ケン・チュウがお気に入りの台湾グルメを紹介、きっかけはパパラッチ
ニュース提供元:三立電視
台湾のテレビ番組で見かけなくなって久しいケン・チュウ(朱孝天)が、2月1日、三立都会テレビの番組「就是這味(原題)」に出演し、思い出の味を紹介した。
各地を飛び回り、さまざまな料理を堪能してきたケン・チュウは、好き嫌いや食べられないものはほとんどないという美食家。豚の生血から、羊の目のモンゴリアンバーベキュー、クマバチの幼虫やさなぎの唐揚げ、臭冬瓜(臭豆腐を作る際にできる発酵汁を加えたトウガン) まで、聞くだけで後退りしたくなるような料理も平気だという。
そんな彼が今回紹介した料理は「猪油伴飯(ラードかけご飯)」。芸能人にとって大敵であるはずの高カロリー食のチョイスに、番組スタッフは聞き間違えたのではないかと思い、本人に何度も確認したという。実はこの料理には、F4として人気が出始めたころの思い出が隠されていた。
番組では、ケン・チュウが4軒のラードかけご飯の店を訪れて実食した。その中で特に忘れ難く思い出に詰まった店が信義区(台北市・台北101や有名百貨店が立ち並ぶ流行発信エリア) にある「台湾媳婦切仔麺」だ。
ケン・チュウがF4として活躍していたころ、現在ほどの賑わいはなくレストランの選択肢もそれほど多くなかった信義区に住んでいた。当時は外に出るとパパラッチに追われるため、ほとんど家に引きこもっていたという。
そのときよく食べていたのが、台湾媳婦切仔麺のラードかけご飯。大きな麺丼を持っていくと、店のおかみさんがおすすめ料理をたっぷり盛ってくれる。それを家に持ち帰っては毎日のように食べていた。その麺丼は今も持っているそう。
ケン・チュウを知る人にとって彼がよくラードかけご飯を食べに行くのは周知の事実で、「妻が台湾に来るたびに連れていくので、またここ? 他に選択肢はないの?と笑われた」というエピソードも明かされた。
ラードかけご飯は「三高(高血圧、高血糖、高血中脂質)」になりやすく不健康だと考える人が多い。しかしケン・チュウは「その時代によっていろいろな説がある。子どものころは食べても何も言われなかったのに、健康に気を遣う人が多くなってラードは避けられるようになった。でも最新の研究では、人間には一定量のコレステロールが必須だとわかった」と、薦めた理由を説明する。
そして「考えすぎないほうがいいんだ。普通に生活していれば、たまに食べるくらいは何の問題もない。人は何があっても幸せに生きるべきだし、健康でも不幸だったら意味がない」と話した。
実はこのラードかけご飯、かつて台湾観光局のイメージキャラクターを務めたときにも紹介している。当時は話題になったが、だんだんと忘れ去られ、今では台湾でラードかけご飯を出す店を見つけるのは難しくなった。
ケン・チュウはそんな現状に対して「台湾には小吃(軽食)が多すぎて、ラードかけご飯がなおざりにされている。過小評価されすぎだ」と残念さを隠さず、この番組出演が「同世代の人にとってはもう一度思い出すきっかけに、また若い世代には興味を促す呼水になってほしい」と、ラードかけご飯への思いを締め括った。
翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。2017年4月より、ラジオ番組「Asian Breeze」では台湾の現地情報を発信するコーナーを担当中。
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