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台湾映画の"いま"『よい子の殺人犯(原題:最乖巧的殺人犯)』黄河(ホアン・ハー)の演技に絶讃の声

台北駐日経済文化代表処台湾文化センターとアジアンパラダイス共催による台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の”いま”」。10月24日に行われた2020年度第7回『よい子の殺人犯(原題:最乖巧的殺人犯)』は、日台のアニメ文化を背景に、アニメオタクの主人公の恋と孤独、貧困家庭や引きこもりなどの社会問題も盛り込んだ作品だ。

莊景燊(ジャン・ジンシェン)監督の長編第二作で、金馬獎の美術奨とデザイン奨にノミネートされた本作。人との関わりが希薄になっているところが増えている現代において、家族のあり方を見直す本作は、多くの観客の心を揺さぶり、台湾でも高評価を得ている主役の黄河(ホアン・ハー)の演技も多くの方から絶讃の声が集まった。

「80分でここまで心を揺さぶるストーリーテリングと演出も見事」「救いがない話なのに、後味が悪くないという、台湾映画のよさ(?)を感じさせる作品でした。映像も陰影があってかっこよかった」「黃河がオタクという役柄に完全に入り込んで素晴らしかったのと、脚本各登場人物の絶妙な関係とジレンマを80分ほどの時間で巧妙に、そして見事に書ききっていると感じた。一番気に入ったのが最後の結末で、人によって色んな感じ方があり、あえてはっきりとした一つの捉え方で終わらせていないことが、観客に色んなことを考えさせるのだろうと思った」「台湾の今が伝わってくる緊張感いっぱいの作品でした。登場人物への愛が感じられる監督の目線、俳優の演技などどれも印象的」「主演の黄河さんはたくさん出演作品を観ていますが良い意味でイメージが違っていてびっくり」「前作『トレイシー』で初めて知った俳優・黄河の演技力に驚いた」

   アフタートークでは本作の解説と台湾の脚本家事情について。アンケートには、「制作の背景を詳しく知ることができてよかった。監督や主演俳優のコメントもついていて豪華」「映画の背景や監督、脚本家、出演者の話を聞くことができたのが良かった。分かりやすい解説で語り口も良い」「監督のメッセージは予想していたが、まさか黄河のメッセージがあるとは思わなかったのでびっくり!とっても嬉しかった」「ストーリーの背景を聞くことができたのと、普段知ることのできない脚本家の話も大変興味深かった」「最近の作品は観ている人に考えさせる作品が多く、江口さんの解説のおかげで理解が深まる」「いつも新しい気付きを沢山いただけるトークタイム」との声が寄せられた。


アフタートークでは、莊景燊(ジャン・ジンシェン)監督に加えて黄河からのムービーメッセージも公開された。

★莊景燊(ジャン・ジンシェン)監督メッセージ内容

「“よい子の殺人犯”監督の荘景燊です。
この映画はとある家族の物語です。
映画を観たらーー家族について再認識するでしょう。
あるいはーーこの映画を観て家族への思いやりや、
気配りを見つめ直してください。
家族と親しく過ごす一時を大切にしてください。悔いを残してはいけません」



★黄河(ホアン・ハー)メッセージ内容

「こんにちは 黄河です。
映画を通じて皆様とお会いできて光栄です。
映画を観て色々な考えを持ってくれたら嬉しいです。
再び会えることを楽しみにしてます。
ありがとうございました」

なお、各回のアフタートークは、アーカイブで公開中。テーマトークは映画ファンにとって興味深い内容になっている。

8月1日実施『ぼくの人魚姫(傻傻愛你,傻傻愛我)』の解説と台北電影奨について
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=84484d725a1b3df529859cddee75fb4a

8月22日実施『楽園(原題:樂園』の解説と実話をもとに作られた映画について
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=06af5fd844fd09e6736c59b7c2a09403

8月29日実施『ここからの未来(原題:未來無恙)』の解説と台湾のドキュメンタリーの流れと現状
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=a8d95349c8e6fc914d77e938435eee88

9月12日実施『狂徒』の解説と台頭する若手監督達について
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=6aa5e7a7617f470c57f0bbee32d19355

9月26日実施『孤独なあなたたちへ(致親愛的孤獨者)』の解説と台湾の短編映画事情
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=9e4f4e9415060916cf13ec9894a32223

10月24日実施『よい子の殺人犯(原題:最乖巧的殺人犯)』 の解説と台湾の脚本家事情
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=c204db7cdd422d6f327bea6a1f1d9fd5

次回「台湾映画の”いま”」は今年度最後、11月28日(土)14時から。上映作品は、映画青年と黒社会が巻き起こすブラックコメディ『ギャングだってオスカー狙いますが、何か?(原題:江湖無難事)』。アフタートークでは、高炳權(ガオ・ピンチュアン)監督のリモート出演を予定。


【アジアンパラダイス】http://www.asianparadise.net/
【台湾文化センター】https://jp.taiwan.culture.tw/

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