カンレン(呉慷仁)、金曲奨常連の実力派歌手イブ・アイ(艾怡良)、期待の俳優フー・モンボー(傅孟柏)、大物新人歌手9m88らが出演。

脚本と監督は「イタズラな恋愛白書〜In Time With You〜」や『先に愛した人』を手掛けたシュー・ユーティン(徐誉庭)が務めた。

 

シュー・ユーティンは脚本をウー・カンレンに渡す際、「役者の苦労が観客に見えづらい大変な役だけど、興味あるかしら」というメモを付けたと明かした。脚本を読んだウー・カンレンは、特に大変そうな部分は見当たらなかったので「苦労は恐れません!」とすぐに承諾の返事をしたという。

ウー・カンレンが演じたのは、浮気性のCMディレクター、ナン・ジーヤン(南之仰)。初監督作品で失敗し、健康状態は赤信号、人間関係も破綻している役どころだ。

不規則な生活を表現するリアルな体づくりのために、ウー・カンレンは大食いして増量に挑戦。公開に先立つ1月29日には、ウー・カンレンの「増胖日記(増量日記)」のショートビデオがネット上で公開された。動画には、半裸のウー・カンレンが2か月足らずで84キロまで増量した、驚くべき役者魂が映し出されている。


しかし撮影が始まってからウー・カンレンを苦しめたのは、肉体的な苦痛ではなく、シュー・ユーティンの厳しさだった。「彼女はナン・ジーヤンを演じることを私に求めたのではなく、ナン・ジーヤンそのものであることを求めた」という。

ダメ出しをされ続けた彼が撮影現場で「自分ではダメだ」「彼女は俺が嫌いなんだ」と弱音を吐くと、身に付けていたミニマイクを通して、モニターを見ていた監督たちにも聞こえてしまい、それを見かねたもう一人の監督シュー・ツーイェン(許智彦)に「カンレンに厳しすぎる」と言わせたほどだそう。


しかし、2歳足らずの幼児に抱きしめられるシーンでは本来の実力を発揮。幼児任せのその瞬間を、跪いた状態で待つこと4時間、もはや両足が麻痺し、立ち上がることもできない状態の中、ようやくその瞬間が訪れた際には、間髪いれずに監督が望んだとおりの涙を流し、現場スタッフの賞賛を浴びた。

38日間の撮影を終え、「クランクアップ」という言葉を聞いたウー・カンレンは、「こんなにつらいとは思わなかった」と涙を流したという。本作でのウー・カンレンは、脆さやダメなイメージをとても自然に醸し出しており、これまでの役柄とは一線を画した面を見せている。

また、甘さゼロの恋愛シーンを演じるイブ・アイとフー・モンボーの身長差萌えや、映画初出演となる二人の歌手、イブ・アイと9m88がそれぞれ担当する主題歌と挿入歌も話題を呼んだ。

翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。2017年4月より、ラジオ番組「Asian Breeze」では台湾の現地情報を発信するコーナーを担当中。

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